【米ビルボード・アルバム・チャート】テイラー・スウィフト6週連続No.1、メタリカ/ケイティ・ペリーTOP10入り

2020年9月7日 / 12:45

 テイラー・スウィフトの『フォークロア』が2020年度最長となる6週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
 
 先週、初登場の8月8日付チャートから5週目の1位をマークし、同5週を記録したリル・ベイビーの『マイ・ターン』と並んだ『フォークロア』だが、今週その記録を破り、本年度の首位獲得週単独トップに躍り出た。前週から8%ほど減少しているが、週間ユニットも90,000と高水準を維持している。そのうち、アルバム・セールスが51,000、アルバム・ストリーミング(SEA)が38,000、楽曲によるユニット数(TEA)は1,000程度だった。
 
 現時点で本年度2週以上首位を獲得したタイトルは、以下の7作。なお『マイ・ターン』と『プリーズ・エクスキューズ・ミー・フォー・ビーイング・アンチソーシャル』は非連続での記録となる。
 
6週 テイラー・スウィフト『フォークロア』
5週 リル・ベイビー『マイ・ターン』
4週 ザ・ウィークエンド『アフター・アワーズ』
4週 ロディ・リッチ『プリーズ・エクスキューズ・ミー・フォー・ビーイング・アンチソーシャル』
2週 ハリー・スタイルズ『ファイン・ライン』
2週 リル・ウージー・ヴァート『エターナル・アテイク』
2週 ジュース・ワールド『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』
 
 初登場から6週以上首位をキープしたのは、2016年5月21日~7月16日までの計9週をマークしたドレイクの『ヴューズ』以来約4年ぶりで、女性アーティストの作品では、2015年12月12日~2016年1月23日付までの計7週を記録した、アデルの『25』以来、約5年半ぶりの記録更新。
 
 テイラーは、デビュー作『テイラー・スウィフト』(2006年)を除く7枚すべてのアルバムを1位に送り込み、今週で首位獲得週を46週目に更新した。46週は、故ホイットニー・ヒューストンと並ぶ女性アーティストの歴代最長記録だが、そのうち20週を記録した『ボディーガード』(1992年)は映画のサウンドトラックで、オリジナル・アルバムのみの記録としてはテイラーが歴代トップとなる。すべてのアーティストを含む記録では、ビートルズが132週で単独トップを独走中。
 
 テイラーに続き、2位はポップ・スモークの『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』(77,000ユニット)、3位は故ジュース・ワールドの『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』(64,000ユニット)がそれぞれ3週連続で同位をキープし、今週も故人のアルバムがTOP3に2作ランクインした。死後、ベスト盤などが上位に再浮上することはあっても、オリジナル・アルバムがヒットし続けるというのは珍しい。
 
 4位にデビューしたのは、メタリカのライブ・アルバム『S&M2』。初動ユニットは56,000で、そのうちアルバム・セールスが53,000とほとんどをセールスが占めた。TOP10入りは通算11作目で、ライブ盤としては最高2位をマークした同サンフランシスコ交響楽団との『S&M~シンフォニー&メタリカ』(1999年)に続く2作目。オリジナル・アルバムは、1991年のモンスター・ヒット『メタリカ』から最新作『ハードワイアード…トゥ・セルフディストラクト』(2016年)までの6作すべてが1位を獲得している。
 
 メタリカは、これで80年代から20年代までの5年代にわたり新作をTOP10に送り込む快挙を達成。この記録を達成したのは、ジェームス・テイラーとオジー・オズボーンに続く3組目で、バンドとしては初となる。
 
 テイラーの対抗馬として上位ランクインが予想されていたケイティ・ペリーの新作『スマイル』は、勢い振るわず初登場5位と出遅れた。初動ユニットは50,000で、そのうちアルバム・セールスが35,000、アルバム・ストリーミングが14,000、楽曲によるユニット数は2,000だった。売り上げには、いくつかのグッズによるバンドルが含まれる。TOP10入りは5作目で、そのうち『ティーンエイジ・ドリーム』(2010年)、『プリズム』(2013年)、前作『ウィットネス』(2017年)の3作が1位を獲得している。
 
 女性ソロ・アーティストによるアルバムがTOP5に2作ランクインしたのは、ビリー・アイリッシュの『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』(3位)と、ホールジーの『マニック』(4位)がランクインした2月8日付チャート以来、約7か月ぶり。テイラーが6週という記録を打ち立てたものの、今年は女性アーティストによる首位獲得作品がセレーナ・ゴメスの『レア』(1月25日)と、レディー・ガガの『クロマティカ』(6月13日)の3作のみで、総週も8週に留まっている。
 
 10位にデビューしたのは、インターネット・マネーの『B4 The Storm』。インターネット・マネーは、リッチ・ザ・キッドの「プラグ・ウォーク」(2018年)や、リル・テッカの「ランサム」(2019年)などをヒットさせてきたタズ・テイラーを中心とした米LAのプロデューサー・チーム/音楽プロダクションで、本作はチームとしてのデビュー作になる。初動ユニット31,000のうち30,000がアルバム・スリーミングで、セールスはほぼ皆無だった。週間視聴回数は4,110万再生を記録している。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、9月11日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『フォークロア』テイラー・スウィフト
2位『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』ポップ・スモーク
3位『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』ジュース・ワールド
4位『S&M2』メタリカ
5位『スマイル』ケイティ・ペリー
6位『ハミルトン:アン・アメリカン・ミュージカル』サウンドトラック
7位『マイ・ターン』リル・ベイビー
8位『Pray 4 Love』ロッド・ウェーヴ
9位『ブレイム・イット・オン・ベイビー』ダベイビー
10位『B4 The Storm』インターネット・マネー


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