靭公園テニスコートで行われた野外コンサート KAN、佐藤竹善、スタレビ、馬場俊英、鈴木雅之が抜群の歌唱力で奏でるハミング

2013年9月17日 / 18:26

 大人のためのミュージックステーションをコンセプトにするFM COCOLOでDJを務めるKAN、根本要(スターダスト・レビュー)、馬場俊英を中心に、’11年に始まった野外コンサートの『靭公園 MUSIC FESTA FM COCOLO ~風のハミング~』。その3回目が今年も大阪・靭公園センターコート特設会場に6,500人の音楽ファンを集めて開かれた。今回、佐藤竹善(SING LIKE TALKING)、そしてシークレットゲストとして鈴木雅之も出演。それぞれの代表曲はもちろん、9月11日にリリースした、このイベントのオリジナルソング『靭のハミング』 (スターダスト・レビュー、KAN、馬場俊英によるコラボ・シングル)やカバー曲も披露。また、総合司会を馬場俊英が務め、影アナをメンバーとともに行ったり、円形ステージの方向転換を出演者が自ら行うなど、手作り感も満載。ここだけのコラボステージあり、爆笑トークあり、アーティストのモノマネあり、さらにコントあり…と、盛りだくさんの内容でアットホームな空気感が漂う会場は終始笑顔に包まれたコンサートとなった。

 アメリカンフットボールのユニフォームに身を包んだKAN、ピンクのシャツ姿の根本要、チェック柄のシャツを着た馬場俊英。3人が登場し、ポール・マッカートニー来日決定を記念してウイングスの『My Love』、さらに佐藤竹善も加わってビートルズの『Nowhere Man』を見事なハーモニーで熱唱して、コンサートが始まった。

 本邦初公開となるオリジナルソング『靭のハミング』は、KANが作詞作曲。「みなさんにハミングしてもらうために作った曲」(KAN)ということで、KANによるハミングの事前講習もバッチリで会場は見事にひとつになった。続いてそれぞれの代表曲を演奏。序盤から大いに盛り上がっていく。

 それぞれがメインを務めるステージも、選曲を始め、趣向が凝らされていた。KANはキーボードの弾き語りで、大ヒット曲『愛は勝つ』など、微笑ましくもほのぼのとしたステージを展開。佐藤竹善、根本要とのコラボでは抜群のハーモニーでオーディエンスを魅了する。ビートルズのカバー『Baby’s in Black』では、「邦題をつけるとしたら『喪服に萌え萌え』(笑)」(KAN)と紹介するなど、和ませるトークもさすがだった。

 一方、ギターとパーカッションをサポートに、真摯な歌声を聴かせたのが馬場俊英。リアルなメッセージを託した馬場流人生応援歌を力強く、そして温かく歌っていく。会場がテニスコートということで、テニスコートを舞台にした歌詞の曲である田原俊彦の『ハッとして!Good』もカバー。ハートフルな世界観が何より印象的なステージだった。

 持ち前の美しいハイトーンボイスを会場の隅々にまで響かせていたのは、佐藤竹善。「野外でみんなで歌おうと思って作った」という『Human』など25周年を迎えたSING LIKE TALKINGの曲も熱唱。根本要、KANを迎えてオフコースの『君住む街へ』、さらに馬場俊英を加えて歌った『Spirit of Love』は、圧巻の歌唱力、ハーモニーでオーディエンスの心をぐっとつかんでいた。

 コンサートも後半となり、スタレビ、KAN、馬場俊英で臨んだのはギルバート・オサリバンの『Alone Again』。過去2回、「この曲をやると土砂降り(笑)」(KAN)という「命がけの曲(笑)」(根本要)だが、今回は心配無用。心温まるアコースティクな世界観に会場もただただ酔いしれていた。

 佐藤竹善も参加して、「サッとできるアカペラ」(根本要)をやってみようということで、ハーモニーのすばらしさを見せつける…はずが、シャネルズの曲を題材にするもののなかなかうまく行かない。というのも、実はこれ、ハーモニーが合わないというミュージシャンならではのコント。しばらく続くメンバーのゆるいやりとりに、しびれが切れたように登場したのが、シークレットゲストの鈴木雅之だった。このサプライズに会場は大歓声。

 「そうです、私がラブソングの王様、鈴木雅之です!!」

 ブラウンのスーツに、赤いシャツ。そしてエナメルシューズというダンディな出で立ちで、『ランナウェイ』、『夢で逢えたら』、デビュー年が1年違いというスタレビの根本要ともに珠玉のバラード『ガラス越しに消えた夏』を歌い、大喝采を浴びていた。

 コンサートのトリを飾ったのはスタレビ。すっかり日も沈み、風が心地よく感じられる中、キャリアに裏打ちされた演奏、ハーモニーをたっぷり聴かせていく。「久しぶりに歌いたくなった」(根本要)という『トワイライト・アヴェニュー』など続けて4曲を披露。そして、KAN、馬場俊英とともに『愛の歌』、そして佐藤竹善も交えて再びオリジナルソング『靭のハミング』をオーディエンスとともに歌って本編が終わった。

 しかし、メンバーは退くことなく、そのままアンコールステージへ。佐藤竹善、そして鈴木雅之も加わって歌ったのが『We Are The World』。入れ替わり立ち替わり、担当パートを歌った本家アーティストのモノマネも交えつつ、それぞれが抜群の歌唱力を披露したのはもちろん、見事なコーラスワーク、ハーモニーも圧巻だった。

 最後は、ドヴォルザークの『新世界より』の有名なメロディをもとに『家路のハミング』を歌いつつ、大きな歓声と拍手を浴びながらアーティストたちがステージから退場。こうして今年の『靭公園 MUSIC FESTA FM COCOLO ~風のハミング~』は幕を閉じた。

 なお、この日のライブ音源の一部は、FM COCOLOにて9月21日(土)、28日(土)の両日午後6時からの『KANと要のWabi-Sabiナイト』(DJ/KAN、根本要)と、同日午後7時からの『オーディナリー・ナイト』(DJ/馬場俊英)内で放送される。

Text:金本真一
Photo:田浦ボン

FM COCOLO オフィシャルサイト
http://cocolo.jp/

※セットリスト
My Love (要/KAN/馬場)
Nowhere Man (要/KAN/馬場/竹善)

靭のハミング (スタレビ/KAN/馬場)
今夜だけきっと (スタレビ/KAN/馬場)
よければ一緒に (スタレビ/KAN/馬場)
Boys on the Run (スタレビ/KAN/馬場)

まゆみ (KAN)
愛は勝つ (KAN)
世界でいちばん好きな人 (KAN)
カレーライス (KAN/竹善/要)
Baby’s in Black (KAN/竹善/要/添田)

明日の旅人 (馬場)
ハッとして! Good (馬場)
ラーメンの歌 (馬場)
ありそでなさそな (馬場/KAN/要/柿沼)
スーパーオーディナリー (馬場/竹善/添田)

Restless (竹善)
Human (竹善)
Seasons of Change (竹善)
君住む街へ (竹善/要/KAN)
Spirit of Love (竹善/要/KAN/馬場)

Alone Again (スタレビ/KAN/馬場)
ランナウェイ (鈴木雅之/スタレビ/KAN/馬場/竹善)
夢で逢えたら (鈴木雅之/スタレビ/KAN/馬場/竹善)
ガラス越しに消えた夏 (鈴木雅之/要/添田)

木蘭の涙 (スタレビ)
トワイライト・アヴェニュー (スタレビ)
月の輝く夜に (スタレビ)
太陽の女神 (スタレビ)
愛の歌 (スタレビ/KAN/馬場)
靭のハミング (スタレビ/KAN/馬場)
Alone Again (スタレビ/KAN/馬場)

〈Enc〉
We Are The World (スタレビ/KAN/馬場/竹善/鈴木雅之)
家路のハミング (スタレビ/KAN/馬場/竹善/鈴木雅之)
抜群の歌唱力を


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