ロイヤル・ブラッドが初来日公演!破格の新人バンドがわずか50分で魅せた新人らしからぬ貫禄のステージ

2015年1月22日 / 18:30

 2015年1月22日、東京・恵比寿リキッドルームにて英国出身の新人ハードロック・バンド、ロイヤル・ブラッドが初の来日公演を行った。

 昨年リリースしたデビュー・アルバム『ロイヤル・ブラッド』が、新人バンドとしては破格の成功と評価を得たこともあって今回の来日も大きな話題を呼んだ彼ら。ヴォーカル/ベースのマイク・カーとドラムのベン・サッチャーによる二人組バンドだ。その音楽性はクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジやザ・ブラック・キーズ、ミューズ、ジャック・ホワイトおよびザ・ホワイト・ストライプス、そして往年の伝説的バンド、レッド・ツェッペンリンまで引き合いに出されるハード・ロックから渋好みのブルース・ロック、パンクやメタルまでも飲み込んだ非常にハードなものだ。

 久しぶりに登場した破格のハードロック・バンドの初来日をひと目観ようと、この日はハードロック・ファンを中心とした幅広いロック・ファンが集結、年齢層も幅広くチケットも見事にソールドアウトした。そして結論から言えば、ロイヤル・ブラッドのライブは、そうしたファンの期待に十分に応える、新人らしからぬ貫禄を感じるものだった。

 オープニングのSEが流れるとメンバーが登場、アルバム・ジャケットにもあしらわれた黒装束の女性のイラストがステージ後方のスクリーンに掲げられ、ストイックなイメージが強調されている。(ベンが日の丸のハチマキをしてるのだけが気になるけど。)

 1曲目は「Come On Over」だ。バンドはギターレスという特異な編成だが、ギター弦を用いた特殊なベースに加え、ギター・アンプやエフェクターを効果的に駆使したマイクのプレイは、ギターの不在を全く意識させない。ベンのドラムも音源よりダイナミック。正直、ライブが始まるまでは観客も半信半疑というか、実際のところどうなのか?と様子をうかがっているという印象もあったが、その疑いの目は出だしから完全に打ち砕かれた形だ。演奏後は間髪を入れずに、2曲目「You Can Be So Cruel」へ。マイクのヴォーカルも含め、その新人らしからぬ演奏力に、二曲を終えたばかりで早くも終演時のような盛大な歓声と拍手がバンドに送られる。

 この流れで完全に観客の支持を得た二人は勢いもそのままに「Figure It Out」を披露。演奏中、マイクのライトハンド奏法も飛び出す、彼らのレパートリーの中でも最もロック色の強い一曲だ。ブレイクのタイミングには<カモン!トーキョー!>とマイクがフロアを煽り、観客も間奏での手拍子でそれに応える。演奏のリズムが倍になる最終パートではフロア前方で大きなモッシュも起こった。

 前半三曲は比較的テンポの速い曲が揃ったが、ここからはややタイプの違う曲が続く。4曲目はシングルのB面収録の「You Want Me」。ロイヤル・ブラッドの名前が世界的に知られるきっかけとなったアークティック・モンキーズのバラード等を彷彿とさせる、メロディアスな一曲だ。続く「Better Strangers」はこの日演奏された中でも最もテンポの遅い曲で、ガリガリと攻め立てる一辺倒ではないバンドの懐の広さを見せつける。

 ライブ開始からここまで、ほぼMC無しでストイックなステージを展開してきたロイヤル・ブラッドだったが、ここではじめてマイクが客席に語りかける。<今日はみんな来てくれてホントありがとう。>という感謝のコメントに続き、相方のベンを指して紹介。日の丸のハチマキをしたベンに客席から盛大な拍手が送られ、ベンも深々とお辞儀してそれに応える。この時ばかりでなく、ベンのチャーミングで憎めない雰囲気が印象的だった。さらにマイクが二度、<トーキョー!レディ!?>と客席を煽り、観客も大歓声で応え、そのまま演奏へ移る。

 間奏部で見せる、激しく急き立てるようなドラムロールが印象的な「Little Monster」。ブルース・ロック譲りの3連のリフが怪しく異彩を放つ「Blood Hands」。続く「Careless」もこなれたブルース・ロックで、激しく煽るばかりでないグルーヴィな演奏を聴かせる。マイクの声やブルージーな曲の印象もあり、初期のコールド・ウォー・キッズを彷彿する場面も。

 続く「Ten Tonne Skeleton」は、マイクの奏でるサイケデリックなギターの前奏から曲に入るアレンジで披露。こうした演奏のちょっとしたアイデアやフレーズの選び方に、一朝一夕でない彼らの音楽的な引き出しの深さを感じる一方、間奏ではマイクがギターを高々と掲げて客席を煽るなど、ロック・スター然とした振る舞いも様になるのがニクいバンドだ。

 演奏後、ラストスパートを前にしていつの間にか二人の手元に缶ビールが。<“Cheers”って日本語で何ていうの?>というマイクの質問にファンが返答し、メンバーと観客が一体となって<カンパーイ!!>。ビールを一口飲んで、「Loose Change」演奏へ。もうひと踏ん張りとばかりに客席でもモッシュが起きる。

 この日、最後の曲となったのは「Out Of The Black」。冒頭、ドラム椅子の上に直立したベンがフロアを煽る一方で、マイクは引き摺るようなギターソロでたっぷりと前奏を引き伸ばす。そうやってフロアを焦らしたところで、あの6連のリフ&ドラムが鳴り響くと、客席からは一際大きな歓声とモッシュの嵐が巻き起こった。間奏~最終パートの演奏では、マイクもベンも全身を大きく前後に揺らして楽器を弾き倒す、まさにクライマックスという強烈な演奏を繰り広げる。特にマイクの演奏は、新しいギター(ベース)ヒーローの登場を予感させるほどのカリスマに溢れたものだ。最後は、再度マイクがギターを客席に大きく掲げてフィニッシュ。観客からもパワフルな二人の演奏に万雷の喝采が送られる。

 以上、全50分。アンコールを求める拍手もしばらく絶えなかったが、30分強のアルバムを1枚出したばかりのバンドとしては十分過ぎるステージだったと言える。次に来日するときはひと回りと言わず、ふた回りも三回りも大きなステージになっていることを予感させる充実のライブだった。

◎リリース情報
『ロイヤル・ブラッド』
ロイヤル・ブラッド
発売中
2,200円(tax out.)


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