【テレビコラム】データで予測!今期ドラマの最終回視聴率

2015年8月10日 / 17:00

【テレビコラム】データで予測!今期ドラマの最終回視聴率 こんにちは。ツイッターのつぶやき数でテレビ番組の盛り上がりが分かるスマートフォンのテレビ実況アプリ「みるもん」(旧「みるぞう」)開発スタッフのイヨダです。

 私はテレビ関連のデータ分析を仕事としていますが、今回「機械学習」という手法を用いて、過去2年分のドラマのデータを基に、この夏放送されているドラマの最終回の視聴率を予測しました。

・初回放送、第2回放送における視聴者のツイートから取り出した18種類の感情成分の量

・初回放送、第2回放送の世帯平均視聴率

・その他のパラメーター

がベースになっています。

 「感情成分」とは、ツイートの中に含まれる感情を表す要素のことです。例えば「イライラ」「ムカつく」などの表現が含まれていたら「怒り」、「ドキドキ」「しびれる」などであれば「興奮」という具合です。

 実際の視聴率は、裏番組やら天気やら、いろいろな要因に左右されるものなので、本当にこの通りになるかどうかは分かりませんが、一つの予想としてご笑覧ください。

 

 花咲舞が黙ってない(日本テレビ系)    13.5%

 デスノート(日本テレビ系)    13.3%

 刑事7人(テレビ朝日系)    10.3%

 ホテルコンシェルジュ(TBS系)    10.2%

 恋仲(フジテレビ系)    9.4%

 エイジハラスメント(テレビ朝日系)    8.7%

 探偵の探偵(フジテレビ系)    7.8%

 ナポレオンの村(TBS系)    7.8%

 ど根性ガエル(日本テレビ系)    6.9%

 表参道高校合唱部!(TBS系)    6.8%

 37.5℃の涙(TBS系)    6.3%

 リスクの神様(フジテレビ系)    5.2%

 この2年間の傾向として、視聴者が「泣ける」「怖い」「切ない・つらい」「笑える」の4種類の感情を抱くドラマは、視聴率が高くなりやすいようです。

 一方、その他の感情成分、たとえば「心が温まる」「(出演者、登場人物が)かっこいい、かわいい」などは、視聴率には比較的貢献しないようです。

 今期のドラマで最も「泣ける」という感情成分が強く出たドラマは「表参道高校合唱部!」。私も見ていますが、毎回ベタな展開ながら、ついうるっときてしまいます。ただ「泣ける」と評価されているわりには、予想最終回視聴率は残念ながらあまり高くなりませんでした。

 ちなみにこの作品は、「俳優の演技がうまい」という感情成分でも1位でした。主役に大抜擢された芳根京子さんの演技が評価されているのかな?と思いきや、出演俳優の歌のうまさに注目が集まった結果でした。

 「怖い」という感情成分が強く出たドラマは、今期はほとんどありませんでした。サスペンス調のドラマが少ないせいでしょうか。今期のドラマは低調といわれていますが、その理由は「怖さ」が足りていないことにあるのかもしれません。

 「切ない・つらい」と「笑える」の感情成分が最も強く出たドラマは「恋仲」。「切ない・つらい」はともかく、なぜ「笑える」なの?と思われるかもしれません。これは実は、おかしくて笑っているのではなく、ピュアな青春のシチュエーションにはしゃいで、ついつい「笑」の文字をたくさんツイートしている視聴者が多数いるということです。

 ちなみに「恋仲」は、「怒り」の感情成分でも1位でした。怒りの対象はもっぱら、主人公・三浦葵(福士蒼汰)の恋敵、蒼井翔太(野村周平)。憎まれ役のキャラクターづくりが見事に成功しているようです。

【伊與田孝志プロフィール】 データ分析企業データセクション株式会社所属。かつて開発したテレビ実況アプリ「みるぞう」を、「みるもん」の名前で再リリースする一方、テレビ関連のデータ分析分野でも活動中。個人的に最近はまっている番組は、スペインドラマ「情熱のシーラ」(NHK総合)と「廃墟の休日」(テレビ東京系)。


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