THE BEATNIKS、レコ発ライヴで18曲を熱演

2018年5月12日 / 15:00

5月11日(金)@東京・EX THEATER ROPPONGI (okmusic UP's)

高橋幸宏と鈴木慶一のTHE BEATNIKSが、5月11日に東京・EX THEATER ROPPONGIでライヴを行った。

これは5月9日に発売されたTHE BEATNIKSの5枚目のアルバム「EXITENTIALIST A XIE XIE」のリリースを記念して開催されたもの。この日は同アルバムにも参加したゴンドウトモヒコ(Euph&TP&Glo)、砂原良徳(Key)、矢口博康(Sax,Cl)をはじめ白根賢一(Dr)、高桑圭(B, Gt)、堀江博久(Key)、永井聖一(Gt)ら7人がTHE BEATNIKSのふたりをサポート。

会場内に「Crepuscular Rays」がSEとして流れる中、プレイヤーひとりひとりのシルエットがスクリーンに投影され「THEBEATNIKS」の文字が映し出されると、新アルバム収録曲の「鼻持ちならないブルーのスカーフ、グレーの腕章」でライヴがスタートした。間髪入れずに始まった2曲目は1stアルバム『EXITENTIALISM 出口主義』の翌年にリリースされたシングル「River In The Ocean」。いきなりの懐かしナンバーに集まった古くからのファンも、イントロが鳴るや大きな歓声をあげる。

続いて幸宏と慶一はアコースティックギターに持ち替え、新アルバムに収録の秀作「Brocken Spectre」を披露。ふたりは息の合った美しいハーモニーを会場に響かせる。5曲目の「Inevitable」から1stや2ndアルバム『EXITENTIALIST A GO GO ビートで行こう』の楽曲が並ぶ。このパートではビートニクスのブラックサイドともいうべくダークでヘヴィな曲が続く。退廃的で無機質ながらも、ロマンチシズムあふれるインダストリアル系のテクノサウンドにオーディエンスもじっと酔いしれるように聴き入る。前半のハイライトは「Left Bank」。同曲は元々、ビートニクス用に作られたが、幸宏、慶一各々のソロ・アルバムに収められることになった幻のTHE BEATNIKSナンバー。前半のダークで静かな曲調から一転、中盤から徐々に盛り上がり最後は後光が刺すように照明が明るくなる様は感動すら覚える圧巻の演奏で客席を圧倒。

慶一の「ここからは新しい曲やります!」で新アルバムからの楽曲を3曲続けた後、再び1st、2ndアルバムの楽曲を交互に演奏し会場を沸かせる。 幸宏が「ドカーンとやりますよ!」と宣言して始まったのはニール・ヤングのカバー曲「I’ve Been Waiting For You」。この辺りから客席も徐々に温まり出す。

続いて、幸宏がこの日初めてのドラムセットに移り、客席のテンションがあがる。1stアルバム収録の『Ark Diamant』、3rdアルバム『M.R.I. Musical Resonance Imaging』の「Dohro Niwa」と、幸宏と白根賢一のツインドラムが凄まじいまでの破壊力で会場を揺らすと、バンド・メンバーもアグレッシヴかつ緊張感溢れる演奏で応じる。ここでは前半のクールで無機質な演奏から一転して、9人のプレイヤーが渾然一体となって転がりながら爆ぜていく。

客席の高揚も最高潮に達したところでラストナンバーに突入。昨年5月に恵比寿で開催された赤塚不二夫生誕80年記念『バカ田大学祭ライブ』で初披露され、各地のフェスやイベントを転戦し今やビートニクスの新定番曲となった「シェー・シェー・シェー・DA・DA・DA・Yeah・Yeah・Yeah・Ya・Ya・Ya」だ。テクノポップとビーチボーイズが幸せにマリアージュしたカラフルなナンバーで、「シェー・シェー・シェー」と手をクロスさせ、「Yeah・Ya・Ya・Ya」で両手を広げるパフォーマンスはステージと客席を一体化させる磁力を持つ魔曲。このラストナンバーで場内を興奮の坩堝に叩き込み、本編は終了。

アンコールではヒートアップした会場を冷ますかのように、新アルバム収録の「Unfinished Love ~Full of Scratches~」を淡々と歌う。随所に挟まるゴンドウのユーフォニアムと矢口博康のテナー・サックスが美しい。 幸宏が「最後はやっぱり景気よく!」と煽れば、「私ははっきり言って聴き飽きた…」と慶一がうそぶく最後のナンバーは1987年リリースのシングル曲「TOTAL RECALL」。売れるポップな曲を作ろうと挑んだ意欲作だったそうで、車のCMソングにも内定していたが、タイトルを聴いた自動車会社の社長が激怒しボツになったというエピソードを幸宏が話せば、慶一が「自動車会社でリコールはマズかったよな、やっぱり」と返す。代わってCMソングに採用されたのが教授のイギー・ポップをフィーチャーした「RISKY」になったそう。幸宏は「RISKYだって、マズイよね」とこぼして会場内を笑いに包んでラストナンバーを演奏。最後は全員がステージ横一線に並び満員で埋まった客席に挨拶をし、ステージを降りる。スクリーンに「THANK YOU」「GOOD NIGHT」と映し出され、全19曲、2時間超に及んだ 『ビートニクスがやってくる! シェ! シェ! シェ!』ライヴが終了した。

この後、ビートニクスは8月18日の『SUMMER SONIC2018』に出演。また、8月14日の東京、23日の大阪でのBillboard LIVE出演もアナウンスされた。

text by 石角隆行
【セットリスト】

0.Crepuscular Rays

1.鼻持ちならないブルーのスカーフ、グレーの腕章

2.River In The Ocean

3.Go and Go

4.Brocken Spectre

5.Inevitable

6.Now And Then

7.COMMON MAN

8.Left Bank

9.Softly-Softly

10.ほどよい大きさの漁師の島

11.BEAT印のDOUBLE BUBBLE

12.ちょっとツラインダ

13.No Way Out

14.I’ve Been Waiting For You

15.Ark Diamant

16.Dohro Niwa

17.シェー・シェー・シェー・DA・DA・DA・Yeah・Yeah・Yeah・Ya・Ya・Ya

<アンコール>

18.Unfinished Love ~Full of Scratches~

19.TOTAL RECALL
アルバム『EXITENTIALIST A XIE XIE』
2018年5月9日発売

【CD】

COCB-54260/¥3,240(税込)

<収録曲>

1.Crepuscular Rays

2.I’ve Been Waiting For You 

3.鼻持ちならないブルーのスカーフ、グレーの腕章 

4.Brocken Spectre

5.ほどよい大きさの漁師の島 

6.Softly-Softly

7.BEAT印のDOUBLE BUBBLE

8.Unfinished Love 〜Full of Scratches〜 

9.Speckled Bandages

10.シェー・シェー・シェー・DA・DA・DA・Yeah・Yeah・Yeah・Ya・Ya・Ya

【LP】

COJA-9334/¥4,104(税込)


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