追悼・生涯コメディアン、志村けんを偲ぶ5曲

2020年4月6日 / 18:00

追悼・生涯コメディアン、志村けんを偲ぶ5曲 (okmusic UP's)

2020年3月29日、志村けんが逝ってしまった…。「日本の宝を奪ったコロナが憎い」と加藤 茶はコメントし、『天才!志村どうぶつ園』の追悼企画冒頭で嵐・相葉雅紀は声を震わせながら「イヤです…」と言った。長年愛されてきた人なので、世代ごとに記憶に占める代表作は違うのだろうけど、土曜の夜8時にテレビの前で腹を抱えてた世代には、人生のほとんどに彼のコントが当たり前に染み付いています。人を笑わすことに一生を捧げた志村けんが、最後は身をもって皆の笑顔を守ろうとしてくれたんじゃないか…そんなことを思ってしまうのです。世界中に平和が訪れて、いつかそっちで全員集合する日まで、長さんとネタづくりよろしくね。たくさん笑わせてくれてありがとう!
「Do Me」(’79) /Teddy Pendergrass

音楽好きだった志村けんがお笑いを目指そうと思った時、その両方を兼ね備えていたことが、弟子入りのきっかけとなったザ・ドリフターズ。そう、何気に忘れられているけれど、もともとはバンド活動をメインにしていたグループなのです。1980年に一世を風靡した加藤 茶とのヒゲダンスで流れていた「ヒゲのテーマ」、実はソウルミュージックが好きだった志村の提案で、その前年に発売されたTeddy Pendergrassのアルバム『Teddy』収録の「Do Me」より、イントロ部分を引用されたもの。当時日本では決してヒットした曲というわけでもないことから、音楽好きならではのチョイスとアイデアを感じます。日本国民にとってはヒゲのテーマにしか聴こえないけど、インストじゃないところがちょっと違和感(笑)。
「銀座あたりでギン!ギン!ギン!」 (’01)/けん♀♂けん

志村けんと息の合うコントを披露したゲストもたくさんいました。沢田研二、柄本 明、田代まさし、いしのようこ、優香etc..そんな中で際立っていたのが研ナオコとのコンビじゃないでしょうか。そのふたりが「けん♀♂けん」名義で2001年にリリースしたのが、デュエット曲「銀座あたりでギン!ギン!ギン!」。志村が新入社員、研が女性幹部というコント仕立ての設定で歌うこの曲、タイトルからしてすでに笑わせにかかっていますが、作詞・作曲・プロデュースを手がけたのは、モーニング娘。全盛期の頃のつんく♂。MV(?)では、見事コントと歌を合体させた、何ならこれが志村けんの一番やりたかったことを表現できてるんじゃないか?と思わされる、そんな一曲。
「Paradise Has No Border」(’16) /東京スカパラダイスオーケストラ &KEN from EVM

2016年、キリン缶チューハイ「氷結」のCMで、東京スカパラダイスオーケストラとサックスでコラボするさかなクンの、いつもとはまったく違う姿が話題になりました。“あたらしくいこう。”というキャンペーンに伴い、それまでのイメージとは異なる魅力を見せるというもの。そこで次に登場したのが、志村けんの津軽三味線でした。ギターは所詮叶わない、哀愁に惹かれて始めたという三味線を、謎の奏者「KEN from EVM」(EVM=Eat Village Mountain=東村山市)として披露。紋付袴姿で真剣な表情で弦を弾く姿に、なかなか見せることのない素の志村を垣間見れた気がして、ちょっと嬉しかったことを覚えています。本人も秘かな趣味をお披露目できたことや、普段交わる機会がないスカパラとのコラボを喜んでいたとのこと。それでもシブいだけでは照れくさいのか?(笑) そんな“らしい”CM、ぜひご覧あれ。
「Something」(’69)/The Beatles

学生時代に所ジョージの親戚とバンドを組んでいたという志村けんが、大好きでコピーしていたのがビートルズ。あの飛行機から降りてくる映像で有名な、日本中がフィーバーしたという1966年の来日公演も、チケットを持っていた同級生を口説き落として譲ってもらい、参戦したんだとか。ちなみに、ザ・ドリフターズが前座を務めたことは有名ですが、3デイズ公演のうちのまさかの別日というニアミス(笑)。そんな志村が2013年のポール・マッカートニーの東京ドーム公演を観に行き、一番感動したというのが「Something」。ジョージ・ハリスンを偲んで演奏されたこの曲のウクレレを聴いて涙したそう。MVは、なんと各メンバーが実際のパートナーと過ごす様子が映されたもの、という日本ではまず有り得ないシチュエーションにびっくりするけれど、そんなことよりもビートルズの話をする時の志村が志村少年のままで、やっぱり偉大なるバンドだな…と思うと同時に、音楽って人を豊かにしてくれるものだよなと改めて実感。今頃ジョージやジョンに逢えたかな~。
「ドリフのビバノン音頭」(’73) /ザ・ドリフターズ

最後はこの曲で送ろうかなと、「ドリフのビバノン音頭」。こんなタイトルが付いてるとは知らなかったけど、♪ババンバ・バン・バン・バン・ア~ビバノンノンって、アレです。ザ・ドリフターズの代表曲である「いい湯だな」の替え歌で、『8時だョ!全員集合』のエンディングで毎回歌われていたこの曲、加藤茶の「宿題やれよ!」「歯みがけよ!」といった台詞が合いの手のように入るとこが、子供にはまた楽しみなところでした。2001年に最初で最後の紅白出場を果たした際にも歌われていますが、未だに“ビバノンノン”って何??ってわけ分からず(笑)。でも、1985年に番組が終わることになった時の無念さったらなかったなぁ…最終回のフィナーレでは、「お風呂入れよ!」の後に続いたのはいつもの「また来週!」ではなく、「長い間ありがとう!」「元気で!」でした。志村けんさん、長い間ありがとう!また天国で!
TEXT:K子。

神奈川・湘南育ち。DIE IN CRIESで“音楽=音を楽しむ”ことを知り、好きな音楽の仕事がしたい!とOLをやめてオリコン株式会社に9年所属。どっぷりの反動で旅行業界に転職後、副業で旅・エンタメ関連のWEBで執筆するも、音楽への愛が止められず出戻り人に。愛情込めまくりのレビューやライヴレポを得意とし、ライヴシチュエーション(ライヴハウス、ホール、アリーナクラス、野外、フェス、海外)による魅え方の違いにやけに興味を示す、体感型邦楽ロック好き。


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