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サブスク時代に入ってから、長期に渡るロングヒットが生まれるようになった。代表的なところでは、星野源「恋」やOfficial髭男dism「Pretender」などがあるが、いずれも数か月のヒットではなく、1年、2年越しの大ヒットだ。2022年3月9日公開分のBillboard JAPAN 総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”で12位を記録しているDa-iCEの「CITRUS」も、その仲間入りを果たしても言ってもいいのではないだろうか(【表1】)。
この曲は2020年11月25日にドラマ『極主夫道』の主題歌としてリリースされている。このタイミングである12月2日公開分のJAPAN HOT 100では、CDの売り上げ数で13位、ダウンロードで28位と健闘しているとはいえ、それ以外のポイントは伸び悩み、総合では47位にとどまっている。Da-iCEはそれまでのシングルも軒並み初動のCD売上は非常に好成績ではあるのだが、その後の動きが伸び悩んでいた。
しかし、「CITRUS」に関しては2021年に入ってから人気動画サイト『THE FIRST TAKE』に登場して動画再生数が急上昇したことや、SKY-HIが主催するオーディション番組『THE FIRST』の課題曲になるなど、話題が続いたことで全体的にポイントがアップ。特にカラオケの歌唱回数の指数が大幅に上昇したことは注目すべきだ。さらにSNSでも拡散されてロングヒットにつながっていった。そして極め付けとなったのが、昨年末の【第63回日本レコード大賞】にて大賞を受賞し、テレビを始め大きな露出が決め手となった。これによって今年に入りさらにチャートが上昇。年明け最初の1月5日公開分のJAPAN HOT 100では最高位の7位を獲得。その後も、10位前後を上下しながら推移しているという状況だ。
Da-iCEは、2011年のデビュー以来、常にチャートの上位にランクインするアーティストだ。とはいえ、コアファン以外に訴求するヒット曲はなかなか生み出せなかったが、ようやく「CITRUS」で大きく広がったといえるだろう。このロングヒットを足がかりに、新たな展開に期待したい。
Text:栗本斉
◎栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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