T-BOLAN、渋谷公会堂でラストライヴ開催

2014年4月29日 / 17:30

4月26日(土)、東京・渋谷公会堂でT-BOLANのラストライヴが開催された。3月8日(土)に大阪・オリックス劇場で行なわれた復活ワンマンライブでメンバーそれぞれのソロ活動を発表した彼らのラストライヴは、チケット販売枚数の約2,000枚に対し、応募数15倍を上回るという最速先行予約で即完の超プレミアムなチケットに!

映画『T-BOLAN THE MOVIE~あの頃、みんなT-BOLANを聴いていた~』より、前2公演とは別編集された貴乃花親方をはじめとする出演者からのメッセージが映像で流され、“T-BOLAN LIVE HEAVEN 2014~Last live for the future~”の文字が写しだされると、真っ白なシルクの向こうからメンバーが登場。その表情にはいつもと違う何かが感じられる。

ライヴは「Only Lonely Crazy Heart」から始まり、当時一度も演奏されることのなかった「Be Myself」、デビュー曲の「悲しみが痛いよ」、ミリオンヒットを記録した「Bye For Now」と続くセットリストにいろんな思いがこみ上げてくる。さらに、「おさえきれない この気持ち」「刹那さを消せやしない」と続くと、ヴォーカルの森友嵐士が過去のライヴを振り返って話す。「いろんなライヴのことを思い出していて、どのライヴが強烈だっただろう。そんな話をさっき楽屋でしたんだ。いろいろあるんだけど、一番最初の東名阪、ファーストツアーの日清パワーステーション。そこに来た人って今会場にいる?」 と投げかけると、あちらこちらからの返事にメンバー全員が驚く。「やっぱいるんだね! アマチュア時代いろんなライヴハウス回って、自分たちのデビューシングルというものが世の中に出て、あれは夕方の4時だっけ?」と記憶を辿る森友に、ギターの五味孝氏が「夜の9時だよ。代表取締役刑事」と相槌を入れる。「あれは何年前? まだ生まれてなかった人もいるんじゃないの? TVから自分たちの曲が流れて、日清パワーステーション一体どんなライブになるんだろう?と思って、期待と不安となんかでもういっぱいいっぱいだったからさ、オールスタンディングで客席がうわー!ってうねっているの見て、その瞬間すごい力をもらったのを覚えてるんだよね。そこから23年だよね? ここからどんな風に走ってゆくんだよ。みたいな話をレコーディングやいろんな隙間にそういう話をすることがあって、やっぱこう、いつも自由で自分たちであり続けられる。そういう形がやっぱいいよねっていう。例え話でいつも寄せては返す波に形を変えてゆく砂浜のような存在であり続けたいと、そんな話をして今も動いていますけど、どこまでもそれぞれ4人がもう一歩その先へっていうそんな自由さを持ってこれからも歩いていけたらいいなって思っています」

ステージは「じれったい愛」「No.1 Girl」「わがままに抱き合えたなら」とアップナンバーが続き、中盤も「愛のために 愛の中で」「LOVE」「離したくはない」「すれ違いの純情」「マリア」とひと通り名曲が駆けめぐった後で再び森友がメンバー4人の出会いについて語り始める。「どんな関係だと思う? 一等最初に会ったのが、俺と青木(和義/ドラム)なんだよね。湘南のライヴハウスでバイトしてて、DJブースでお皿(レコード)回したり、カウンターでカクテル振ったりしてて、週末になるとバンド目指してるやつらがデモテープ作りにきて、ちょっと力貸して?みたいなのが遊びにくるんだよね。そんなのに付き合って、週末のRH前にお店をちょっと早く開けて手伝いをしてたんだよね。そんな頃にあるヴォーカリストの子からオーディションに行ってほしいんだけどって話があって。何それ?みたいな。話を聞いてみると、そのとき青木が組んでいたバンドのヴォーカルを探していて、そのオーディションの話でさ。その頃忙しく学生生活していたんでなかなか時間も合わなかったんだけど、会うことを決めたんだよね。藤沢ってあるの知ってる? 駅の改札口で待ち合わせして。まぁ行きゃわかるだろうみたいな。で、改札に行ったらいるんだよ! 悪そうなのが一人(笑)青木君?って聞いたら、『そう』って。あ、森友ですけど。って。それが初めての青木との出会いで。どう思ったの?」。そんな質問を受けたドラムの青木和義は「似た匂いがするやつだと思ったよ」と答えると、さらに森友が続ける。「俺はどう思ったのかな? やんちゃな感じだと思ったね。それでスタジオ入ってさ、俺もいろいろ生のドラム聞いてたしさ、なんとなくどんなものかって知ってたつもりだけど、めちゃくちゃ格好いいわけよ。キックの連打がすごくて。でもそのときは、学生生活もあるしそのまま別れてるのよ。それから1年後だよね。コイツから電話がかかってきて。“一人になったからやろうぜ”って勝手に一人になんなよ!みたいな(会場爆笑)。でも、コイツの勝手から始まったんだよね。物事が始まるときってすごいよね。おれはその頃大学3年生で次の自分の人生を親と約束してて、バンドをやるのはかなり型破りな方向向いちゃうな、みたいな。でもどこかで歌や音楽ってものと真剣に向き合ってみたい気持ちがあって、その気持ちが“やるんだったら、今やろうか。1番危険だったけど、1番やりたかった”んだよね。青木と握手を交わして、そこからデモテープ作ってひと月くらいかな。ライヴハウスガンガン巡って、新しいギタリスト探さなきゃなって時期があって、そこで五味(孝氏/ギター)さん登場」。

会場が拍手で五味の言葉を促すが、森友がさらに当時の様子を語り続ける。「小さなスタジオに白のテレキャスターをソフトケースに入れた五味が来て『こんにちは』の挨拶もないままドアが開き、こっちをチラッと見ただけでギターケースが開き、ギターを抱えて“いつでもどうぞ”みたいな(笑)。嫌なやつだな~!みたいな。青木のカウントが4つ入って、ガンッ!と音が鳴ったとき、“あ、このギター格好いい”。その曲が1コーラス終わる前に“性格は二の次でいいや”、コイツにしよう。未だに変わんないね」。そして、五味も「俺も一言言わしてもらっていい? 俺も“人間性はどうでもいいからコイツとやってみたいと思ったの”」とお決まりのセリフを返す。さらに、上野(博文/ベース)との出会いについては、森友が一度バンドを離れて理想を追求するために作った5つのバンドの中にいたことなどを話し、ファンはデビュー前まで巻き戻された時間に深く気持ちを寄せていた。

後半は「SHAKE IT」や「傷だらけを抱きしめて」、ファンの中で新たな定番になったであろう「My life is my way」が演奏。アンコールでは、五味にスポットライトが当たると、そのギターは「BOY」を弾き始めた。通常はピアノ演奏なところをこの日は特別にギターソロから演奏された。そして、森友がMC。70年を生きる鷹が70年を過ごすためには、人生の半分を超えたところでその先を生きるために過酷な準備をするという例えを、T-BOLANの新しい挑戦に照らし合わせながらファンに語った。「自分の選択、今日一日一日を大事にその先へと歩いて行けたらなと想います。ここからまた新しい挑戦です。同じ世代を生きている仲間としてその先へ一緒に歩いていきましょう」とアンコールの中締めをすると、「Heart of Gold」が始まった。“夢と勇気があればそれでいい 諦めはしない”。その言葉どおり、4人はきっと再びステージに戻ってきてくれるはずだ。

メンバー紹介では、一人一人から感謝の気持ちが述べられた。「こんなに集まってもらって感謝感激です。ありがとうね。僕らの映画観てもらってわかったと思いますけど、後悔せずにこの道を突っ走ってきて、また後悔せず未来へ向かっていきたいと思います! で、未来を信じます! 本当にありがとうございました」という青木に続き、上野が「気の利いた言葉を考えながらやってたんですけど、何も見つかりませんでした。で、やっぱり関わってきてくれた(ファンの)皆さんとスタッフのみなさん、本当にありがとうございました。それと、“青木、五味、嵐士”、ありがとう」と心のこもった短い一言を放つと、会場からは感極まった悲鳴が湧き上がった。そして、五味は「何回聞かれても同じなんだけど、この3人と出会えたことと、今日ここに来てくれたみんな、それと今日ここに来れなかった全てのT-BOLANファンに会えたことが、俺の一生の宝ものです。ありがとう!!」と語った。

「みんな本当にどうもありがとう。こうやって山中湖で4人が再会して、もう一回ステージに立とうぜって気持ちを立てて、いろんな仲間たちの協力があって、賛同があって、そして何よりそれを待ち望んでくれたみんながいてくれて、この場所に立てたこの一つ一つすべてに感謝です。ひとつみんなにメッセージ。俺たちもどこかでこの復活を遠ざけて無理だろうと思っていた時期がありました。自分の心の中を見ないふりをして、これでいいだろうと。でもさ、ちゃんと見ると本当は分かるんだよね。それを今回、俺たちは学んだ気がします。さっきも鷹の話を通してそれを伝えさせてもらったけど、それぞれの人生にそれぞれの素晴らしさがあって、思うように行くことばかりじゃないかもしんないけど、覚悟を決めて自分で選択して歩くと、心の真ん中がしっかりしてくる。そんな気がしています。そして、その先にこんなに素晴らしい時間にたどり着くことができました。同じ時代を歩く仲間として、同じ喜びを感じあえる人生を歩んで行きましょう。今日は本当にどうもありがとう」と最後に森友が締めくくり、ラストは「Smile」にすべての願いを込めて、全27曲180分に及ぶステージに幕が下りた。

T-BOLANは完全限定のコンプリートBOXセットを7月10日に発売する。こちらも要チェックだ。

【セットリスト】

オープニング映像

01.Only Lonely Crazy Heart

02.Be Myself

《MC》

03.悲しみが痛いよ

04.Bye For Now

05.おさえきれない この気持ち

06.刹那さを消せやしない

《MC》

07.じれったい愛

08.No.1 Girl

09.悪魔の魅力

10.わがままに抱き合えたなら

《Gt solo》

11.あこがれていた大人になりたくて

12.愛のために 愛の中で

13.Lovin’ you

14.LOVE

15.INST(あふれでる感情)

16.離したくはない

17.すれ違いの純情

18.マリア

《タイトルコール》

19.Happiness

20.SHAKE IT

21.泥だらけのエピローグ

22.傷だらけを抱きしめて

23.My Life Is My Way

《ENCORE》

01.BOY

02.いじけた視線を君に語るより光を見たい

《MC》

03.Heart of Gold

《MC》メンバー紹介

04.Smile

完全保存版BOX『T-BOLAN THE COMPLETE』
2014年7月10日発売

ZACD-1002/¥17,280(税込)

<収録曲 DISC 1:『T-BOLAN』>

01.悲しみが痛いよ

02.気絶するほど愛してほしい

03.くちびるはNO KISS

04.離したくはない

05.DEAD END

06.Dreamin’

<収録曲 DISC 2:『BABY BLUE』>

01.あふれでる感情

02.WALKIN’ IN THE RAIN

03.JUST ILLUSION

04.Heart Of Gold

05.想い出がさがしてる

06.Lovin’ you

07.薔薇色の悪女

08.Sorry My Love

09.Baby Blue

10.離したくはない(アコースティックバージョン)

<収録曲 DISC 3:『SO BAD』>

01.じれったい愛

02.ガラスの刹那さ

03.瑠璃色のため息

04.My life is My way

05.ためらいの真実

06.あこがれていた 大人になりたくて

07.壊れかけのHistory

08.BOY

09.SO BAD

10.サヨナラから始めよう

<収録曲 DISC 4:『HEART OF STONE』>

01.びしょ濡れの優しさの中

02.すれ違いの純情

03.涙の笑顔

04.Only Lonely Crazy Heart

05.Shiny Days

06.Out of Time

07.おさえきれない この気持ち

08.泥だらけのエピローグ

09.Friends

10.Heart of Stone

11.Bye For Now

<収録曲 DISC 5:『LOOZ』>

01.わがままに抱き合えたなら

02.悪魔の魅力

03.Dear

04.傷だらけを抱きしめて

05.想い出の落書き

06.Hot Hip Love

07.刹那さを消せやしない

08.Pretty Woman

09.Rockin’ In The Life

10.不安なくちびる

11.真夜中のLove Song

<収録曲 DISC 6:『夏の終わりに~Acoustic Version~』『夏の終わりに II~Lookin’ for the eighth color of the rainbow~』>

01.サヨナラから始めよう

02.あふれでる感情

03.遠い恋のリフレイン

04.Teenage Blue

05.Heart of Gold

06.夏の終わりに

07.悲しみが痛いよ~Acoustic version~

08.泥だらけのエピローグ~Acoustic version~

09.Lookin’ for the eighth color of the rainbow~8番目の虹の色をさがしに~

10.すれ違いの純情~Acoustic version~

11.シャイなJealousy~Acoustic version~

12.マリア~Acoustic version~

<収録曲 DISC 7、8:オリジナルアルバム未収録曲(曲順未定)>

・Hold On My Beat

・Teenage Blue

・心のかたち

・Words and Mind

・鏡の中の嘘が微笑むよ

・シャイなJealousy

・Happiness

・いじけた視線を君に語るより光をみたい

・LOVE

・No.1 Girl

・マリア

・心とかして

・SHAKE IT

・HOW DO YOU FEEL?

・愛のために 愛の中で

・10 Years Love Story

・Be Myself

・Smile

・満月の夜

<DVD>

「NO.」:オンエア映像や秘蔵映像を含む本作のために編集したスペシャル映像

※完全予約受注生産

※全曲デジタルリマスタリング

※LPサイズスペシャルパッケージ仕様

※40Pブックレット付き(LPサイズのジャケット写真、未公開写真、歌詞を掲載)

※三方背BOX収納


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