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第57回グラミー賞の授賞式がいよいよ2月9日(日本時間)に開催される。
日本国内でも主要4部門の行方や授賞式での豪華パフォーマンスが毎年大きな話題となるが、世界最高峰の音楽祭であるグラミー賞はそれだけではない。ジャンルごとに細分化された全83部門の賞レースの行方も音楽ファンならぜひチェックしておきたいところだ。
そこで今回は、日本では決して注目度が高いとはいえないアメリカン・ルーツ・ミュージックというカテゴリのなかの賞のひとつ「最優秀ブルース・アルバム」部門の候補作品を紹介したい。
まずはブラスターズのデイヴ&フィル・アルヴィン兄弟が約30年ぶりにタッグを組んで発表した『Common Ground~Dave Alvin & Phil Alvin Play And Sing The Songs Of Big Bill Broonzy』。タイトルの通り、今も多くのミュージシャンに影響を与え続けているブルース界の巨匠ビッグ・ビル・ブルーンジーのカバー集だ。フィルの渋いボーカルに、兄弟ならではの美しいコーラス・ワーク、2本のギターとタイトなバンド演奏で名曲の数々を楽しめる、シンプルながら飽きの来ないソングブックとなっている。
続いて候補者の中では紅一点、アフリカン・アメリカンのブルース・シンガー&ソングライターのルーシー・フォスターによる『Promise Of A Brand New Day』。ミシェル・ンデゲオチェロのプロデュースによるこの作品も、抜群の歌唱力とゴスペルやR&Bなどブラック・ミュージックのエッセンスを加えたグルーヴィーでエモーショナルなブルースを堪能できる。全体的にポップな仕上がりで、ブルース・ファンでなくても聴きやすいアルバムだろう。
そして、昨年のグラミー賞にてベン・ハーパーとの共作アルバム『Get Up!』で同賞の栄冠を手にしたブルース・ハープ奏者のチャーリー・マッスルホワイトが、今年はライブ盤『Juke Joint Chapel』で2年連続のノミネート。60年代からブルース・シーンで活動を続け、近年はトム・ウェイツ作品への参加などでも知られるブルース・ハープの名手によるダイナミックな演奏と息づかいを堪能できる、臨場感たっぷりのライブ盤となっている。
同じく受賞こそ逃したものの、2年連続ノミネートとなったのがボビー・ラッシュ。今年は7人組ファンク・バンド、ブラインドドッグ・スモーキンとの共同名義でリリースしたアルバム『Decisions』でノミネート。同作でももちろん、72歳とは思えないファンキーでギラギラとした“絶倫”ブルースを炸裂させている。昨年もフジロック出演のために来日を果たすなど日本でも根強いファンを持つボビー・ラッシュだが、同アルバム収録曲の「Another Murder in New Orleans」にドクター・ジョンが参加・共演し、ミュージックビデオが公開されたこともファンの間で話題となった。
そして最後は、昨年の7月にこの世を去ったブルース・ギタリスト ジョニー・ウィンターの遺作『Step Back』。エリック・クラプトンにドクター・ジョン、ジョー・ボナマッサ、ジョー・ペリーら豪華ゲストとともに繰り広げられる、エネルギッシュなジョニーのプレイは、遺作と言うにはあまりにも酷だと感じてしまうほど。ブルース・ファンのみならずロック・ファンにも根強い人気と知名度を誇りながら、グラミー賞にはこれまで縁がなかったジョニー・ウィンター。皮肉にも遺作で初のグラミー賞獲得となるかが今年の「最優秀ブルース・アルバム」部門の最注目ポイントといっていいだろう。
第57回グラミー賞授賞式は日本時間2月9日に開催、同日午前9時よりWOWOWにて生中継される予定となっている。
<最優秀ブルース・アルバム 候補作品一覧>
Common Ground ~Dave Alvin & Phil Alvin Play And Sing The Songs Of Big
Bill Broonzy/ Dave Alvin & Phil Alvin
Promise Of A Brand New Day / Ruthie Foster
Juke Joint Chapel / Charlie Musselwhite
Decisions / Bobby Rush With Blinddog Smokin’
Step Back / Johnny Winter
◎関連情報
第57回グラミー賞 オフィシャルサイト
http://www.grammy.com/
◎番組情報
WOWOWプライム
『生中継!第57回グラミー賞授賞式』※生中継
2015年2月9日(月)9:00~WOWOWライブ
『第57回グラミー賞授賞式』※字幕版
2015年2月9日(月)22:00~
info:http://cdn.wowow.co.jp/music/grammy/
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