“人と違っていてもいい”――アナ・ケンドリック&ジャスティン・ティンバーレイク 『トロールズ ミュージック★パワー』の魅力を語る

2020年10月2日 / 19:10

 全世界で大ヒットを記録した『トロールズ』(’16/日本未公開)がパワーアップしてスクリーンに帰ってくる。キュートなトロールたちが歌って踊って冒険する『トロールズ ミュージック★パワー』には、思わず踊りたくなるようなポップな音楽や、どこか懐かしいオールドナンバーが充実。「みんな違っていい」と多様性の重要を伝えるストーリー展開も見どころだ。前作に続き、主人公でポップ村の女王・ポピー役の声を務めたアナ・ケンドリックと、ポピーの幼馴染のブランチ役を演じたジャスティン・ティンバーレイクの独占インタビューをお届けする。

――第1作目が世界中で大成功を収めましたね。本作『トロールズ ミュージック★パワー』でも再び主演を務めることになって、ワクワクしましたか?
ジャスティン:とてもワクワクしたよ。
アナ: 私もとてもうれしかった。1作目に出演した後、2作目の話をメールでもらったとき、心から喜んだわ。「スケジュールを調整しなくちゃ」みたいなためらいは全くなかった。またポピーを演じることができるってワクワクしたのよ。1作目でポピーを演じたのがとても楽しくて、それをまたできることはすごく楽しみだった。

――2作目は、おふたりの演じるキャラクターがどんな場面にいるところから始まるのですか? ポピーは女王になっていて、ブランチはポピーとの間に友情以上のものがあるのか確認しようとしている。2人の関係はどうなっているんですか?
アナ:まず、この2人が仲間になっているのはいいわよね。1作目の2人はかなりケンカが多かったから。とても前向きなポピーと気難しいブランチの間ではとても滑稽なやりとりが交わされるんだけど、この2人が同じ目標に向かうという面を見られるのはすごく楽しいと思うわ。

――ブランチの望みは? 彼は友情以上に発展することを望んでいるんですよね?
ジャスティン:1作目のブランチはかなりの時間と行程をかけて幸せの意味を理解し始めて、今度はポピーに対して特別な感情を抱いていることに気づく。これまでよりももっと深い気持ちが……
アナ:恋愛感情ね。
ジャスティン:そう、それだ。

――2人は、トロールの世界が自分たちの思っていたものよりはるかに広いことを理解して、どのような冒険に繰り出すのですか?
ジャスティン:世界を救うんだ。
アナ:そうね。2人の小さな存在が、自分たちの小さな世界を救おうとする物語よ。とてもかわいいの。2人は、自分たちとは違うトロールに出会っていく。アニメーターたちが、たくさんの新しいキャラクターと彼らの世界を見事に表現してくれたわ。これらのトロールたちは、お互いと見かけも違うし、それぞれの村にそれぞれの音楽があるの。2人はオデュッセウスのような冒険を体験するのよ。広い世界を体験するの。

――そして、自分たちに関してはどのような発見をするのですか? その過程でどんなことを学ぶのですか?
ジャスティン:まず、この世界には自分たち以外のトロールがいるということを知る。それぞれの部族にそれぞれのスタイルの音楽があって、2人は、自分たちの村がいろいろなスタイルが混ざったものなんだと理解するんだ。また、トロールそれぞれに違いがあるということは素晴らしいんだということを学ぶんだよ。

――それがこの映画の伝えようとしている素晴らしいメッセージですよね。多様性を尊重するという素晴らしいメッセージがあると思います。「人と違っていてもいいんだ」ということ。ジャスティンがおっしゃったように、むしろ違いがあることを喜ぶということです。一方ポピーはどんなことを学ぶのですか? 人の話に耳を傾けることとか?
アナ:そうね。それは彼女の旅路の中で重要な部分ね。本作の全体的なテーマは、ある意味で他の人の声に耳を傾けることで、ポピーにとっては、自分がすべてを知っているわけではなく、すべてに対する答えもないし、女王になった今でも間違いを犯すこともあるっていうこと。それでもその間違いから学習して、さらに人の声に耳を傾けて成長し続けるの。「すべてを理解した」という地点に到達することは決してないということを学ぶのよ。だからそういうメッセージは、どんな年齢の人にとっても大切よね。

――おふたりは、アニメーション制作のどんなところが好きですか? 俳優によっては、声の役の方が自由を感じるという人もいますが、お二人はどうですか?
ジャスティン:アニメのキャラクターの声を演じるっていうのは、何か特別なものがあると思う。特に、1回演じたキャラクターを再び演じることで、そのキャラクターや、登場する他のキャラクターに対してつながりのようなものを感じる。パジャマを着たままでも演技ができるっていう意味では自由を感じるね。楽しいんだよ。
アナ:自分がどう映っているかを気にしなくてもいいし、アニメーターたちは、私の表情を参考にしてキャラクターの表情を作ったりするのよね。でもいろんなことをどんどん試せるのはすごく楽しい。実写映画では、撮影の度にとても大きなプレッシャーがかかるけれど、アニメではいろんなことをやってみる自由がある。もう必要なものは撮れただろうと思って、遊び気分でやったようなところもかなりあったけれど、それが実際に起用されたりするのよ。

――1作目では、音楽が非常に重要な役割を果たし、本作ではさらに強調されていると思うのですが、そのことについてお話をうかがいたいと思います。ジャスティン、あなたはこの映画で製作総指揮も担当していますが、そのことについてお話しいただけますか? 私たちに馴染みのある曲もいくつかありますし、新しい曲もたくさんあります。あなたにとってこの映画を作り上げる過程は音楽の観点から見たらいかがでしたか?
ジャスティン:1作目では音楽のDNAのようなものを確立しないといけなかったから、既存の曲をたくさん使った。本作では、もっとオリジナルの曲が入っている。完全なミュージカルというアプローチをとりたかったからね。それを成し遂げるのは、とても大きな挑戦だったけど、それぞれのトロール部族にそれぞれのサウンドを当てはめるために、可能な限り様々なジャンルの音楽を探究できたから、素晴らしい挑戦だったと言えるよ。映画の最後の部分で、その全部のサウンドを一緒にまとめて、一つの曲にした。すごく楽しかったよ、本当に。また、滑稽な場面や、感情が変わる場面や、映画の中心的なメッセージを強調する場面などにも独自のサウンドを使った。さっきも言ったように、大きな挑戦はあったけど、すごく楽しくて、アナ、アンダーソン・パーク、ケリー・クラークソン、メアリー・J.ブライジ、ジョージ・クリントン、サム・ロックウェルなどの声を使っているわけだから、すごいよね。
アナ:すごくたくさんの人が参加した。すごく豪華なの。
ジャスティン:才能があって、素晴らしい声を持っている人たちがたくさん登場するんだ。つい最近、音楽が入った完成品を観たんだけど、俳優全員が全力で取り組んでくれたことが感じられて、1つの映画にあんなに大勢の才能ある人たちが参加してくれたなんて、最高だね。

――アナ、あなたにとって、これらの曲を歌うことはどうでしたか? あの「ジャスト・シング」という素晴らしい曲も、とてもパワフルな曲で、この映画の意味を見事に伝えている曲ですよね。
アナ:私は……実は1作目以上に楽しんだかもしれないわ。1作目の「キャント・ストップ・ザ・フィーリング!」でも全く同じやり方だったんだけど、情報が外に漏れないように、防音ブースに入れられて、まず曲を聴くの。メロディーを覚えて歌えるようになるまでその曲を聴いて、でもその後は1年くらい全くその曲を聴くことができない。だから今回の「ジャスト・シング」でも同じ過程になるとわかっていて、30分間聴いた後、1年間聴けないのはすごく辛かった。だって、あんなにも楽しくて美しい曲だから。とても巧みに様々なジャンルが取り入れられているの。

――映画自体がとても美しくて楽しいですよね。
アナ:そうなのよ。
ジャスティン:とにかく楽しいんだ。素晴らしいたくさんの音楽と素晴らしいメッセージがある愉快な冒険なんだよ。

◎公開情報
『トロールズ ミュージック★パワー』
全国公開中
監督:ウォルト・ドーン
配給:東宝東和、ギャガ
A UNIVERSAL PICTURE(C)2020 DREAMWORKS ANIMATION LLC.ALL RIGHTS RESERVED.


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