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4月1日に『白盤』と『黒盤』と2タイトル同時発売リリースする石月努。2012年9月からソロアーティストとして音楽活動を再開した石月のライヴをサポートしてきたLEVIN(ドラムス)、Sato(ベース)、桜村眞(ギター)の3人が今回正式に(K)NIGHtribeとして石月と一緒に新しい音を探す旅の仲間となった。5月5日、6日には東京キネマ倶楽部での2daysライヴも決定。バンド=ロックと言い切る石月努の2014年春からのモードについて話を訊いた。
――去年10月からスタートした1stワンマンツアーを一緒にまわっていた仲間が正式に(K)NIGHtribeとして石月努の活動をサポートするチームになりました。この構想はいつ頃からあったのですか?
「まさにそのツアーを終えた、去年の暮れ頃ですね。このメンバーありきで曲を書いてみようと思ったんです」
――では1stツアーを始める前にはバンドにしようとは思っていなかったんですね。
「はい、まったく。一昨年渋谷公会堂でソロアーティストとして再始動後、初のライヴをやりましたけど、あのライヴは、これからまた音楽を始めるっていう決意表明みたいなものだったんですね。そして去年6月にアルバム『プテラノザウルス』をリリースして、その直後のワンマンツアーが凄く刺激的だったんです。それで、自分の中で完全に昔の感覚が取り戻せたんですね。やっとここに帰って来たっていう。そういう中で、もっとロック色の強いもの、つまりバンド的なアプローチをやりたいと思ってたんです。それを今、実現させました」
――バンドになった事で、ソロの時と楽曲制作においての違いはありますか?
「ライヴを意識しているか、いないかの違いですね」
――そして今回、2タイトル同時にリリースされる『白盤』と『黒盤』ですが、この白と黒という対比するキーワードを選んだのはなぜですか?
「まず、5月5日、5月6日に東京キネマ倶楽部で行われる2daysライヴが決まっていたんですね。それで、せっかく2日間あるので、2日ともまったく違うものにしたいなと思っていて、ライヴのキーワードを探していたんです。そこで降りてきたのが“白”と“黒”という言葉だったんです」
――対比させるという意味ではこの“黒”と“白”っていうワードほど明確なものはないかもしれませんね。
「結局、物事って白黒つけられるものって無いんじゃないかと思っていて。そこをあえて“白黒”って分けてしまうのが面白いと思ったんです」
――もともとはライヴのコンセプトだった “白と黒”というワードが、今回の『白盤』、『黒盤』という音源タイトルにつながったんですね。
「そうです。そして今回の音源は石月努 with (K)NIGHtribeがライヴで演奏することを前提として製作しました」
――白盤の一曲目の「メロス」。この曲はまさにバンドサウンドですね。
「今回の音源の収録曲中、一番最後に出来た曲です。(K)NIGHtribeがステージで演奏しているイメージで曲を書きました。バンドアンサンブルの伸びしろを想定して、僕が作ったデモの段階では、なるべく、音をつめ込まないようにしました」
――タイトルはシンプルに“メロス”。
「曲のタイトルは元々“世界の真ん中で”だったんですが、もう少し直球の方がいいかなと思って、レコーディングが始まってから、“メロス”に急遽変更しました」
――直球かも知れませんが、また同時に深みのあるタイトルですね。そして2曲目の「SWEET PAIN」。
「この曲はドラムス、ベース、ギターとレコーディングを進めていくにつれて、僕が作ったデモとは明らかに変わっていくし、最初に想定していたものとはいい意味で違う仕上がりになりました」
――そしてオルゴールの音から始まる「桜ノ蕾」。
「この曲は原点回帰というか、僕の中では懐かしいイメージ。リズムアレンジは凄くバンドを意識したものになっています」
――そして4曲目にはインスト「白孔雀の海」が収録されています。
「製作当初はこの曲を入れるつもりはなかったんですが、ライヴのSEを作っていて、カッコイイ曲が出来たから入れてしまおうと」
――曲中、ずっと繰り返されるシーケンスフレーズが印象的です。
「これは全部、自分ひとりで打ち込みました。ちょうど今回のジャケットを作っている時に完成したので、ジャケットのイメージからタイトルを“白孔雀の湖”にしました」
――一方の『黒盤』ですが、1曲目の「FACES」はまさに黒のイメージ。ハードなナンバーです。
「こういうギターが壁になっているっていうのが僕、好きなんですよ。クラブ寄りのサウンドですけども、これも基本はバンドサウンドです。石月努のソロとしては、今までこういう激しさはなかったと思います」
――ドラムスのLEVINさんのグルーヴが心地よいです。
「これは生で叩いてもらわないと表現できなかったグルーヴですね」
――また、歌詞にある“顔ナシ”というフレーズが印象的でした。
「この“顔ナシ”っていうのは、文字どおり顔がない人たちの事。僕は、自分の事を気に入ってくれている人たちにはライヴに来てもらって、生で接したいと思うアナログ的感覚をもった人間ですけれども、今は実際に顔をあわせるだけではなくTwitterやfacebookでの“顔のない(みえない)コミュニケーションが主流になりつつありますよね。それがいいのか、悪いのかは別としてこの”顔ナシ“というフレーズが今の時代を表していると思うんですよ」
――つづく2曲目の「ADDICT」。
「この曲は、僕の中ではちょっとオールドな感じとパンキッシュなイメージですね」
――これもまた、イントロのギターリフが印象的です。
「ここ最近はギターを弾いていて出来た曲が多いんですけれど、これもギターで作った曲です」
――ライヴで(K)NIGHtribeの4人がこの「ADDICT」を演奏している映像が浮かびます。
「まさに、これはライヴで眞(ギター)と僕が一緒に歌っているシーンを妄想して作った曲なんです。上のパートを眞が歌って、下のパートが僕みたいな。これはライヴで演奏したら楽しそうですね」
――思いっきりバンドアレンジですしね。
「細かい所は僕の作ったデモの状態では入れてなくて、メンバーにお任せでした」
――そして少し意味ありげなタイトルの「FAME69」。
「この曲は先に“FAME69″というタイトルが決まっていて、これもギターで作った曲です。僕の中でこの曲はスパイもの的なイメージなんです」
――タイトルの“69″というのがちょっとスパイ的なものを連想させますね。
「セクシーな意味も含みつつ、この“69″っていうのはコードネームですね。69(ロック)でもありますしね」
――ミディアムテンポのリズムが印象的でもあります。
「この曲は、最初にひとりで作っていた時とは仕上がりの印象が大分変りました。レコーディングの時にLEVINとドラムの音を決めるのにすごく時間をかけたんです。彼もたくさんの引き出しをもっているので、いろいろな方向で表現できたと思うんですけれども、最終的には意図的にかなり力を抜いて叩いてもらいました。そして後処理でコンプ(音圧を上げる機械)をかけて、こういう音にしたんです」
――そして『黒盤』にも4曲目にはインストナンバーが収録されています。「BLACK CAT」は4つ打ちのテクノですね。
「これもライヴを想定して作った曲です。昔からインストを作るのが大好きで、オープニングのSE等、アルバム等には必ず入れたくなるんですね」
――こうして、対になる2枚のアルバムが完成してみて、リスナーの方にメッセージをお願いします。
「今は何でもありの時代だと思いますし、善悪という概念でさえ、見る立場によって変わるものですよね。今回、僕は白盤、黒盤と分けましたけれど、白盤に収録されている曲が本当に“白”で黒盤の曲が本当に“黒”なのかっていうところは聞いてくれる方に委ねたいなと思います」
――そしてこの音源をうけて、というかこの“白と黒”というワードが降りてくるきっかけとなったライヴが東京キネマ倶楽部で行われますね。5月5日が「白ノ夜」。5月6日が「黒ノ夜」。
「せっかく2daysなので、まったく違ったセットリストにしようと思っています」
――またハードルをあげましたね。
「曲を覚えるのが大変です(笑)。今、ライヴの内容を吟味しています。東京キネマ倶楽部はちょっと変わった面白い会場ですので、色々な事が出来そうで楽しみです。去年の1stツアーを超えるライヴにしたいですし、ライヴではその場でしか感じられないものを表現できたらよいですね。是非二日間観ていただきたいですね」
TEXT:ぽっくん
アルバム『白盤』
2014年4月1日発売
URCL-1016/¥1,500(税込)
<収録曲>
01.メロス
02.SWEET PAIN
03.桜ノ蕾
04.白孔雀の湖(instrumental)
05.メロス(voxless ver.)
06.SWEET PAIN(voxless ver.)
07.桜ノ蕾(voxless ver.)
※石月努オフィシャルサイトでの限定販売
アルバム『黒盤』
2014年4月1日発売
URCL-1017/¥1,500(税込)
<収録曲>
01.FACES-Fake Genaration-
02.ADDICT
03.FAME69
04.BLACK CAT(instrumental)
05.FACES-Fake Genaration-(voxless ver.)
06.ADDICT(voxless ver.)
07.FAME69(voxless ver.)
※石月努オフィシャルサイトでの限定販売
「石月 努with(K)NIGHtribe LIVE SHOWCASE」
5月5日(月) 東京 東京キネマ倶楽部「白ノ夜」
5月6日(火) 東京 東京キネマ倶楽部「黒ノ夜」
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