時を超えて愛され続ける“六八コンビ”が贈る一夜限りのコンサート

2013年6月14日 / 10:00

 「上を向いて歩こう」がビルボードHOT100で1位にチャートインしてから50年という時を経て、生みの親である永六輔(作詞)と中村八大(作曲)の“六八コンビ”によるコンサートが、まさに6月8日東京国際フォーラム ホールCにて、たくさんのアーティスト達とともに開催された。

 ステージ上には、下手に鮮やかな水色のソファ、上手にはバンドセットがセッティングされ、あたかもテレビを観ているかのように、トークとライブがテンポよく進行していく。まずは島健とソノダバンドというスペシャルバンドによる「ジャズ・スタンダード・メドレー」で幕開け。続いて、舞台袖から中村中が「黒い花びら」をアカペラで歌いながら登場し、恋の苦しさを熱く切なく歌う。続いて、菊正宗のCMソングで人気を博した「初めての街で」では、ソノダバンドの軽快なリズムと和服姿の小林幸子という、こちらもスペシャルなコラボレーション。最後の“菊正宗”もしっかり聴かせ、会場を盛り上げていく。続く「上を向いて歩こう」は、坂本九のオリジナル録音にソノダバンドの生演奏をミックスという、時空を越えたコラボレーション。ステージバックには星が輝き、夜空に九ちゃんの歌声が美しく響き渡った。島田歌穂と島健のデュオは、「夢であいましょう」を夕焼け色に染まったステージバックで叙情豊かに歌い、続けて八大氏の長男、力丸氏の誕生を祝って詩が出来上がった「こんにちは赤ちゃん」を茶目っ気たっぷりに聴かせてくれた。

 後半も豪華な顔ぶれは続き、番組『夢であいましょう』で二代目ホスト役を務めた黒柳徹子が、渥美清と食べた北京ダックの話や昔の恋愛疑惑など本題から逸れた思い出話で会場を沸かしつつ、生前、八大氏が移住先のニューヨークから「本当の幸せというものが、こういうことなんだということが分かった。」と充実した音楽生活について、手紙をくれていたこと等を明かした。さらに、マルシアの華麗なダンスによる「黄昏のビギン」、八大氏の3人の娘の結婚式でも歌ったという松島トモ子の優雅な「ウェディング・ドレス」、RAG FAIRの抜群のハーモニーによる「帰ろかな」と続き、再登場した小林幸子が「故郷のように」で、ふるさとへの愛や想いを歌い、マルシアが世界の言葉による「君が好き」で場内を華やかに盛り上げると、コンサートはいよいよ終盤へ。

 「ぼくたちは(「こんにちは赤ちゃん」で)新しい命に挨拶する歌を作った。次は、生きてきた人生に対して挨拶する歌を作ろう」という思いを込めて八大氏が作曲した「生きているということは」が、上條恒彦と中村中によって歌われ、永六輔による詩の一語一句が胸に染みこんでくる。そして、いつかミュージカルを作ってみたかったという八大氏が、ミュージカル用にしたためていた「どこかで」という幻の名曲が上條恒彦と中村中の掛け合いで始まり、最後にはRAG FAIRも加わって、幸せなハーモニーで会場がいっぱいに。最後には出演者全員が一列となり、会場の合唱とともに「遠くへ行きたい」。会場が一体となり、2時間にわたる個性豊かなアーティスト達の珠玉のメロディが、万雷の拍手とともに幕を閉じた。

◎公演情報
【永六輔+中村八大「6×8 Song Book】
日時:6月8日(土) 17時開演
会場:東京国際フォーラム ホールC

◎リリース情報
『6×8 Song Book Vol.1 ~上を向いて歩こう~』
「上を向いて歩こう」ビルボード1位の快挙から50年の記念アルバム
2013/06/15 RELEASE
TOCT-29165 2,800円(tax in.) 
収録曲:
01 上を向いて歩こう ~beyond the time~坂本 九 Stereo Ver.初音源化
02 SUKIYAKI ケニー・ボール
03 SUKIYAKI テイスト・オブ・ハニー
04 黄昏のビギン 水原 弘
05 黄昏のビギン 中森明菜
06 黄昏のビギン 木村充揮
07 上を向いて歩こう 上原ひろみ
08 SUKIYAKI 4P.M.
09 遠くへ行きたい 一青窈
10 遠くへ行きたい ジェリー藤尾
11 遠くへ行きたい デューク・エイセス
12 上を向いて歩こう べンチャーズ
13 上を向いて歩こう シェネル
14 上を向いて歩こう ASKA
15 夢であいましょう 村上ゆき
16 夢であいましょう 坂本スミ子
17 上を向いて歩こう 中村八大
18 上を向いて歩こう RCサクセション

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