ヨ・ラ・テンゴ×奈良美智、ボブ・ディラン/ザ・バーズのカヴァー収録の話題作を限定発売

2020年8月27日 / 12:00

 ヨ・ラ・テンゴが、人気芸術家でバンドとも親交の深い奈良美智のLACMAで行われるエキシビション用の限定カタログに提供した楽曲が『Sleepless Night』EPとして一般発売されることが決定した。同作よりキャロル・キングとジェリー・ゴフィンが作詞作曲したザ・バーズの人気曲「Wasn’t Born to Follow」のカバーが公開された。

 ロックダウン中も新作『We Have Amnesia Sometimes』の発表や、配信チャリティ・ライヴブ敢行、<Matador>が発足したリイシュー・プロジェクト“Revisionist History”の一環で『Electr-o-pura』のリマスター再発を予定するなど精力的に活動を続けるUSインディーの良心ヨ・ラ・テンゴ。

 本作は、ヨ・ラ・テンゴと奈良美智が共同で選曲を手掛けており、オリジナルの新曲「Bleeding」と、今回公開された「Wasn’t Born to Follow」に加え、ボブ・ディラン、ザ・デルモア・ブラザーズ、フライング・マシーン、スモール・フェイセスのオリジナル・メンバーであるロニー・レーンのカバーを含む全6曲が収録されている。オリジナル・アートワークは奈良が手がけており、アナログはA面に楽曲を収録し、B面にはバンド・メンバーのジェームズによるイラストが施されたエッチング仕様で、全世界2500枚限定生産盤となっている。

 以下『Sleepless Night』について、ヨ・ラ・テンゴのメンバー、アイラ・カプランのコメントとなる。

 奈良美智さんと会ったのは2003年で、奈良さんの個展や、僕たちのコンサートで彼に会うようになった。僕たちはアジアソサエティのオープニングでDJをしたり、奈良さんはジョージアが私の首を絞めている絵をグルーミーのペンケースに描いてくれたこともありました。そのペンケースはシェパーズ・ブッシュのK-Westホテルのバーで盗まれるまでジョージアの自慢の品の1つだったんだ。2020年のLACMAでの展示会の奈良さんカタログをよりパーソナルなものにするために、彼の好きな曲をLPに収録してそれをデラックス版にするという案があった。私たちはLPの片面(1曲は新曲)を提供し、もう片面は奈良さんがセレクトした6曲をオリジナル・バージョンで収録することになった。ではそのLACMA用レコードに提供した、奈良さんと一緒に選んだ6曲をご紹介します。

 私はおそらくNRBQのLP『Workshop』で「Blues Stay Away from Me」を初めて聴き、そこから、ルービン・ブラザーズやデルモア・ブラザーズへと遡っていった(ダグ・サーム・アンド・バンドへの寄り道もあった)。僕たちのバージョンは、2011年2月にマーク・ネヴァースが録音したもの。チャーリー・ルービンがその数日前に亡くなっていた。僕たちはウィリアム・タイラーとツアーをしていて、ツアーはナッシュビルで終了した。僕たちバンドと、ウィリアムとカート・ワグナーで「Blues Stay Away from Me」をトリビュートとしてアレンジして、Exit/Inで演奏してライヴを締めくくった。自宅に戻るまで数日間ナッシュビルに滞在していたから、マークのスタジオに行って曲をレコーディングしたんだ。

 「Wasn’t Born to Follow」は、『Stuff Like That There』を生み出したセッションの一部としてジーン・ホルダーによって録音された。リード・ギターはデイヴ・シュラム。初めてザ・バーズの曲を聴いたのは確か、母が僕や大勢の友人たちを連れて「イージー・ライダー」を観に行った時だった。(一人の子供は、僕の弟と同様、その映画を観ることを親に禁止されて一緒に来れなかった。父は弟を連れて代わりに「明日に向って撃て!」を観に行き、友人はおそらく家で宿題をしていたのだろう。)

 「Roll On Babe」を作曲したのはロニー・レーンではないが、僕たちがカバーしているのは彼のバージョンだ。ジェイムズがホーボーケンで録音した。(この曲は、アジアソサエティでDJをした時にジョージアがかけた曲の1つだった。)

 ナッシュビルで僕たちが『And Then Nothing Turned Itself Inside-Out』を制作している時に、ロジャー・ムテノはジョン・ピールのバースデー番組のためにディランの「It Takes Lot to Laugh, It Takes a Train to Cry」を録音した。僕たちの知る限りでは、唯一無二のマスター版をイギリスに送ってしまったらしい。そう、僕たちも、君たちと同じように、むしろそれ以上に唖然としているよ。いろいろと詮索した結果、この曲にたどり着いた。

 「Bleeding」は僕たちが作曲して、ジェイムズがホーボーケンで録音した。

 また、ジェイムズはマイケル・シェリーの「Super Hit Tsunami!」のためにザ・フライング・マシンの「Smile a Little Smile for Me」をレコーディングしていて、この曲はWFMUの2019年募金マラソンに寄付をしてくれた人が入手可能となっている。

◎リリース情報
EP『Sleepless Night』
2020/10/9 RELEASE
<トラックリスト>
01. Blues Stay Away (The Delmore Brothers cover)
02. Wasn’t Born to Follow (The Byrds cover)
03. Roll On Babe (Ronnie Lane cover)
04. It Takes a Lot to Laugh (Bob Dylan cover)
05. Bleeding (Original track)
06. Smile a Little Smile for Me (The Flying Machine cover)

Yo La Tengo Photo by Noah Kalina
奈良美智 Photo by Ryoichi Kawajiri


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