<ライブレポート>フレデリック、代々木体育館でミュージックジャンキーたちと作り上げた熱い夜

2022年7月5日 / 18:00

 フレデリックが、自身4度目となるアリーナ公演【FREDERHYTHM ARENA 2022~ミュージックジャンキー~】を、6月29日東京・国立代々木競技場第一体育館にて開催した。

 これまで3度のアリーナ公演を開催し、その度にバンドの最高を更新してきたフレデリック。今回の代々木公演は、3月にリリースした3rdフルアルバム『フレデリズム3』から全曲を披露し、“今”のフレデリックを“直接”届けることに特化。その結果、これまでにも増してバンドとオーディエンス一人ひとりとの音楽的な信頼関係を感じさせるライブとなった。

 期待を煽る四つ打ちのSEから、三原健司(Vo./Gt.)の「フレデリズムアリーナ、始めます」というお決まりの合図を経て、ライブは「名悪役」で幕を開ける。切迫感のあるリズムに乗せ〈思い出を超えるくらいにさ 絶え間ない今を歌うから〉と、この日のライブにかける思いをにじませる。

 粘り強いダンスビートが印象的な「TOMOSHI BEAT」でオーディエンスの心と体をグッと掴むと、「蜃気楼」では突き抜けるようなイメージを会場いっぱいに広げる。「素直に、純粋に、俺たちの音楽をしっかりやりこみます。一対一でやりましょう」と客席に投げかけ、決意表明的に「VISION」を披露した後は、高橋武(Dr.)のカウントから「かなしいうれしい」へ。ぴったり揃った客席一面のクラップに健司も思わず「すごいな」とつぶやいた。

 肌を震わせるほど極太のシンセベースが唸る「Wanderlust」、ステージが見えなくなるまでスモークが焚かれた「うわさのケムリの女の子」、ほんのりと香りが漂う「ラベンダ」と、中盤は聴覚だけでなく、視覚、触覚、嗅覚までもフル稼働させるような演出の楽曲が続く。「ラベンダ」ではステージに差し込む淡い紫色の一筋のレーザーが、ラベンダーの小さな花を彷彿とさせた。

 MCをしながら4人で花道の先に用意されたセンターステージに移動すると、健司は一度捌け、三原康司(Ba./Cho.)、赤頭隆児(Gt.)、高橋の3人編成に。康司は自身が作詞と作曲を手がけるフレデリックの楽曲ついて「すごい変」と前置きしながら、「でもその個性や歪さがある音楽性を愛してもらってるからこそ、今日アリーナでライブできるんだなって思ってます。だから、あなたがあなたらしくいられるように、そんな演奏を届けたい」と、音源よりもさらにテンポを下げて「YOU RAY」を歌い上げる。簡素なスポットライトに照らされたセンターステージはまるで四畳半の一部屋のようで、オーディエンスをまるごと映画のワンシーンに連れ出したような感覚に陥った。普段は健司の歌を支える3人だが、この曲の歌い手である康司はもちろんのこと、赤頭、高橋の慎ましやかなプレイからも、それぞれの持つ歌心がじんわりと感じられた。

 続いて、花道にアコースティックギターを抱えた健司が登場。歌を始めたきっかけや自身の声がコンプレックスだったこと、それをメンバーに支えられて乗り越えたことを語り、「個性を認め合うことを歌ったこの曲を」と「サイカ」を弾き語りで披露する。洗練された印象の原曲とは打って変わった、人情を感じるストレートな歌唱に、他のメンバー3人とオーディエンスは静かに聞き入っていた。これまでのアリーナ公演でもアコースティックのパートは設けられていたが、今回は3人と1人という特別な編成で、健司と康司がそれぞれ「個性」をキーワードに歌唱したことで、今のフレデリックが伝えたいメッセージをよりダイレクトにオーディエンスの胸に届けられていたと思う。

 近年のライブでは欠かせない楽曲となっている「Wake Me Up」から、ライブは怒涛の後半戦へ。「ここから踊らせていくで、覚悟しといてや!」と、ジャンプでオーディエンスを焚きつけていく。和田アキ子へ提供した「YONA YONA DANCE」のセルフカバーでは、頭上の大きなミラーボールが照らされ、大粒の光の雨が客席に降り注ぎ、さらに気分を盛り上げる。フレデリックのライブで見られる、ステージと客席が“音楽を通して”一体となったときの爆発力は何ものにも代えがたい光景で、そのまま間髪入れずに突入した「KITAKU BEATS」の頃には、バンドもオーディエンスも完全にゾーンに入っていたように見えた。

 「8年前、この曲でメジャーデビューしました。今でも色褪せない一曲!」と「オドループ」を繰り出すと、会場の高揚感はなおいっそう高まる。アリーナでは恒例になりつつある花道でギターソロをぶちかます赤頭の姿も、とびっきりに痛快である。ここまで踊れるナンバーを畳みかけるのはこれまでのワンマンライブでも珍しく、これほどまでに思い切りのいいセットリストになったのも、どんな状況下でも音楽を止めずに進化を続けてきた彼らだからこそできたことなのかもしれない。

 そしてラストは、公演のタイトルにも盛り込まれている新たなキラーチューン「ジャンキー」へ。MVに出てくるセーラー服のダンサーがステージに現れ場を盛り上げたかと思えば、今度は客席の通路のそこかしこにウサギのお面を被ったダンサーが現れ、キレのあるダンスでオーディエンスの度肝を抜く。会場中を使った奇想天外な演出と楽曲のユニークさが合わさり、フロアはこの日一番の盛り上がりを見せた。

 さらにアウトロでは、「俺たちミュージックジャンキーの旅は続きます!」と健司が叫び、ステージ上のビジョンに全国ツアー【FREDERHYTHM TOUR 2022-2023~ミュージックジャーニー~】と初のホール公演【FREDERHYTHM HALL 2023】の日程がエンドロールのように流れる。歓喜の拍手に包まれながら何度も何度も繰り返されるアウトロ――祭りはまだまだ終わらないとばかりに、最高のムードで本編を締めくくった。

 アンコールでは「俺たち今が一番楽しいな。だからこそ、もっともっと前に進んで、走り続けるフレデリックでありたい」と「サーチライトランナー」を披露。名残惜しさを見せながらも「いろんな音楽に触れて戻ってきたとき〈やっぱりフレデリックかっこいい〉と思ってもらいたい。また今日みたいな熱い夜を作りましょう」とオーディエンスと約束を交わし、最後は「熱帯夜」でこの日のライブに幕を下ろした。〈まだまだ 僕たちは夢見てたいし夢見せたいの〉という一節が、とてつもなく頼もしく感じる熱い一夜だった。

 「いろんな音楽の届け方に挑戦してそれも楽しいと思っていたけど、改めてみんなと目を合わせて音楽をやることの大切さに気付いた」と、コロナ禍に入ってからの数年を振り返った健司。インターネットとも親和性を高めてきた彼らが、改めて音楽を“直接”届けることに情熱を傾けていること、そしてその結果が今日の日のような素晴らしいものであったということは、多くのミュージックジャンキーの希望になっただろう。フレデリックの音楽の旅はまだまだ続く。

Photo:渡邉一生、森好弘、小杉歩
Text:Mika Fuchii

◎ライブ情報
【FREDERHYTHM ARENA 2022~ミュージックジャンキー~】
2022年6月29日(水)
東京・国立代々木競技場第一体育館
<セットリスト>
01. 名悪役
02. TOMOSHI BEAT
03. 蜃気楼
04. VISION
05. かなしいうれしい
06. ANSWER
07. Wanderlust
08. うわさのケムリの女の子
09. ラベンダ
10. YOU RAY
11. サイカ
12. Wake Me Up
13. YONA YONA DANCE
14. KITAKU BEATS
15. オドループ
16. ジャンキー
EN1. サーチライトランナー
EN2. 熱帯夜
《プレイリスト》
https://A-Sketch-Inc.lnk.to/Fre_Arena_MJ0629

◎リリース情報
3rdフルアルバム『フレデリズム3』
2022/03/30 RELEASE
<初回限定盤(CD+DVD)>
AZZS-126 4,800円(tax in.)
<通常盤(CD)>
AZCS-1106 3,333円(tax in.)
≪収録曲≫
01 ジャンキー
02 YONA YONA DANCE(フレデリズム Ver.)
03 熱帯夜
04 VISION
05ラベンダ
06 サイカ
07 ANSWER / フレデリック×須田景凪
08 サーチライトランナー
09 Wake Me Up
10 Wanderlust
11 YOU RAY
12 蜃気楼
13 TOMOSHI BEAT
14 名悪役
https://a-sketch-inc.lnk.to/frederic_Frederhythm3


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