【米ビルボード・アルバム・チャート】リル・ウージー・ヴァート首位キープ、ナイル・ホーラン4位初登場

2020年3月23日 / 11:30

 リル・ウージー・ヴァートの『エターナル・アテイク』が2週連続の首位獲得を果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 先週、288,000ユニットを記録して初登場1位に輝いた『エターナル・アテイク』は、2週目も247,000ユニットと高水準を維持し、2位以下と大きく差をつけて首位をキープした。今週も20万を超えるユニット数を記録したのは、14曲が追加されたデラックス・エディションが、3月13日にリリースされたため。とはいえ、デラックス盤の効果がなくとも1位だったことが予想される。2位にランクインしているリル・ベイビーの『マイ・ターン』が今週獲得したユニット数は77,000で、それを下回っていた可能性は低い。

 2020年度のチャートで初登場から2週連続で1位を獲得したのは、ハリー・スタイルズの『ファイン・ライン』(2019年12月28日~2020年1月4日)以来約3か月ぶり、2作目の快挙。ロディ・リッチの『プリーズ・エクスキューズ・ミー・フォー・ビーイング・アンチソーシャル』(今週6位)が通算3週の1位をマークしたが、初登場からではなく、また非連続での記録だった。

 バッド・バニーの『YHLQMDLG』は2位から3位にダウンしたが、リル・ベイビーと僅差の69,000ユニットを記録している。続いて4位にデビューしたのは、ナイル・ホーランの2ndアルバム『ハートブレイク・ウェザー』。初動ユニット数は59,000で、そのうち42,000がアルバムの売上枚数だった。上位3組のアルバムは、ユニット数のほとんどがストリーミングによるもので、今週のトップ・セールスは本作『ハートブレイク・ウェザー』となる。セールス・チャートでは、デビュー作『フリッカー』(2017年)に続く2作連続の首位を獲得。総合でもソロ2作目のTOP5入りを果たした。なお、前作『フリッカー』の初動ユニット数は152,000で、そのうち128,000がアルバムのセールスと、いずれも数字は大幅に減少している。

 先週2位にデビューしたジェネイ・アイコの『Chilombo』は5位にダウン(56,000ユニット)。先述のロディ・リッチを挟み、7位に初登場したのは米テキサス州出身のラッパー、ドン・トリバーのデビュー・アルバム『ヘブン・オア・ヘル』。初動ユニットは44,000で、そのうちアルバムのセールスはわずか3,0000枚。ストリーミングによるユニット数がウェートを占めた。

 ドン・トリバーは、トラヴィス・スコット率いる<Cactus Jack>所属のアーティストで、レーベルによるコンピレーション・アルバム『ジャックボーイズ』が今年1月11日付チャートでNo.1デビューしているが、ソロとしてのランクインは本作が初となる。ジャックボーイズでの活動と、先行シングル「Idea」(R&B/ヒップホップ・チャート16位)のヒットが、本作のプロモーション効果を果たしている。その<Cactus Jack>からリリースされたアルバムとしては、『ジャックボーイズ』、トラヴィス・スコットの『アストロワールド』(2018年 / 1位)、ミーゴスのクエイヴォとコラボした『ハンチョ・ジャック、ジャック・ハンチョ』(2017年 / 3位)に続く、4作目のTOP10入り。なお、トラヴィス・スコットのデビュー作『ロデオ』(2015年/ 3位)、2ndアルバム『バーズ・イン・ザ・トラップ・シング・マクナイト』(2016年/ 1位)もTOP10入りしているが、<Cactus Jack>からのリリースではない。

 先週の18位から10位に復帰したのは、『アナと雪の女王2』のサウンドトラック。今週急上昇したのは、3月14日から映画のデジタル配信・レンタルが急遽開始されたため。当初の予定より約3か月も早いリリースとなったのは、新型コロナウイルスの影響を受けての対応策。映画の公開やイベントが中止される中、アメリカのみならず世界中でレンタルサービスや動画視聴の需要が高まっているという。その効果を受けて、アルバムも前週から12%増の週間31,000ユニットを記録した。配信サービスでのリリースが早まる一方で、ライブの中止のみならず、アルバムのリリースを延期するアーティストも増えている。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、3月27日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『エターナル・アテイク』リル・ウージー・ヴァート
2位『マイ・ターン』リル・ベイビー
3位『YHLQMDLG』バッド・バニー
4位『ハートブレイク・ウェザー』ナイル・ホーラン
5位『Chilombo』ジェネイ・アイコ
6位『プリーズ・エクスキューズ・ミー・フォー・ビーイング・アンチソーシャル』ロディ・リッチ
7位『ヘブン・オア・ヘル』ドン・トリバー
8位『ハリウッズ・ブリーディング』ポスト・マローン
9位『チェンジズ』ジャスティン・ビーバー
10位『アナと雪の女王2』サウンドトラック


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