スタンディング・オベーションに感無量。カンヌで 『藁の楯 わらのたて』公式上映

2013年5月21日 / 15:21

 第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門へ公式に選出ている『藁の楯 わらのたて』が、メイン会場となるグランド・ルミエール劇場で公式上映を終えた。

 公式上映の会場となったグランド・ルミエール劇場に、三池崇史監督、大沢たかお、松嶋菜々子の3人が登場すると2000人の観客が総立ちで迎えた。いち早く作品を観ることが出来るプレススクリーニングで作品を観た海外メディアからは「ハリウッドリメイクされそうな作品である」「モラルを考えさせられる」等と言った声が既に上がっており、イギリス・BCCニュースでは「ドラマチックで緊張感が素晴らしい」と絶賛。上映後は約5分間のスタンディング・オベーションが起こり、感無量の様子の大沢たかおと松嶋菜々子。三池監督は、温かい拍手に照れがあったのか、自らスタンディング・オベーションがまだ鳴り止まない中、出口に向かって歩き出した。

 公式上映後には日本のマスコミに向けたミニ会見が行われ、映画祭の感想などを答えた。

<『藁の楯 わらのたて』公式上映&ミニ会見>

Q.レッドカーペットを歩いた感想と観客の反応はいかがでしたか。

大沢:自分がまだふわふわしていて、わからないままここに来たという状態です(笑)。ただある受け入れ方をしてもらえたという実感はありました。

松嶋:私もあっという間にレッドカーペットが終わってしまった印象です。あの大きさのスクリーンで観て、また最後に拍手を頂いてとても感動しました。

三池:緊張しました。プレッシャーに弱いので、歯を痛めて腫れてしまいました(笑)。(レッドカーペットは)終わってみると記憶が飛んでしまう。感触は残っているのですが、不思議な感じ。それだけ高揚感があったということだと思います。カンヌは映画に対してとても真摯な映画祭という印象。自分が作った映画に助けられるという実感です。

Q.上映中はどんなことを考えていたのでしょうか。

三池:毎回どこの映画祭で観ても、予備知識も何もなく観てくれる観客というのは独特のエネルギーが感じられる。映画祭で観る自分の映画というのが一番支えられている印象があって、毎回とても楽しみです。

大沢:他の観客の立場と同様に(楽しむつもりで)観ていましたが、やはり緊張や不安など色々なことを感じました。あと音がいいなと感じましたね。

松嶋:自分にも小さい子供がいますので、小さい子供の殺害の事件から始まるこの映画は、観るまでに多少怖くもありました。実際に(映画を)観て、感動もしましたし、(スクリーンの大きさなど)規模の大きさに驚きました。

Q.日本の映画が海外に出て行くことはどう思われますか。

三池監督:日本映画だからと特に意識することはないのかなと。海外からどう見られるか、自分ではコントロールできないこと。だから、そこに余計なエネルギーを使うよりも、自分たちなりに作った方が、映画の強さが生まれると思います。

Q.今晩の体験が役者人生に与えた事はありますでしょうか。

松嶋:三池監督だからこそ、カンヌに連れて来て頂けたと思いますし、とてもラッキーだったと思います。レッドカーペットに出るために仕事をしているわけではないので、それは意識せず、毎回一生懸命やって行きたいと思います。

大沢:映画祭に出る事が云々ではないですが、やはりこういうところに呼んで頂けると、これほどドキドキすることはないので、また来られる機会があればいいなと思います。

Q.監督は、スタンディング・オベーションがまだなっている最中に、途中で引き上げられた感じがしますが?

三池監督:いつまでもいると迷惑かなと(笑)。波があるし、拍手にも色々な種類があるので、長く薄いよりも濃い方がいいと思うし(笑)。映画のタイプによって見方の反応も違うと思いますし、あれぐらいが引き上げ時かなと(笑)。

Q.(今回)カンヌに来て一番印象的なことは何でしょうか。

三池監督:カンヌには、映画祭として洗練されていく部分と変わらない部分があって、その混ざり方が心地よい。映画のなかに自分たちが出演しているような感覚を感じる。緊張しながらも癒されました。

大沢:(カンヌに着いてから?)24時間で(公式上映が)終わったので早かったというのもありますが、今晩の上映をとても楽しみにしていたので、いますごく強く印象に残っています。

松嶋:映画祭自体がほぼ初めてなので、映画祭に対する観客の思い、こんなに遅くまで一般の方が観に来てくださることなどがとても新鮮で、驚きでもありましたし、うれしかったです。

Q.海外の批評家の反応を聞いてどうでしたか。

大沢:日本で受ける取材とはニュアンスがかなり違う感じがして面白かったです。

松嶋:映画の感想というより日本社会のルールや原理に対しての考え方が(海外は)違うので、映画のディテールに対しても受け止め方が違うのかなと思いました。

Q.(監督に)ヴェネチアもカンヌもコンペを経験されてますが、今回改めて感じられた事はありますか。また、キャストの方は映画祭にやみつきになりそうですか。

三池監督:あえてこういう作品をコンペに選んでくれたのかと思ったのですが、そうではなくオーソドックスでシンプルに作られていると思われたようです。ストーリーの表現方法が斬新なわけではなく、正面から描いている、そこが気に入られたという印象。それが観客にどう受け入れられるのかは興味深かったです。

大沢:(映画祭に)やみつきにはならないですが(笑)、単純にもっといいものを作りたいなという気持ちにさせられました。

松嶋:レッドカーペットを歩く事自体が既に現実感がなかったですが、今回監督に「いい経験になるから」と誘って頂き、やはりとてもいい経験になりました。この気持ちは大事にとっておきたいと思います。

◎『藁の楯 わらのたて』公式上映&ミニ会見
日にち:5月20日(月) ※現地時間
時間:公式上映 5月20日(月)22:30 ※現地時間(日本時間5/21(火)5:30)
ミニ会見5月21日(火)0:45※現地時間(日本時間5/21(火)7:45)
公式上映開場:グランド・ルミエール劇場
出席者:大沢たかお、松嶋菜々子、三池崇史監督

配給:ワーナー・ブラザース映画
公式HP:http://www.waranotate.jp
©木内一裕/講談社 ©2013映画「藁の楯」製作委員会


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