【深ヨミ】惜しまれながら活動休止した嵐の年末のセールス動向を調査

2021年1月10日 / 14:00

 2021年1月11日付のBillboard JAPAN週間“Top Albums Sales”で、嵐『This is 嵐』が12,953枚を売り上げ、2位を獲得した(集計期間2020年12月28日~2021年1月3日)。

 『This is 嵐』は、前作『「untitled」』から約3年振りに発売された17枚目のオリジナル・アルバムで、日本テレビ系ラグビー2019イメージソングに起用された「BRAVE」、米津玄師が楽曲提供し話題となった「カイト」などが収録されている。この作品は2020年11月3日に発売され、初週で713,381枚のセールスを記録し、その週のアルバムセールスを獲得。その後も順調にセールスを伸ばし、2021年1月3日の時点で825,646枚までセールスを伸ばしている。

 ここでは、活動休止前の嵐のCDのセールスがどのような売れ方をしたかをSoundScanJapanのセールスデータを使用し調査してみた。休止前最後の活動日となった2020年12月31日を含む週から5週間前より、その期間に最も売れた嵐のアルバムである『This is 嵐』と、『This is 嵐』を除いた嵐の全アルバム、そして嵐の全シングルについて販売枚数の推移をグラフ化したものが図1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/95885/2)である。

 まず、『This is 嵐』(図中:水色)であるが、リリースから時間があまりたってない事もあり、2020年12月6日には7,082枚を売り上げていた。そして、次週2020年12月13日には9,514枚と枚数を伸ばした。その後も右肩上がりのセールスを続け、2021年1月3日には12,953枚と、1か月前より実に1.83倍のセールスを記録するに至った、また、『This is 嵐』を除いた他のアルバム合計(図中:青)についても2020年12月6日の1,554枚から、2021年1月3日の6,359枚と、こちらも毎週セールスは増え続け、またこちらはリリースから1年以上時間が経っているタイトルばかりで、『This is 嵐』のようなリリース時の勢いもなかったため、実に一か月前より4倍を超えるセールスを記録している。 シングル(図中:赤)についても同様で、2020年12月6日には1,211枚だったセールスが、週を追うごとに増え、2021年1月3日には3,120枚とこちらも2.5倍以上の伸びを見せている。

 また、嵐の全オーディオCDの販売数の前週比を見ると2020年12月13日は(2020年12月6日に対して)1.36、2020年12月20日は1.04、2020年12月27日は1.12、2021年1月3日は1.45となっている。休止前の最後の生配信コンサート「This is 嵐 LIVE 2020.12.31」の開催や、NHK紅白歌合戦の出場をはじめとする各メディアへの露出はもちろんだが、やはり5人揃っての活動が一旦見れなくなる事を惜しむファンが嵐の作品を購入したため2021年1月3日(集計期間:2020年12月28日~2021年1月3日)の前週比を1.45と押し上げているのだが、『This is 嵐』のデジタル・ダウンロード、サブスクリプション配信が始まった週である2020年12月13日(集計期間2020年12月7日~2020年12月13日)も前週比1.36と大きく伸びている事も見逃せない。デジタル・ダウンロードやサブスクリプション配信によってフィジカルセールスを減らすアーティストが多い中、嵐のファン楽曲に触れる事により、更にCD購入へと動いているからだ。

 嵐の活動休止は2021年以降の音楽業界にとって大きな痛手となるだろうが、また、再び5人揃ってのの活動が再開するのを楽しみに待ちたいと思う。

※記事初出時、動画のリンクに誤りがございました。お詫びして訂正いたします。


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