永田純氏が36人の取材を通して感じた、音楽の未来とは

2014年2月7日 / 21:10

 36名のオンガク活動を実例として紹介し、未来について考える『次世代ミュージシャンのオンガク活動ハンドブック』の発売を記念し、紗希、Neat’s、Rie fuの3人のアーティストとともに著者の永田純氏がトークイベントを行った。

 tofubeatsからJASRACまで幅広い取材によって書かれた本書について永田純氏は、まず「今年のグラミー賞の受賞者を見ても分かる通り、今明らかに違う流れがきているのを感じます。2014年の始まりを、この本を眺めるところから始めてほしいということに強くこだわり2013年の年末に出版しました。この本に目を通していただいた上で、今年一年何が起こるか、みなさんが何をなさるかを考えて欲しい。」と語った。

 本書のタイトルの“オンガク活動”には、2つの意味が込められているという。「今はアーティスト自身が、音楽をどう届けていくかまでコントロールできる状況ができてきた。だから、音楽を作るだけじゃなくリスナーにどう伝えるかを考えることも含めてオンガク活動だといえます。そして、奏でることだけじゃなく、語ったり考えたり、音楽が存在する場所を作ることも大事なオンガク活動なんです。」そして、サブタイトルの<知恵とノウハウ、みんなでシェア!>には、それぞれが自立した上でどう手を繋いでいくかが大事だという意味が込められている。「今は決められたルールもなく、それぞれのライフスタイルにあった活動が実現できる時代になってきています。36人の取材を通して、仲間がこれだけいることを伝えたかった。」

 そしてゲストに迎えられた紗希、Neat’s、Rie fuも自分のスタイルに合わせて活動しているアーティストだ。アートワークや作品のディストリビューションまで手掛けるNeat’sは、「音楽を聴いてもらうだけじゃなくグッズのデザインや売り方も含めて、自分の世界観を全て具現化したいと思っています。音楽以外の衣装もビジュアルも全部自分でプロデュースできるのは、とても楽しい。」そして、作曲家として活動する紗希は「所属事務所もありますが自分の会社と業務委託と言う形で活動しています。今は、主にクライアントワークがメインなので締切などの関係で1週間寝られない日もあるけど、スタッフ一丸となって物づくりをする楽しさには替えられない。」とそれぞれの活動について語った。

 また、独立した後、自身の会社を設立するという道を選んだRie fuは、「もともと法人化したきっかけは、なんとなく代表取締役ってかっこいいなあって。笑。勢いで立ち上げましたが、フリーという形ではなく法人化したことでお金の流れも分かるし、それを第三者に数字として見せることもできる。音楽って形のないものだけど、収支や、お金の使い方を明確に割り振ることで、自分の活動の輪郭をはっきりさせることができた。」と語った。

 ただ、そんな3人ももちろん全て1人でやっているわけではなく、それぞれにビジネスパートナーがいる。Neat’sは「アーティストとして独立しても、それを二人三脚で動いてくれるスタッフは、なかなかいない。この本の中の飯田幸子さんのような、フリーランスのエージェントがもっと増えてほしいと思う。」Rie fuも「新たな繋がりを作ったりプロモーションしたりするには、1人の力には限度がある。プロモーションとか、ライブの制作とか、それぞれに長けた人と、一緒に責任を持ってやっていくのが理想の形。」と語った。

 本書には、他にも様々な生き方をするアーティストやメディア、サービスが登場する。アーティストはもとよりスタッフ自身も自立した働き方が求められている今、これからどんなアクションを起こすのか。この本には「37人目はあなたです」というメッセージも込められている。

左からRie fu、Neat’s、紗希、永田純の各氏(撮影:八島崇)

◎『次世代ミュージシャンのオンガク活動ハンドブック』
2013/12/24発売 1,800円 
著者:永田純
More info:http://www.rittor-music.co.jp/books/13317306.html


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