SPECIAL OTHERS、日比谷野音での有観客ワンマン公演が大盛況

2020年9月21日 / 12:00

SPECIAL OTHERS(以下、スペアザ)が9月20日、東京・日比谷野外音楽堂にて「SPECIAL OTHERS 野音2020(QUTIMA Ver.29)」を開催した。同公演はスペアザにとって約8ヶ月ぶりのライブ。新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み、5月13日にリリースしたオリジナルアルバム『WAVE』を携えた全国ツアー「SPECIAL OTHERS Tour”WAVE”(QUTIMA Ver.28)」が開催延期となっており、毎年恒例となりつつある野音イベントがライブ活動の第一歩となった。

会場は、政府・自治体のガイドラインを遵守し、収容人数の半分に集客を抑え、規制入場、そして、マスク着用と全員に検温と消毒が行われた。天候の心配もよそに、夏の終わりを感じる少しだけひんやりとした空気の中、ライブへの期待が高まっていた。

又吉“SEGUN”優也(B)、柳下“DAYO”武史(G)、宮原“TOYIN”良太(Dr)、芹澤優真(Key)が順に登場すると、普段よりも遠慮がちによろこびを表す客席。ステージ上の4人は、音を出し合い、お互いを確かめ合うように自然とジャムセッションがはじまり、さわやかな風が感じられるような「TRIANGLE」からスタートした。スペアザの楽曲の中で歌モノとして人気の「Good morning」では、芹澤、宮原、柳下の歌声が重なった瞬間、会場の空気もさらにあたたまり、音の浮遊感とそのグルーヴが大音量で身体に響いてきた。

盛りあがる客席に「どうもありがとうございます!お久しぶりです!SPECIAL OTHERSです!」という宮原を受け、約8ヶ月ぶりのライブに「20歳くらいのころ以来かな。こんなにライブをやっていないのは初めて」と芹澤。緊急事態宣言中は、楽器の収集や家キャンプ、植物との暮らしやDIYなど、いたって充実した日々を過ごしていたと笑いを誘ったメンバーだったが、「今日は気を使い合いつつも、最大限に楽しんでいただきたいです!ガイドライン的には立って踊ったりは構わないので、周りの人と楽しい空間を作りましょう!」と協力を求めた。

「JAM」「Puzzle」など踊れるナンバーが続いたが、ソーシャルディスタンスを保ちつつ身体を揺らし楽しむオーディエンス。「PB」ではベーストラブルが発生したが、又吉以外の3人のみでセッションを続け、芹澤がキーボードソロで盛り上げる。のちのMCで柳下は「こんなにひとつのライブに向けて準備期間が長かったのは久しぶりですが、この4人で初めてライブをした高校2年の文化祭を思い出して、そんな気持ちでこの日にのぞめて感慨深かった」と言っていたが、まさに、又吉が戻ってきてからは、高校時代から培ったこの4人ならではの絶妙なコンビネーションを見せつけた瞬間だった。

芹澤と宮原だけで演奏される「SERI&RYOTA」をはじめ、今回、曲間に即興演奏が多くみられた。久しぶりのライブにメンバーも集中力をどんどん高めていく。自由に音を楽しむことを第一としている空気感がステージから会場中に伝播していった。

ニューアルバムの表題曲「WAVE」からのクライマックスは、日も沈みはじめ、音の波と一緒に、「AIMS」では爆発するようなギターソロ、リズム隊のグルーヴなど個々のプレイが渦のようにテンションをあげていく。本編ラスト「Beautiful Orange」では、夕日のようにオレンジ色に照らされたステージからメロウで優しい響きが広がる。この時期の野音ならではのすず虫の鳴き声が聞こえてくる中、この経験したことのない夏を経て秋を迎えるような切なさで郷愁を誘った。

「みんなで一緒に楽しむ音楽っていいものですね。この先もまだわからない状態ですが、音楽がないと美しい生活は送れない!音楽はすばらしい!」(宮原)。「ツアー延期になり、こうやって集まってくれて、足を運んでくれて、素直に感動しています。何度も重ねて感謝します!」(芹澤)。音を楽しむ時間を共有するという最も大事なことを再確認するように言葉にするメンバー。この日、ステージもオーディエンスもポジティブなバイブスしかなかった。

アンコールを終えると、ライブを身体で感じた充足感と終わってしまうことへの後ろ髪ひかれる思いなど、さまざまな思いにあふれ、あたたかな拍手で包まれていた。会場はすっかり暗くなっていたが、ステージ上を照らす白く明るい光は未来のライブへの期待を感じるものだった。なお、スペアザは10月11日(日)に「SPECIAL OTHERS 野音2020(QUTIMA Ver.29)」の大阪公演を大阪城音楽堂にて予定している。

なお、本日のライブのセットリストは各プレイリストで展開しているので、ぜひ併せて楽しんで欲しい。

photo by 田中聖太郎

text by 古城久美子

■SPECIAL OTHERS 野音2020 (QUTIMA Ver.29) Set List Play List

https://jvcmusic.lnk.to/SPECIALOTHERS_20200920

※音楽ストリーミングサービス:Apple Music、spotify、amazon music、Youtube Musicにて配信中。
【公演情報】

『SPECIAL OTHERS 野音2020 (QUTIMA Ver.29)』

10月11日(日) 大阪・大阪城音楽堂 

OPEN15:00 / START16:00

Info. YUMEBANCHI 06-6341-3525 https://www.yumebanchi.jp

※本公演は、政府や地方自治体より示された新型コロナウイルス感染拡大予防のガイドラインを遵守し、座席数を50%以下とし、十分なソーシャルディスタンスを確保して開催させていただきます。

公演に関するガイドラインはオフィシャルHPをご覧下さい。
アルバム『WAVE』
発売中

【初回限定盤】

VICL-65363/¥3,000+税

※初回限定盤:7インチジャケット仕様(収録音源は通常盤と同内容)

【通常盤】

VICL-65364/¥3,000+税

<収録曲>

01. Puzzle

02. TRIANGLE

03. WAVE

04. Courage

05. SERI & RYOTA 1

06. Wind

07. Good song

08. Quiz

09. JAM

10. SERI & RYOTA 2

11. Beautiful Orange

◎配信URL:https://jvcmusic.lnk.to/WAVE_SPE

※ストリーミングサービスおよびiTunes Store、レコチョク、moraなど主要ダウンロードサービスにて配信中

※音楽ストリーミングサービス:Apple Music、LINE MUSIC、Amazon Music Unlimited、AWA、KKBOX、Rakuten Music、RecMusic、Spotify、YouTube Music


音楽ニュースMUSIC NEWS

カニエ・ウェスト、ケンドリック・ラマー/ドレイクより勝っていると主張「GOATは一人しかいない」

洋楽2024年3月29日

 現地時間2024年3月28日、カニエ・ウェストことイェーがインスタグラムに投稿し、『ザ・ライフ・オブ・パブロ』に収録されているケンドリック・ラマーとのコラボ曲「No More Parties in L.A.」でケンドリック・ラマーに勝った … 続きを読む

【FUJI ROCK FESTIVAL ’24】ラインナップ第4弾発表、Awich/くるりなど14組の出演決定

J-POP2024年3月29日

 2024年7月26日~28日にかけて新潟県・苗場スキー場にて行われる【FUJI ROCK FESTIVAL ’24】のラインナップ第4弾が発表された。  初日26日に決定したのは、Awich、indigo la End、キング … 続きを読む

ドレスコーズ、新曲「キラー・タンゴ」4月配信リリース&ジャケット公開

J-POP2024年3月29日

 ドレスコーズの最新曲「キラー・タンゴ」が4月10日に配信リリースが決定し、本作のジャケットも公開された。  本楽曲は、MBSドラマフィル枠で放送となるドラマ『奪われた僕たち』の書き下ろし主題歌で、YouTubeのMBSアニメ&ドラマチャン … 続きを読む

サブリナ・カーペンター、テイラー・スウィフトから学んだことや恋愛について語る

洋楽2024年3月29日

 サブリナ・カーペンターが、米コスモポリタンの最新デジタル・カバー・ストーリーで、テイラー・スウィフトと【The Eras Tour】で世界を旅したことから、恋愛(現在俳優のバリー・コーガンと交際している)に関する見解まで、様々なトピックに … 続きを読む

ジョナス・ブルー、ジャパン・ツアーに向けて日本限定AL『トゥギャザー』をリリース

洋楽2024年3月29日

 ジョナス・ブルーが来月に迫った自身最大規模のジャパン・ツアーを記念して日本限定アルバム『トゥギャザー』をリリースした。  サム・フェルトとのユニットEndless Summerによる最新シングルの「Rest Of My Life with … 続きを読む

Willfriends

page top