ダーティ・ループス来日公演 期待に違わぬ圧倒的パフォーマンスが炸裂した夜

2014年5月21日 / 11:08

 スウェーデン出身の2014年最注目の新人バンド ダーティ・ループスによる初の単独来日ツアーの東京公演が5月18日、ビルボードライブ東京にて開催された。

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 世界の注目を集めるスウェーデン発のニュー・カマー、ダーティ・ループス。今年だけで3度目の来日、過去にはデイヴィッド・フォスター&フレンズのジャパン・ツアーで大舞台も経験している彼らだが、プロモーション以外での単独ジャパン・ツアーはこれが初めてである。それだけ彼らもテンションが上がっているだろうし、オーディエンス側の期待も否応ナシに高まっていた。

 デイヴィッド・フォスターが後ろ盾についての世界デビューで、ダーティ・ループスにはエルダー層のAOR/フュージョン系フリークスから、普通にラジオや配信で最新ヒットを楽しんでいる若いリスナーまで、幅広い音楽ファンが付いている。とりわけ自ら楽器を手にする人たちは、その驚異的レヴェルの演奏力・表現力に、かつてないほどの衝撃を受けたはずだ。デビュー前からYou Tubeでの再生が1400万回を越え、”You Tube Phenomenon (You Tube現象)”と謳われたのも、彼らの実力の凄まじさを目の当たりにした楽器少年や、耳の肥えた音楽ファンが騒いだのがキッカケになっている。そういう並々ならぬ期待を背負った、初の単独来日公演だったのだ。

 ヴェニューのステージ後方のカーテンが閉まったのは、何と開演5分前。いつにない展開にチョッと驚いていると、暗くなったヴェニューに幻想的なBGMが流れ、紫色のサーチライトがクルクル廻り始めた。まさにオーディエンスの高揚感を煽る、ドラマティックな演出だ。そしてほぼ定刻通りに、ラフな恰好のメンバーたちが大拍手を浴びながら登場。いきなり、YouTubeで話題をさらった楽曲のひとつ、ブリトニー・スピアーズ「Circus」で華麗に幕を開けた。

 演奏に加わっているのは、キーボードとヴォーカルのジョナ・ニルソンとレッチリ好きの6弦ベース奏者ヘンリック・リンダー、ドラムのアーロン・メレガルドというメンバー人と、ジョナをサポートするキーボード/ヴォーカルのシモン・ペトレン。同期を使っている部分はあったが、たった4人であのハイ・エナジーなサウンドを再現しているのは本当に驚異的だ。しかも時に笑顔を見せたり、客席を煽りながら、超人的超絶技巧の応酬。とりわけリズム隊のグルーヴとキレの良さ、“スティーヴィー・ワンダーの再来”と囁かれるジョナ・ニルソンのヴォーカル・パフォーマンスは圧巻で、満員に膨らんだオーディエンスすべてを魅了したに違いない。

  セットリストの中心は、言うまでもなく、ベストセラー邁進中の1stアルバム収録曲だ。そこに前述の「Circus」やアデル「Rolling In The Deep」といったカヴァー曲が加わる。MCでは「ヤバイ」「ワカッタ」「イイネ!」などと日本語のレパートリーを披露。人気曲「Sexy Girls」ではジョナが客席に降り、至近距離でダイナミックな歌いっぷりを見せてくれた。ヘンリックやアーロンのスーパー・テクニシャンぶりは随所でうかがえるが、時折聴かせるジョナのソロ、特にアウトしていくピアノ・フレーズにはジャズの血統がハッキリ感じ取れ、フュージョン好きをニヤリとさせた。半ばメドレーのように、2~3曲を矢継ぎ早に繰り出す構成は実に新人らしく、活きの良さを示していたと思う。

 ラスト~アンコールは、総立ちとなったフロアを前に、ジャスティン・ビーバー「Baby」、最初にカヴァーしたというレディ・ガガ「Just Dance」、日本盤ボーナス・トラックの宇多田ヒカル「Automatic」を立て続けに。そしてシメは、大ヒット中の「Hit Me」を疾走するかの如く。彼らは詰めかけた多くのファンに、期待以上の充実したパフォーマンスを見せつけた。

 でも最初に書いたように、これが商業ベースの単独初来日公演。まだまだ進化の途中なのは言わずもがな、である。これからも彼らを追い続けなければ! 大きな成長と飛躍をハッキリ確信させられたステージだった。

Text:金沢寿和(www.lightmellow.com
Photo:Masanori Naruse

◎公演情報
2014年5月16日(金) ビルボードライブ大阪
2014年5月18日(日) ビルボードライブ東京
http://billboard-live.com


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