新録ベスト&新作アルバム2枚組の力作に感じる結成40周年“妖艶なロックの生き証人”ブロンディの魅力

2014年7月24日 / 11:46

 2006年にロックの殿堂入りを果たした、ニューヨーク出身のバンド、ブロンディは、2014年に結成40周年を迎えている。バンド名の由来となったブロンド・ヘアの紅一点=デボラ(デビー)・ハリーはこの7月に御歳69となったベテラン・シンガーだが、バンドは1982年に一度解散するものの、90年代後半に復活を遂げて以降も新作を発表しながら精力的に活動している。

 そんな彼女たちの3年ぶりの新作『Blondie 4(0) Ever』は、タイトルどおりに結成40周年の記念作品で、新録ベスト『Greatest Hits Deluxe Redux』とニュー・アルバム『Ghosts of Downloads』からなる2枚組の力作だ。デビーの誕生日とほぼ時を同じくして日本盤もリリースされた。まず『Greatest Hits Deluxe Redux』は、デビーの歌声が年輪の味わいを感じさせつつも、それ以上に力強くキュートな響きが往年のヒット曲に新たな命を吹き込んでいる。1979年に初のナンバー1ヒットとなった「Heart of Gold」も、ディスコの父・ジョルジオ・モロダーとタッグを組みビルボード6週連続1位を飾った「Call Me」も、キレの良いラップが決まる「Rapture」も、オリジナル版の輝きに堂々と対抗し得る音源となった。

 一方、完全新作『Ghosts of Downloads』は、むしろ懐メロの制約を受けない点で伸び伸びと今のブロンディの実力を発揮するアルバムだ。「Rave」はグレイテスト・ヒッツの一角を担っていてもおかしくないほどの華やかなダンス・ポップ・チューンで、アメリカン・ニュー・ウェーヴ・バンドとしての息遣いをキープしたまま、しなやかに現代を生き抜くブロンディの姿を浮かび上がらせている。シングル曲「I Want to Drag You Around」を手掛けたのはニュージーランドのバンド、ザ・デュークスのフロントマン=マット・ベイラス。デボラの物憂げなヴォーカルを引き出す好仕事ぶりを見せている。ジプシー・スウィングのようなアコーディオン・サウンドとトロピカル・グルーヴが織り成すミクスチャー・ロック「I Screwed Up」や大作指向の「Relax」も含めて、ブロンディらしい想像力の広がりとポップ・センスが全編を貫いている。

 現在、2月に本国アメリカで幕を開けた40周年ツアーと、各地大型フェス出演に勤しんでいるブロンディ。このところのデビーは連日、自身のツイッター・アカウント上で「1975年の今日と同じ日付に、CBGBでラモーンズと一緒にライヴをしたわ」「1978年の今日、ブロンディ初の全米ツアーのサンディエゴで、キンクスと一緒にプレイしたわ」といったふうに、40年のキャリアを懐かしみながらツイートを続けている。最後のオリジナル・ラモーンズだったトミー・ラモーンの死去に際しても、親密で愛に溢れた追悼コメントを贈っていた。2006年には日本でのフェアウェル・ツアーが行われているのだが、願わくば、史上最もキュートで妖艶なロックの生き証人の一人である彼女に、今の元気な姿を日本のファンにも見せて欲しいところだ。

Text:小池宏和

◎リリース情報
『ブロンディ・フォーエヴァー:グレイテスト・ヒッツ・デラックス・レダックス / ゴースツ・オブ・ダウンロード』
2014/07/02 RELEASE
HSU-10008/9 2,457円(tax out)


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