結成40周年のYMO、小西康陽&ホリエアツシ&水原希子らコメント

2020年6月9日 / 12:00

 4月にリリースされたYellow Magic Orchestraのオリジナルアルバム『TECHNODON』、ライブ映像作品『TECHNODON IN TOKYO DOME』『TECHNODON REMIXES I&II』に新たな著名人コメントが寄せられた。

 今回公開されたコメントは小川真司、國崎晋(リットーミュージック)、小西康陽、ホリエアツシ(ストレイテナー)、水原希子。

◎小川真司 コメント
80年代に高校、大学生だった僕にとって、音楽とファッションとヴィジュアルをトータルなコンセプトを全面的に打ち出したYMOは勢いのあった当時の日本のカルチャーシーンを象徴した新しいヒーローだった。
やがていけいけの昭和が終わり、『TECHNODON』が平成5年にリリースされた当時、YMO復活の期待もデカすぎて、ん? ちょっと地味? って思ってたのですが、今あらためて聴くと、なんて21世紀的なんでしょう! 
音楽的な予言の書だったんですね。やはり僕にとってはSUPERMAN、YMOは!

◎國崎晋 コメント
1970年代末から1980年代初頭にかけて絶大な影響力を誇ったYMO。
その範囲は音楽の枠を越えて~と語られることが多いが、こと音楽制作手法において常に最先端だったことはあらためて強調しておきたい。
その魅力に取りつかれた私は、1990年にサウンド&レコーディング・マガジンという“音楽制作に特化した雑誌”の編集部に入るとすぐに、メンバーそれぞれにインタビューを行った。
そして“残念ながら再結成は二度とないだろうな”と漠然と感じていた。散開後もみな素晴らしい作品を作り続けており、再びYMOをやりたいという気持ちというか必然性が全く伝わってこなかったからである。
ところが1992年の末、突然、再生の噂が伝わって来た……青山のビクタースタジオで大量のアナログ・シンセサイザーとともにレコーディング中であると。
早速取材を試みるもシャットアウト。関係者から漏れ聴こえる様子に気をもみつつ、散開からちょうど10年となる翌1993年に『TECHNODON』の音が届いた。
久々に集った3人が以前と同じような興奮を与えてくれるのか? 不安に満ちながら試聴用カセットテープを再生すると、
流れてきたのはウィリアム・バロウズの声とJupiter-8による不穏なアルペジオ。続いてはTB-303とアフリカン・リズムの奇妙な融合、さらにはウィリアム・ギブスンの朗読やイルカの声……。世界的な潮流となっていたテクノやハウスのテイストを取り入れつつ、聴いたことのない音のタペストリーが展開されており、正直、震えた。
散開中の10年でそれぞれが培ってきたものが融合し、優秀なスタッフも加わったチーム作業で磨き上げられたそれは、紛れもなくバンドにしか成し得ないサウンドであったのだ。
私が今でも一番ひんぱんに聴くYMOのアルバムはこの『TECHNODON』である。
リリース当時に取材を行えたという思い入れの強さがあるのは否定はできないが、今回のリマスターで一層の磨きがかかったサウンドを聴くにつけ、個人的な思い入れ以上の、本当に素晴らしいアルバムであることをあらためて確信した次第である。

◎小西康陽 コメント
『TECHNODON』じつははじめて聴きました。
意外と、意外なほど、好印象のアルバムでした。発表当時に聴いていたら、どうだったのかな。
YMOは大学生のときに発売された『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』を聴いて熱狂して、中野サンプラザでのコンサートに行ったらソールドアウトで、もうキャラメルママのころの細野さんじゃないんだな、と理解して、大学の友人からファースト・アルバムを借りて、また熱狂して、というような出会いでしたが、
『BGM』と『テクノデリック』はよくわからなくて、『浮気なぼくら』でまた好きになって、というところでした。だから『TECHNODON』もよくわからなかったら困っちゃうな、と思っておりました。
第一印象を正直に書くと、テイ・トウワさんや砂原良徳さんの音楽をちょっと連想しました。それって本末転倒? かもしれませんね。
そしてこの作品はアナログLPで初体験したかった。というのは、アルバム前半は三人の音楽家がみごとに一体となっていて、ああ、こういう音楽なのか、という揺るぎない感じ。ところが後半は「はっぴいえんど」でいうならサード・アルバムのような、三人のオムニバス盤のような楽しいバラバラ感を堪能できる、つまり『原子心母』や『おせっかい』みたいな感じ。まだ聴き方が足りないですか? もうすこし聴き込んでみたいと思います。

◎ホリエアツシ(ストレイテナー) コメント
後の1990年代後期にブレイクビーツやアシッドハウスから影響を受けた世代としては、’90年代初期当時、世界のテクノシーンの先端を追求したであろうサウンドメイクと、YMOならではの遊び心のセンスに興奮を覚えずにはいられない。
今やスマートフォン1台で音楽が作られる、サンプリング主流の時代になって思えば、レコーディング技術がアナログからデジタルに移行し進歩していく過渡期にあって、YMOというグループの存在がいかに可能性を広げ、人力で音楽の革新に挑んできたかを強く思い知る作品だと思う。

◎水原希子 コメント
YMO『TECHNODON』リマスタリング再発売おめでとうございます。
私のテクノドンの衝撃と言えば、あの幻のベッドからの記者会見だったんですが、YMOのどの時代のアルバムも全てカラーが違っていて、いつも色んな事を実験的に取り入れながら音楽を作っていく取り組みが変化していくことの楽しさだったり、受け入れる。という事を表現しているような気がします。
このアルバムにはリミックス版もあるそうなので、とても楽しみです。


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