GRANRODEO、『Live Session “Rodeo Note” vol.1』のライブレポートが到着!

2020年12月1日 / 16:15

『GRANRODEO Live Session “Rodeo Note” vol.1』 Photo by キセキミチコ (okmusic UP's)

2020年11月29日、東京・南青山「ブルーノート東京」。著名なジャズミュージシャンを筆頭に、国内外のトップアーティストが大人の音楽を渾身のプレイで聴かせるジャズの聖地はこの日、あふれ出すパッションをアコースティックなサウンドが包み込む、今まで体感したことのなかったGRANRODEO色に見事に染まった――。

この日、CS放送フジテレビTWO/TWOsmartで無観客生中継された「GRANRODEO Live Session “Rodeo Note” vol.1」は、実力派ユニットとして名高いGRANRODEOが、初めて贈るセッションライブのシリーズ第1弾だ。アコースティックなバンドセットでのワンマンは、これまでもファンクラブ会員限定で開催されたことはあったが、一般のファンに向けては初めての試み。いつもはハードでメロディックなロックを標榜するKISHOW(Vo.)とe-ZUKA(Gt.)が、そのヘヴィネスを封印しただけではなく、アダルトでジャジーなアレンジに変身したGRANRODEOナンバー10曲に加えてインストゥルメンタルを含めたカバーナンバー5曲を、この夜にしか披露されないレアなセットリストに封入。GRANRODEOの音楽的な魅力に新たな1ページを刻んだ。

大人の夜が始まろうとする午後8時。プレミアムでスペシャルなワンマンライブの幕開けは、e-ZUKAのしっとりとしたジャズインストゥルメントから始まった。ブルーノート東京の客席で一人、スポットライトを浴びるe-ZUKAが手にしていたのは、古今東西のジャズミュージシャンに愛されているフルアコースティックギター。まろやかな音色で奏でられたのは、ジプシー・スウィングの創始者として知られる名ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトの名曲「Nuages」。テクニカルなロックギタリストとして知られるe-ZUKAのジャズプレイも絶品だ。

曲が終わるとステージではオルガンと伸びやかなサックス、リズミカルなハイハットに絡み合うアコースティックベースの音色が、スウィングしながらe-ZUKAとKISHOWの合流を待つ。e-ZUKAがファンにはおなじみのリフをオクターブで響かせると、ゴージャスでスウィンギーな「ケンゼンな本能」がスタート。スモーキーでソフトな歌声と、持ち前の太くソウルフルな歌声を自在に出し入れしながら、KISHOWのボーカルがバンドと軽やかに戯れる。演奏の途中では、スタンダードなジャズセッション同様にソロパートで各自が持てるテクニックを披露する。本来ならここで客席から喝采が飛ぶところだが、残念ながら今日は無観客。フロアに並んだテーブルでまたたく無数のキャンドルの揺らめきが、熱演を讃える。セットリストはそのまま熱っぽいロックテイストを残した「日常ホライズン」へ。アウトロではギターとユニゾンで響くe-ZUKAのスキャットとKISHOWのスキャットが絡み合い、グルーヴを上昇させた。

「みなさん、こんばんは」と挨拶をしながら「本当に始まっちゃってるの?」と、顔を見合わせるKISHOWとe-ZUKA。「ブルーノート東京でやらせてもらってますが……ほんとかな?(笑)」と、KISHOWのMCもいつもよりグッと静か。「緊張してます」というe-ZUKAもオープニングのソロナンバーを「自分で言っといてアレだけど、やんなきゃ良かったなぁ(笑)。すごい緊張した!」と、正直に振り返る。そして今宵のバンドメンバーを紹介。GRANRODEOのサポートとしておなじみの瀧田イサム(Ba.)、SHiN(Dr.)に加えて、今日はMao(Key.)と長年ジャズ畑で活躍する坂川諄(Sax./Fl.)が参戦。格式の高いブルーノートでのライブということでいつもより神妙に始まったトークも、時間が過ぎるにつれて、いつものGRANRODEOらしいコミカルでアットホームな雰囲気を取り戻していく。

「リモート(ライブ)ではありますけど、ご自宅でゆるりとお楽しみください」とKISHOWが語りかけてe-ZUKAがカウント。力強いKISHOWのハイトーンから始まったのは、フォーキーなアレンジに変身した「変幻自在のマジカルスター」だ。オリジナルより優しいKISHOWのボーカルが心地いい。そしてKISHOWが「次の曲は、GRANRODEOとしてはなかなかないこと。カバーを聴いていただきたい。みなさんもよくご存じの曲」と伝えて始まったのは、椎名林檎の「丸ノ内サディスティック」だ。ストロングなバンドサウンドとパンチの効いたKISHOWのボーカル、ソプラノサックスの物憂げなメロディーが絡み合うGRANRODEO版「丸ノ内サディスティック」はとてもグルーヴィー。黒っぽい、高低自在なフェイクを織り交ぜながらエモーショナルに歌われたこの曲は、カバーであることを思わず忘れるほど。GRANRODEOのオリジナル曲かと思わせる、魅力にあふれたものだった。そんなカバーから一転、続く「delight song」は柔らかくハートウォームなボサノバアレンジに。e-ZUKAの温かなガットギターと煌めくエレクトロニックピアノに、ファルセットを織り交ぜたKISHOWのソフィスティケイトされた歌声が映える。

ここからはKISHOWいわく、過去2回ファンクラブ限定の“プラグナシ”ライブでも披露されたことがある、「あの曲がこんなふうになるんだシリーズ」で好評だったリアレンジが2曲続く。1曲目はギター、ベース、キーボードの一糸乱れぬテクニカルなユニゾンから始まり、アップテンポの4ビートジャズに生まれ変わった「ボルケーノ」。もう1曲は、e-ZUKAが銀色に輝くリゾネーターギターで粘りのあるボトルネック奏法を駆使し、KISHOWがパワフルなシャウトを織り交ぜながら緩急自在な歌を聴かせて泥臭いスローブルースへと変貌した「恋は mirage」だ。途中でリズムパターンや曲調を変化させる繊細なギミックが盛りこまれ、e-ZUKAのアレンジャーとしての才能の一端を改めて感じさせてくれる。

そしてKISHOWが選曲した今宵2曲目のカバーナンバーへ。以前から大好きだったというキリンジの「エイリアンズ」だ。オリジナルのフォーキーさをグッとジャズに寄せた「エイリアンズ」は、KISHOWの透明感にあふれたソフトなファルセットも印象的。南青山の夜にふさわしいゆったりとした時間が過ぎた後は、KISHOWがステージを降りて、これぞジャズライブ!と思わせるインストゥルメンタルなバンドセッションへ。e-ZUKAがセレクトした曲は、チック・コリアの名曲。時代とジャンルを超えたジャズスタンダードとして愛されている「Spain」だ。ノスタルジーとラテンの香りを感じさせるメロディーと、見事な個人技が交錯する。e-ZUKAのスピーディーなソロパートも聴き応えたっぷりだった。

客席でセッションを楽しんでいたKISHOWが、「カッコいい曲でしたね」と言いながら再びステージへ。MCを挟んでKISHOW、e-ZUKA二人だけで演奏されたのは、KISHOWいわく「GRANRODEO二人のアコースティックライブで最も多く演った曲」だという「Infinite Love」。彼らのワンマンでも馴染み深い光景だ。とはいえここはブルーノート東京。いつもよりたおやかな響きを残す歌と演奏に、スペシャルな雰囲気が漂っていた。

ここからは再びバンドが集結。今宵最後のカバーナンバーとなったのは、スガ シカオの「黄金の月」だ。フォークテイストの強いこの曲も、GRANRODEOバージョンはゆったりしたジャズファンク調に。グルーヴィなコーラスとリズミックなキーボード、ソフトなワウの掛かったギターと歌うベースが、ナイーブな原曲を力強く響かせる。「黄金の月」で醸し出したグルーヴを、GRANRODEOのライブでは定番の「modern strange cowboy」では、さらにファンキーに増幅。瀧田のスラッピーなベースとSHiNのパワフルなリズムにKISHOWの激しいフェイクが絡み、圧巻のエモーションをぶつける。そして一瞬の静寂を破るようにミステリアスなシンセサイザーが響き、「UNDER THE SKY」がまたも空気を一変。情熱的なKISHOWの歌声をメロディックなサックスがサポートし、ドラマティックなサウンドをドライブ。壮大な楽曲を感動的に彩った。

「あっという間だったね」と今日の演奏を振り返るKISHOWとe-ZUKA。「どんな御時世でも明るい時と暗い時がある。どこか肩の力を抜いていきたいものだと、こんな時だからこそ思う。そんな曲でお別れしたいと思います」というKISHOWのメッセージとともにラストに届けられたのは、アメリカ西海岸の風を呼ぶ「Take it easy」。軽やかなサウンドと明るいボーカルが、今年最後のGRANRODEOの特別な一夜を締めくくった。

今まで見せたことのないGRANRODEOの音楽の一面に触れられた「GRANRODEO Live Session “Rodeo Note”」。vol.2の開催が今から楽しみだ。

撮影:キセキミチコ

『GRANRODEO Live Session “Rodeo Note” vol.1』

2020.11.29 (sun) BLUE NOTE TOKYO

<セットリスト>

1.Nuages

2.ケンゼンな本能

3.日常ホライズン

4.変幻自在のマジカルスター

5.丸ノ内サディスティック

6.delight song

7.ボルケーノ

8.恋は mirage

9.エイリアンズ

10.Spain

11.Infinite Love

12.黄金の月

13.modern strange cowboy

14.UNDER THE SKY

15.Take it easy
『GRANRODEO Live Session “Rodeo Note” vol.1』 リピート放送

放送日時:12月2日(水)21:00~23:00

フジテレビTWO/TWOsmartにて

http://otn.fujitv.co.jp/rodeonote1/
ミニアルバム『タイトル未定』
2021年3月10日(水)発売

【初回限定盤】(CD+Blu-ray)

LACA-35860/¥3,900(税抜)

【通常盤】(CD)

LACA-15860/¥2,200(税抜)

※詳細は後日発表となる
『飯塚昌明 ANNIVERSARY LIVE “e-XPO 2020”』
[2021年]

2月01日(月) 東京・豊洲PIT

OPEN 18:00 / START 19:00

ゲスト:栗林みな実、谷山紀章、福山芳樹、美郷あき (五十音順)

スペシャルバンド:

Guitar: 関口晶大

Bass: 瀧田イサム

Drums: 市川義久

Keyboards: 畠中文子

Manipulator: 高山 淳

<チケット>

全席指定:¥6,000(税込)

・ロデオ組最速チケット先行

受付期間:11月23日(月・祝)22:00~12月7日(月)23:59

ロデオ組HPよりお申し込みいただけます。

GRANRODEO オフィシャルファンクラブ「ロデオ組」:https://granrodeo.jp

<注意事項>

※3歳以上有料 ※営利目的の転売禁止 ※転売チケット入場不可 ※オークションへの出品禁止

※本先行のお申込みは電子チケットのみとなります。

※車椅子エリアは会場の都合により見えづらい場合がございます。予めご了承ください。

※出演者は予告なく変更となる場合がございます。

※今後の新型コロナウイルス感染拡大状況によりましては、イベントの延期、中止となる場合がございます。
『GRANRODEO 15th ANNIVERSARY FES ROUND GR 2020』
[2021年]

2月27日(土) 東京・東京ガーデンシアター

OPEN 16:30 / START 17:30

2月28日(日) 東京・東京ガーデンシアター

OPEN 16:30 / START 17:30

■第1弾出演アーティスト(五十音順)

2月27日(土)公演:氣志團、BREAKERZ

2月28日(日)公演:OxT、西川貴教

※GRANRODEOは両日出演いたします。

<チケット>

・ロデオ組最速チケット先行

受付期間:11月23日(月・祝)22:00~12月7日(月)23:59

ロデオ組HPよりお申し込みいただけます。

GRANRODEO オフィシャルファンクラブ「ロデオ組」:https://granrodeo.jp

<注意事項>

※3歳以上有料 ※営利目的の転売禁止 ※転売チケット入場不可 ※オークションへの出品禁止

※本先行のお申込みは電子チケットのみとなります。

※出演者は予告なく変更となる場合がございます。

※今後の新型コロナウイルス感染拡大状況によりましては、イベントの延期、中止となる場合がございます。
『GRANRODEO LIVE TOUR 2021』
日程やチケットの詳細は後日発表いたします。

※詳細は後日発表となる

なお、本公演につきましては、政府および新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の方針、感染拡大状況等を踏まえ、今後も慎重に協議を重ねてまいります。

その結果、やむを得ず中止とさせていただく可能性がございますので、あらかじめご了承ください。
『GRANRODEO 15周年記念ギター「RODEO Phoenix」』
GRANRODEO 結成15周年を記念して、ESPより新たにe-ZUKAモデルギター「RODEO Phoenix」の発売が決定。

15周年にちなんだ限定15本の受注生産となる。

受付期間・方法など詳細は後日GRANRODEO DFFICIAL WEBSITE 及びESPにて発表。


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