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1992年のホイットニー・ヒューストン&ケヴィン・コスナー共演の映画を元に作られたミュージカル『ザ・ボディガード』が、ロンドンのアデルフィ劇場で開演され、賛否両論あるなかその素晴らしい歌声の出演者に称賛が寄せられている。
“ボディガード”に恋するスーパースター・シンガー、レイチェル・マロン役を演じたヘザー・ヘッドリーのパフォーマンスに、評論家たちは大絶賛。ザ・ステージ紙の舞台評論家であるマーク・シェントンは、トニー賞もグラミー賞も獲得しているアメリカ人女優兼シンガーのヘッドリーについて、「実に魅力的で驚くほどソウルフルな歌声」を兼ねそろえた「人の心をガッチリ掴んで離さないスター」だと評している。また、イブニング・スタンダード紙のヘンリー・ヒッチングズは、「引き付けるような魅力」と評し、デイリー・テレグラフのチャールズ・スペンサーは、「厚かましいほどの存在感」と絶賛。「アイ・ウィル・オールウェイズ・ラヴ・ユー」などの歌唱についても、2月に48歳で亡くなったヒューストンを凌ぐと力説している。
一方、同舞台を“独創性のないジュークボックスのようなミュージカル”と見る人もいるようで、ザ・ガーディアンのマイケル・ビリントンは「映画の死骸に病的に魅了された死体性愛ミュージカルの一例だ」とこき下ろしている。彼が言うに、「ずば抜けてテクニカルで無駄がない」とはしつつ、「大したことのないロマンチック・スリラーを再現する不毛な試みで、ウェストエンド(ロンドン西側地区の都市)をハリウッドの遠く離れた郊外へと変えるもの」だという。
またこれとは対照的に、タイムズ・オブ・ロンドンのリビー・パーヴィスは、会話部分は大変ひどいが「素晴らしく巧妙」な構成と力強いパフォーマンスにより、「ばかばかしくも大いに楽しめる」と評している。彼女はさらに、ディレクターのシア・シャーロックやデザイナーのティム・ハトリーなどのロンドン・チームの仕事ぶりに、「この低俗なアメリカ作品は単なるブロードウェイからの輸入ではなく、イギリス人のプライドにあふれている」と加えている。
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