アリシア・キーズ 一夜限りの来日公演で横浜アリーナにニューヨークを描く

　2008年の【SUMMER SONIC】から約5年、単独公演としては9年ぶりとなるアリシア・キーズの来日公演が11月18日（月）神奈川・横浜アリーナで開催された。

　全米ビルボードチャートで1位を記録した最新アルバム『ガール・オン・ファイア』携えての【Set The World On Fire Tour】の一環で、日本での公演は一夜限りとあって会場には大勢のファンが詰めかけた。

　開演予定時刻を20分ほど過ぎた頃に場内が暗転すると、メンバーが登場し、オーディエンスが一気に沸き立つ。両サイドに設置されたスクリーンにニューヨークの映像が映し出され、しばらくするとステージ中央でアリシアが早速名コーラス「New York!!!!」と熱唱。完璧な演出でショーはスタートし、あっという間にファンは彼女の歌声に魅了される。

　1曲目「カルマ」を終え、「コンニチワ！ジャパン！」と日本語の挨拶を終えて次に鳴らされたイントロは「ユー・ドント・ノウ・マイ・ネーム」。ライブ仕様のアレンジは跳ねるようなリズムが心地良く、サビはきちんと聴かせてくれるポイントに愛とプロフェッショナルを感じてしまう。きちんと間奏の電話シーンも携帯を持ってやってくれるサービスもうれしいところだ。

　彼女はセクシーで堂々しているのに、サラリとして軽やかだ。ピアノに座って弾きながら、ダンサーたちと踊りながら、様々なステージングを披露し、オーディエンスを躍らせ、唯一無二の歌声が心を鷲掴みにして行く。すべてがハイライトに感じれるセットリストはひとまず「ノー・ワン」の大合唱と携帯ライトで彩られたネオンに包まれ終了。

　アンコールでは最新アルバム『ガール・オン・ファイア』からの鉄板ナンバーとして「ニュー・デイ」、「ガール・オン・ファイア」を立て続けに披露。この手のツアーでは前半に配置されがちな最新曲。アンコールでのタイミングに、作品への自信を感じずにはいられない。オーディエンスもきっちり巻き込まれ、腕は上がりっぱなし、振りっぱなしだ。アリシアがステージを後にすると再度アンコールが巻き起こる。

　もちろん、ラストは序盤でプチ披露された「エンパイア・ステイト・オブ・マインド」だ。スクリーンでジェイ・Zによるラップシーンが映し出され、ステージ下手からアリシアがパープルのゴージャスなドレスに衣装チェンジして登場。オープニングで放映されたニューヨークの街並みの映像が再び流され、繋がり、このショーがひとつの形として完成していく。モノクロとカラフルが交差する不思議な幸福感が身体を包み、オーディエンスの意識に刺激的で夢いっぱいの街、ニューヨークが描かれる。最後まで大合唱・大歓声でプレミアム・ステージは幕を閉じた。

◎【Set the World on Fire Tour】
11月18日（月）神奈川・横浜アリーナ
1.Karma
2.You Don’t Know My Name
3.Tears Always Win
4.Listen To Your Heart
5.Like You’ll Never See Me Again
6.A Woman’s Worth
7.Diary (New)
8.Un-Thinkable (I’m Ready)
9.Try Sleeping With A Broken Heart
10.Fallin
11.You’re All I Need to Get By ※
12.When It’s All Over
13.Limitedless
14.Unbreakable
15.Brand New Me
16.If I Ain’t Got You
17.No One
En-1.New Day
En-2.Girl On Fire
En-3.Empire State of Mind (Part II) Broken Down
※コーラスメンバーによるパフォーマンス