【後編】GACKT 映画『キングコング:髑髏島の巨神』スペシャルインタビュー「見終わった後に色んな話を仲間としてくれれば嬉しい」

2017年3月26日 / 17:01

 3月25日公開の映画『キングコング:髑髏島の巨神』。「この島で、人類は最弱」というキャッチコピーの通り、巨大生物だらけの中で奮闘する人間を描いたアドベンチャー大作だ。また、キングコングの誕生の起源にも迫る作品ということで、往年のファンからも大きな注目を集めている。今回は日本語吹替版で主人公・ジェームズ・コンラッド役を務めたGACKTにインタビュー。ただのアドベンチャー映画では終わらない、本作の深い投げかけやその見どころをGACKTの目線で語ってもらった。
<インタビュー前編はこちら
————–
–映像技術で言うと、私はブリー・ラーソン演じるウィーバーがコングの鼻に触るシーンを見た時に、CGじゃなくてそこにいるんじゃないかっていうくらいリアリティをもって見れたと思ったんですけれども、クリーチャーたちの映像もすごいリアルじゃないですか。あの中だったらGACKTさんは、どのクリーチャーが好きですか?

GACKT:んー、映像美としてボクが美しいなと思ったのは、竹藪を歩いていくときに竹だと思ってたら足で、上からズバズバ刺さるシーンがある。あれが残酷なんだけど美しいって感じたのと、あんな虫が実際にいるんだろうなって感覚になった。というか、そもそも人間が入っちゃいけない場所。

–そうですね。触れちゃいけない神の領域というか。

GACKT:そうなんだよ。人間が入っちゃいけない領域がたくさんあって、冒しちゃいけないものがいっぱいあるのに全てを暴こうとするというか。探求心があるのは分かるんだけど、色んなものを壊しすぎる。放射能の問題然り、地震だったり他の天災だったり、おかしいじゃん最近。

–多いですよね。

GACKT:地球がおかしなことになってる1番の原因は、人間が色んなものを壊してるからじゃないのかって思うんだ。本来、みんながもっと危機感を持つべき。

–そうですよね、気候で言うと3月半ばなのに真冬のような寒さだったり。

GACKT:そう、4月の中旬ぐらいにいきなり雪が降ったりとかさ。昔だったら考えらんないじゃん。

–これまでに『ゴジラ』が環境問題への問いかけをしてきたような。そういった意味でも今回の映画がいまの時代に出てくる意味があるのかなとも思いました。

GACKT:この時代だからきっと人の心に響くというか。これが同じ技術で20年前じゃ全然響かないんだろうなって。いまだからこそボクらがこの映画を見て考えなきゃいけないことが実際あった。映画って娯楽の1つではあるだろうけど、こうやってエンターテインメントを通して自分たちに投げかけられる問題を切に受けなきゃいけない。

–映画の中ではコングやクリーチャーに注目が集まりがちだと思いますが、人間のストーリーは2つのグループに分かれて進んでいきます。人間の方はどこにポイントを置いて見ればいいでしょうか?

GACKT:トム・ヒドルストン演じるジェームズ・コンラッドが、サミュエル・L・ジャクソン演じるプレストン・パッカード大佐のことを「軍人としての軍人」という表現をしているんだけど、その言葉を映画の最後まで引っ張っていて。彼は理由が簡単、「やられたからやり返す」っていう。

–部下をってことですよね。

GACKT:「自分の部下がやられたから自分はやり返す。オマエは金で雇われたんだから」ってことを言う。そもそも、その考え方が全ての争い事を引き起こすというか。そういう言葉1つ1つに意味があるからそこを感じ取ってほしいっていうのはある。

–なるほど、GACKTさんのお話聞いて、今度はそんな目線で見たいと思いました。

GACKT:戦争を起こす人たちの考え方って、どっちがいい悪いとかじゃない。「やられたからやり返す」「命令されたから動く」とかそこだけ。ただそれじゃ物事の解決にならない。

–作品の舞台がベトナム戦争後という時期だから、そんな要素も出ているのかなと思いました。

GACKT:これだけ長い歴史の中で、戦争の後に残るものが決して良いものじゃないって分かってるにも関わらず終わらないじゃん。ボクらの時代は、大国のエゴや大きなものに巻かれる時代じゃないというか、もっと個がしっかりする時代にきてんじゃないのかなっていうのは感じる。あと、世界には色んな問題がある。それで何が正しいか間違ってるかっていうことを話し合うことが大切なのではなくて、皆がそれを問題視できるかどうかっていうことが大切。

–傍観するんじゃなくて自分も関わっている意識を持つということですね。

GACKT:そういうこと。

–では最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

GACKT:色んな意味で、たくさんの人が楽しめる映画になっている。子どもたちも楽しめる、若い子たちも楽しめる。それでいてテーマは深いし、映像として面白いと思うものもたくさんあれば、こうやって投げかけられる問題に対して切に受け止められる人もいるだろうし。見終わった後に色んな話を仲間としてくれれば嬉しい。

◎公開情報
『キングコング:髑髏島の巨神』
3月25日(土)、丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー他、3D/2D/IMAX公開
監督:ジョーダン・ボート=ロバーツ
出演:トム・ヒドルストン / ブリー・ラーソン / サミュエル・L・ジャクソン / ジョン・グッドマン / ジョン・C・ライリー
日本語版吹替キャスト:GACKT(ジェームズ・コンラッド役) / 佐々木 希(メイソン・ウィーバー役) / 真壁刀義(レルス役)
配給:ワーナー・ブラザース映画

(C)2016 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC., LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED


音楽ニュースMUSIC NEWS

Travis Japan「Sweetest Tune」×ドラマ『東京タワー』コラボMV、名シーンや未公開シーンを収録

J-POP2024年5月4日

 Travis Japanの新曲「Sweetest Tune」と、テレビ朝日系オシドラサタデー『東京タワー』のコラボMVが期間限定公開された。  本ドラマは、2001年に刊行された江國香織の同名小説が原作で、永瀬廉(King & P … 続きを読む

King & Prince、ニューシングル&ベスト盤楽曲をサブスク解禁へ「僕たちも嬉しい」

J-POP2024年5月4日

 King & Princeのニューシングルとベスト盤の収録曲が、CDデビュー6周年を迎える2024年5月23日にサブスク解禁される。  配信の対象となる作品は、5月23日にリリースとなる15枚目のシングル『halfmoon / m … 続きを読む

川西拓実(JO1)と共演者たちの絆が感じられる、映画『バジーノイズ』メイキング写真公開

J-POP2024年5月4日

 川西拓実(JO1)と桜田ひよりが主演を務める映画『バジーノイズ』のメイキング写真が公開された。  2024年5月3日に公開となった本映画の原作は、むつき潤による同名漫画。DTM(デスクトップミュージック)を題材にしており、『週刊ビッグコミ … 続きを読む

OWV、ツアー【MUSEUM】ファイナルのライブダイジェスト映像公開

J-POP2024年5月4日

 OWVが、2024年6月12日にリリースとなるニューシングル『LOVE BANDITZ』のFC限定盤に収録されるライブ映像のダイジェストを公開した。  FC限定盤の付属Blu-rayには、今年1月14日に東京・片柳アリーナで開催された【O … 続きを読む

halcaがビルボードライブ初登場、2年ぶりのアコースティック公演

J-POP2024年5月4日

 昨年、デビュー5周年を迎えたシンガー、halcaがビルボードライブに初登場する。  2013年にボカロ・アニソン特化型オーディション『ウタカツ!オーディション』で準グランプリを獲得し、2018年にはTVアニメ『ヲタクに恋は難しい』エンディ … 続きを読む

Willfriends

page top