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7月14日発表のHot 100は、K-POPが上位を占めた。1位と2位はいずれもBTSの「Butter」と「Permission to Dance」。10位に「Dynamite」もチャートインしているため、彼らはトップ10に3曲という圧倒的な強さを見せつけた。そして、彼らに追いつけとばかり3位にチャートインしたのが、ENHYPENの「Given-Taken」だ(【表1】)。
ENHYPENは、テレビのオーディション番組で選ばれた7人で結成したボーイズ・グループである。日本人が1人加わっていることでも話題を呼んでおり、昨年11月に韓国で初のCDが発売され、同タイミングで日本でも配信リリースされて大々的にデビューを果たした。なお、そのタイミングの12月9日発表のHot 100で、この「Given-Taken」は45位まで上昇している。しかし、日本は配信のみ、それも韓国語ヴァージョンとコアファン向けということもあって、この1週のみチャートインで翌週以降は圏外となっている。
ではなぜ、今回急激に再浮上したかというと、7月6日に日本でのフィジカルのデビュー・シングル『BORDER : 儚い』』が発売されたからだ。ここには「Given-Taken」の日本語ヴァージョンが収められ、ようやく本格的な日本デビューとなった。フィジカルのCDリリースでは1位、ルックアップ(PCによるCD読取数)でも8位と、やはりフィジカルの力は非常に大きいと思わされる結果だ。また、ダウンロードでも36位と再びチャートインし、動画再生数も41位を記録している。
しかし、ストリーミングは85位までしか上昇しておらず、苦戦中だ。これはまだまだグレーユーザーの取り込みができていないことの表れだ。このタイミングでのラジオのオンエア回数も圏外ということも考えると、もう少しプロモーションを強化する必要があるだろう。そこからストリーミングへつなげることも、ロングヒットを狙う意味では重要となるからだ。テレビ出演などの露出がどこまで決まっているのかはわからないが、プロモーションからストリーミングや動画再生にリンクさせていく施策が、早急に求められるのではないだろうか。せっかくのこのチャート結果をうまく反映し、次週以降にうまくつなげられれば、今後も順位をキープし、さらに上昇できるチャンスがあるかもしれない。
競合の多いK-POPやボーイズグループだが、どのようにして差別化し、抜きん出ていくのかはなかなか難問だろう。しかし、ENHYPENは話題性や実際の結果において、すでにアドバンテージがある。3位に甘んじることなく、さらに上位を目指してもらいたい。Text:栗本斉
◎栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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