girl next door 使命完遂で解散「この日のために生きて来た」

2013年12月9日 / 20:55

 千紗(vo)が水泳選手の北島康介と結婚し、12月8日のライブをもって解散することを表明したgirl next door。その公演がSHIBUYA-AXにて開催され、5年間の活動に終止符が打たれた。

<ザッツ・avexサウンドを体現した最後の大物ユニット>

 2008年6月。girl next door(当初の表記は、GIRL NEXT DOOR)は、avex設立20周年を記念し、前代未聞の“Produced by avex trax”でデビュー。day after tomorrowでも活躍した鈴木大輔(key)、大塚 愛やAAAらの楽曲にも参加していた井上裕治(g)、そしてBoAのバックダンサーとして抜群の存在感を発揮していた千紗(vo)による“男性ミュージシャン2人に女性ボーカル1人”という、かつてのavexが得意としていた編成(globe、Every Little Thing、Do As Infinity、m.o.v.e等)で活動していくことになった。

 また、音楽性もシンセサイザーを多用した、90’sのザッツ・avexサウンドがメインで、ポップスとしてのダンスミュージックを追求していたavexを今一度体言する存在として活躍。デビューから3か月/3作連続でオリコンシングルランキング3位を記録し、同年に『ミュージックステーション』や『第59回NHK紅白歌合戦』に初出演すれば、翌09年には「Infinity」で初の1位も獲得した。

<浜崎あゆみ、BoA、倖田來未、大塚 愛など先輩たちのファンも>

 また、毎年【a-nation】(http://bit.ly/1aNBBQ1)で諸先輩に負けじと、満面の笑みでアグレッシヴなパフォーマンスを繰り広げていたが、その甲斐もあってか、この日の解散ライブには、前述のユニットたちや浜崎あゆみ、BoA、倖田來未、大塚 愛など、avexの歴史を支えてきた女性アーティストたちのファンの姿も見受けられ、girl next doorが如何にavexフリークに親しまれていたか、よく分かる光景が広がっていた。

<「Infinity」で使命完遂 一つの時代の集大成>

 そんなavexの歴史においてもひとつのターニングポイントとなった本公演は、当然ながらavexサウンドを多種多様な形で表現したナンバー連発。girl next doorの名にふさわしい“扉”とそれを開く“鍵”がテーマの映像に、そのストーリーテラーであるピエロによる演出も挟みつつ、さらにはサポートミュージシャンと女性ダンサー陣も招聘し、バッキバキのダンスパフォーマンスと演奏で超満員の観客を扇情していく。「【girl next door LIVE THE LAST】忘れられへんぐらい、盛り上がっていくぜぇぇ!」

 何度か瞳を潤ませる場面はあったものの、これが私の生き様と言わんばかりに笑顔を絶やさない千紗。しかし終盤の「Infinity」におけるスパークぶりには逆に観客が涙。「いやいやいや、みんな、今日、マジでラストやからな? 一緒に「Infinity」楽しもーーーーー!」

 少しも悲しくない、天井知らずのゴキゲンアッパーチューンではあるが、それこそ“ポップスとしてのダンスミュージックを追求していたavex traxを今一度体言する”その使命を完遂したと思わせるサウンドと、それに対して観衆が泣いて笑ってはしゃいでいる光景は、girl next doorの解散ライブにとってあまりにも美しく、一つの時代の集大成とも感じられた。

<みんなからもらった沢山の愛と、最高の笑顔を大切に>

 ステージから誰も居なくなると、ファンはサイリウムとヒマワリを手に「偶然の確率」を大合唱。それに誘われるようにステージへ戻ってきた千紗は「「偶然の確率」憶えてくれたん? ありがとう」と涙を堪え、感謝の想いを「ありがとう」という楽曲に込めて熱唱。そして「これから私たち3人、それぞれ別の道を歩いていきますが、この5年間でみんなからもらった沢山の愛と、最高の笑顔を大切にまだまだ前に進んでいきます。そんな3人がすごく大切に想っている曲があります。この曲で何もかもがスタートして、3人が集まって、みんなと出逢うこともできました。そしてこの曲でまた次のステージへ向かいます。最後にメンバーを代表して……本当に、本当にありがとうございました!」

<最後まで涙は落とさず、笑顔で「偶然の確率」>

 最後はどんな一流アイドルにも負けない、avex最高峰の笑顔で、千紗の、鈴木大輔の、井上裕治の、girl next doorの人生を変えた「偶然の確率」を披露。ファンも共に全力で歌い上げ、今から5年前、ここSHIBUYA-AXで歌った「偶然の確率」の何倍ものエモーションが炸裂する。当然だ。デビュー曲にしてここまでラストソングに相応しいナンバーもない。

 この日のために生きて来た、だなんて
 大げさだけどいい切れる気がする
 だからこそいまこの瞬間にある
 偶然の確率…カタチにして

 しかし決して涙は落とさず。最後まで笑顔で歌い、奏で、踊り続けたgirl next doorは、これまで数え切れないほど互いの心を支え合ったであろうファンを見つめ、それぞれに用意された“next door”の向こう側へ。ギリギリまでメンバーの名前を叫び続けたファンも3人を見送ると、笑顔で拍手。スクリーンにエンドロールと共に流れる3人の5年間へ「ありがとう!」「また会おう!」と告げ、思い思いに会場を後にした。

取材&テキスト:平賀哲雄

◎ライブ【girl next door LIVE THE LAST】
12月08日(日)SHIBUYA-AX SET LIST:
00.Opening
01.Freedom
02.Drive away
03.Seeds of dream
04.URBAN DANCE
05.風のカプセル
06.Be your wings
07.Pure
08.signal
09.Silent Scream
10.Orion
11.サヨナラ
12.Your Story
13.Jump
14.Ready to be a lady
15.FRIENDSHIP
16.Infinity
17.ダダパラ!!
En1.ありがとう
En2.偶然の確率


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