「残響祭 10th ANNIVERSARY」の千秋楽、Zepp DiverCity公演が大盛況!

2014年10月21日 / 15:00

10月19日(日)、「残響祭 10th ANNIVERSARY」の東京公演がZepp DiverCityで開催された。

残響recordの設立10周年を記念して、全国10か所で行われたツアーのファイナルにあたるこの日は、会場をこれまでのSHIBUYA O-EAST&SHIBUYA DUOから移し、Zepp DiverCityのフロアに初めてサブステージが作られる形で、2ステージ制を実現。全14組の出演者が、レーベルのメモリアルイヤーを華々しく彩った。

メインステージにオープニングアクト的な立ち位置で登場した新鋭3ピース、TOKYOGUMがエネルギッシュなステージを披露し、レーベルの社長であるte’の河野章宏が10周年に対する感謝とイベントの幕開けを告げると、サブステージにはこちらも新人の雨のパレードが登場。ゆらゆらと揺れながら歌うフロントマンを中心に、新人離れした独自の世界観を展開して、早くから会場を訪れた多くのオーディエンスの目を釘付けにしていた。

残響record初のトラックメーカーであるRumbは、この日が初ライブ。ダンサーも交えたクラブ寄りのステージはこの日の出演者の中で異色だったが、この許容量の広さに今のレーベルの自由度が象徴されていた。続く、レーベルの最古参バンドのひとつであるperfect piano lessonは、この日が2014年唯一のライブ。こうした貴重な機会に立ち会えるのもレーベルイベントならではで、「tauntin’」のようなお馴染みの曲では、自然と手拍子が起こっていた。

te’の松田知大の紹介で今回の参加が決まったというATATAは、スケール感と爆発力を兼ね備えたステージを展開。ブラー「Song 2」のカバーなどを交えながら、高い熱量でモッシュを巻き起こした。12月に初代ギタリストの復帰が決まっているmudy on the 昨晩は、近年サポートを務めていたHEREの武田将幸との東京でのラストステージということもあって、頭からテンションの振り切れ具合が尋常じゃない。トリプルギターが入り乱れ、一心不乱に演奏する様は圧倒的だった。

この日唯一の海外アクト、The Octopus Projectはテキサス州オースティン出身のエクスペリメンタルポップバンド。反復を基調とした楽曲に、ノイズギターやテルミンなども用いて、サイケデリックな空間を生み出した。cinema staffの三島想平がプロデュースを手掛けるchouchou merged syrups.は、存在感のある女性ボーカルが魅力。「残響祭」にぴったりな「お祭りも~ど♡」をはじめ、勢いのある楽曲中心のセットで盛り上げた。

ゲストアクトの川本真琴は、インディーシーンで確固たる地位を確立しているミュージシャンが揃ったゴロニャンずと共に登場。洒脱な演奏に支え られ、天真爛漫に歌い踊る川本のキュートな魅力が際立っていた。マイペースな活動ながら、実力派として知られるハイスイノナサは、コーラスとパーカッションのサポートを加えた7人編成。高度に構築されたミニマルな楽曲を、ときにエレガントに、ときに獰猛に演奏していく様は、圧巻の一言。

cinema staffのライブは、飯田瑞規と三島のツインボーカルが新鮮な「wildcard」からスタート。そして、「Twitterで募集したリクエスト1位の曲を演奏する」という企画で選ばれたのが、メンバーいわく「ライブで一度しか演奏したことがない」という「Seattle meets realism」。これは2008年に発表されたインディーズ時代の作品『document』のタワーレコード購入特典として配布されたCDに収録されたかなりのレア曲で、一部オーディエンスからはどよめきも起こっていた。ラストは現在の彼らの外向きなムードを象徴する「theme of us」で、会場中が手拍子に包まれた。

ダイノジのDJによって、会場がさらに熱気を帯びる中、People In The Boxが登場。cinema staff同様、彼らもTwitterでリクエストの募集が行われたのだが、選ばれたのは2008年に発表された『Bird Hotel』からの「海抜0m」で、やはりこちらもマニアックな選曲が嬉しい。さらに、新曲の「赤札」では「サッカー」「野球」というコミカルなコール& レスポンスで盛り上げると、最新シングルの「聖者たち」でステージを締めくくった。

再びダイノジが登場し、今度はコントで場を温めると、最後はもちろんレーベル社長の河野擁するte’のステージ。「音の中の『痙攣的』な美は、観念を超え肉体に訪れる野生の戦慄。」でアッパーにスタートし、ドラマチックな「己が分を知りて及ばざる時は速やかに止むるを『智』と言うべし。」の演奏を終えると、河野はMCで「曲を演奏しながら、自分でグッと来てしまいました」と10周年の感慨を語り、「まだまだやれるなって思いました。ついてきてください!」とオーディエンスに語りかける。「自由と孤立と己とに充ちた現代に生きた犠牲として訪れる『未来』」で大合唱が巻き起こった後は、この日の出演者がステージに乱入する「残響祭」恒例の絵が繰り広げられ、te’の黒田洋俊による「残響最高!」という掛け声と共に、10周年の宴は大盛況で幕を閉じた。

ライター:金子厚武

【セットリスト】

■TOKYOGUM

01.腐海前

02.ユース

03.かける鳥

■雨のパレード

01.10-9

02.大衆が作り出す熱狂への無抵抗

03.ぺトリコール

04.揺らぎ巡る君のそれ

■Rumb

01.Opening SE

02.Life

03.so fly(Long ver.)

■perfect piano lesson

01.Blue Machine

02.tauntin’

03.Traumerei

04.Anniversary

05.electric city

■ATATA

01.Star Soldier

02.Nite Wonder

03.Song 2

04.The Lust Dance

05.Fury Of The Year

06.Reverberation

■mudy on the 昨晩

01.PERSON!PERSON!

02.エゴダンス

03.ユアイへ

04.PANIC ATTACK

05.YOUTH

■The Octopus Project

01.The Falls

02.Pyramid Kosmos

03.MMKIT

04.The Mythical E.L.C.

05.PERHAPS

06.WHITBY

07.SHARPTEETH

08.TRUCK

■chouchou merged syrups.

01.斜陽

02.お祭りも~ど♡

03.白昼夢は色彩の無い

04.neoteny

05.ヒエログリフト遊ぶ

■川本真琴&ゴロニャンず

01.ピンク

02.ハッカときみと太陽

03.フラッグ

04.グラデーション

05.DNA

06.やきそばパン

■ハイスイノナサ

01.reflection

02.新曲(タイトル未定)

03.変声期

04.新曲(タイトル未定)

■cinema staff

01.wildcard

02.borka

03.Seattle meets realism

04.great escape

05.theme of us

■People In The Box

01.翻訳機

02.海抜0m

03.赤札

04.球体

05.聖者たち

■te’

01.音の中の『痙攣的』な美は、観念を超え肉体に訪れる野生の戦慄。

02.己が分を知りて及ばざる時は速やかに止むるを「智」と言うべし。

03.思想も共感もいらず、ただ幻聴を誘発する『起因』としての音楽。

04.言葉を用いて奏でる者は才能に在らず、ただの記憶に『過』ぎぬ。

05.自由と孤立と己とに充ちた現代に生きた犠牲として訪れる『未来』

06.死闘,勇鋭,死憤,励鈍,倖用,待命,陥陳,勇力,必死,冒刃。


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