<ライブレポート>堀込泰行が初の無観客配信で感じた「ライブならではの愉しさ」

2020年7月18日 / 12:00

 2020年7月17日に、堀込泰行が自身初の無観客配信ライブ【堀込泰行 ONLINE SHOW ~LIVE LOVERS~ from Billboard Live supported by CASIO】をビルボードライブ東京にて開催した。

 今年5月にEP『GOOD VIBRATIONS 2』をリリースしつつも、コロナ禍によりバンドを従えてのライブは昨年の12月25日にLITTLE TEMPOのライブにゲスト出演して以来、実に7ヶ月ぶりという待望の公演。不朽の名曲「エイリアンズ」をはじめ、最新EPから初披露する曲目など、アンコールを含め実に14曲を約1時間半の中に詰め込んだ充実の内容となった。

 トラッドで爽やかな序盤から甘く艶のある中盤、ロックンロールの疾走感が加速する終盤…と、ドラマチックに盛り上がるパフォーマンスを支えたのは、キーボードに伊藤隆博、ギターに八橋義幸、ベースに沖山優司、ドラムスに小松シゲル(NONA REEVES)、コーラスに真城めぐみ(ヒックスヴィルetc)といった、実力とセンスを兼ね備えた強力なバックバンド陣。彼らの重厚な演奏と洗練されたアレンジによって、20年超という堀込泰行の長いキャリアの中で磨かれた楽曲群は、クリスタルの街から覗いた夏の光のように鮮やかにカメラに綴じ込められていった。

 配信終了後、第一声で「自粛生活にあまりストレスを感じていなかったつもりだったけど、(ライブをやってみて)本当に気持ち良かった!」と思わず口をついた堀込。「初の無観客生配信、今年初のバンドライブ」と、チャレンジが多い中でも新鮮さと自信を感じるライブとなった様子だ。ここでは終演後のインタビューを含めダイジェストで紹介するが、本公演の見逃し配信は7月20日の23:59まで楽しめるので、リアルタイムでなくてもライブを楽しんでもらいたい。

 オープニング映像後にまさかのギターチューニングから始まるという、ファンにはたまらないマイペースなシーンを経た序盤からもわかるように、心なしかいつもよりも和やかなムードで始まった本編。1曲目の「New Day」は、ビルボードライブ東京の幕開けにぴったりな、大人の爽やかさに溢れたナンバー。挨拶とMCに続いて「home sweet home」「Sunday in the park」「さよならテディベア」「サンシャインガール」と、最新EPからの曲を初のバンドアレンジで織り交ぜながら、ミドルテンポの楽曲をパフォーマンスした。

 引き続きリラックスしたMCの後には、ライブではお馴染みの「Chewing Gum On The Street」。その次の「EYE」では、通常アンコールで開くことの多いビルボードライブ東京の緞帳が静かに開き、「EYE」の「もう窓の外は/夜になっていた」という歌詞になぞらえるように都会の街が一面に広がる美しいシーンが。続けて演奏された「エイリアンズ(Lovers Version) 」と合わせ、今回のライブの中でも、ぜひ映像で観てもらいたい印象的な場面だ。

 バンドメンバーの紹介やメンバーを交えてのMCを終えると、昨年のアルバムツアーで総立ちとなった観客との交歓を思い出すようなロックンロール・ナンバーが続き、ライブもクライマックスに。ガラリと堀込の得意なペースに持ち込む「泥棒役者」、タイトな小松シゲルのドラムや真城めぐみとのコーラスの掛け合いに静かに高揚していく「HIGH&LOW」、『馬の骨』名義の名曲「最低速度を守れ!」「枯れない泉」とエンディングを駆け抜けた。

 配信のコメント欄でもアンコールの声がやまない中、楽器を持ち直して始まったのは「WHAT A BEAUTIFUL NIGHT」。ピンク色のネオンがやわらかに降り注ぎ、先程までの高揚感をソフトランディングさせてくれるかのようなアンコール1曲目。そして全編の最後として演奏されたのは、バラードの新曲「強く優しく」。スペイシーな伊藤隆博の演奏で、しっとりと1時間半のライブはあっという間に終着した。

 終演後振り返って、「全体的にリラックスしつつも、カメラの向こうでライブを楽しんでくれている人の存在も頭に浮かんで、思っていたよりすごく楽しかった」と語る堀込。「終盤ふと、自分の気持ちが開放されたような感じがして、『この感じは数ヶ月味わってなかったな』と思って。実は、自分の公演の前にNONA REEVESのビルボードライブ配信を観客として観ていて、楽しそうなノーナのみんなを観て、遠隔でも『同じ場所にいるような感じ』を共有していると思えたんです。そう思ったら、お客さんのことを考えつつも、こっち側でも楽しんじゃえ!っていう気持ちが芽生えて…。だから、やっぱりライブである限り、お客さんにはこちら側の気持ちが伝わるんじゃないかなと思いました」と、ライブの“生っぽさ”を、自身も大いに楽しんだ様子だった。

 「個人的なハイライトは、本編最後の2曲です。あそこでやっぱり、『バンドって楽しい』っていう気持ちを改めて感じて。みんなで一つの音楽を楽しみつつ、今しかない掛け合いができたり、音楽が持っている本来の楽しさを味わえました。それはやっぱり、ライブの良さなのかな。本当はいつもこれくらいリラックスして演奏したいと思うと同時に、一発しかない、ちゃんと真剣勝負な緊張感も両方あって。そういう配信ならではのところを、楽しんでもらえていたらいいなと思います」。時は2020年。堀込泰行初の試みは、彼が練ってきたライブへの向き合い方とバンド編成の、一つの良い結実を表すようなパフォーマンスで彩られた華やかな一幕となった。

Text by 立石郁
Photos by shiori nakamura

◎配信ライブ情報
【堀込泰行 ONLINE SHOW ~LIVE LOVERS~
from Billboard Live supported by CASIO】
日時:2020年7月17日(金)19:30~
配信会場:ビルボードライブ東京
※視聴可能期間:2020年7月20日(月)23:59まで

<TICKET>
通常:¥2,800
サポート1000:¥3,800 / サポート2000:¥4,800
チケット購入URL:https://eplus.jp/yasuyukihorigome-s/
※販売期間:7月20日(月)21:00まで

<Member>
Vo,Gt:堀込泰行
Key:伊藤隆博
Gt:八橋義幸
Ba:沖山優司
Dr:小松シゲル
Cho:真城めぐみ


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