coldrain主催のフェス『BLARE FEST.2020』で胸に焼き付いた5曲

2020年2月3日 / 18:00

coldrain主催のフェス『BLARE FEST.2020』で胸に焼き付いた5曲 (okmusic UP's)

coldrain主催のフェス『BLARE FEST.2020』が2020年2月1日&2日、彼らの地元・ポートメッセなごやで開催された。もともと2010年にバンド自ら立ち上げたライヴイベント『BLARE DOWN BARRIERS』(ブレア・ダウン・バリアーズ=爆音で壁を壊す)から始まって今年ちょうど10年目、大きな節目を迎えた。名古屋を拠点にワールドワイドに活動を続けてきた彼らの軌跡、そして、仲間が駆けつけた本フェスには1日2万人×2日間=4万人の観客が集まり、凄まじい景色と感動を作り上げて終了。2日目を終えた直後にこの原稿を書いているが、初開催にして“伝説”の名に相応しいフェスとなった。ここでは本フェスで胸に深く刻まれた5曲を最速で紹介したい。
「Wasted Nights」(’19) /ONE OK ROCK

最終日のトリふたつ前に登場したのはONE OK ROCK。SiMのMAH(Vo)をして「俺ら世代最高のバンド」と言わしめる実力をこの場でも存分に発揮。この曲は最後に披露してくれ、圧倒的なスケール感を誇る曲調で観るものを包み込んだ。力業や熱量で押し切るアプローチではない。やさしさに満ちあふれ、どこまでも広がる大陸的なメロディーラインは聴き手の心奥深くにそっと手を差し伸べ、背中をグッと押してくれる力強い曲調だった。これはワンオクに限らずだが、今回の出演バンドたちの仲間を思うパワー=coldrain愛がとんでもなく高く、本フェスをドラマチックなものにしていた。その中でこの曲も大きな感動を巻き起こした。
「Voice」(’13) /Pay money To my Pain

ONE OK ROCKがライヴを終え、この日だけのスペシャルライヴと銘打たれ、最終日のトリ前に登場したのはPTPだ。なんと、ここで彼らの事実上ラスト作となってしまった4thアルバム『gene』収録曲を披露。この作品自体は2012年末に急逝したK(Vo)が最後に録音した楽曲に加え、ゲストヴォーカルをフィーチャーした楽曲を収めた変則的な内容であった。その中からONE OK ROCKのTaka(Vo)を迎えたこの曲は涙なくして聴けなかった。バラード風の曲調だけれど、TakaとPTPのケミストリーは何より生きるパワーに満ち溢れ、過去に光りを当てながらも、現在…いや、未来を照らすようなエネルギーを観る者に与えてくれた。
「Final Destination」(’09) /coldrain

感動の嵐を吹かせたPTPの演奏が終わり、最終日の大トリを担ったのがcoldrainである。しかし、ここで開演時刻18時35分を回っても、まったくバンドが出てくる気配はない。何でも機材トラブルがあったようで、19時を過ぎても解決せず、ここでも仲間の出演バンドがマイクを取って空き時間をつなぎ、coldrainは約1時間遅れでにステージに登場。持ち時間にも限りがあるため、セットリストの変更を余儀なくされたものの、ラウドロックの牙を突き付ける怒濤の攻撃力を発揮。ラストを締め括ったこの曲の危機迫るヘヴィネスは、間違いなく本フェスのハイライトだった。心の底から震えた。
「シアワセ」(’09) /SUPER BEAVER

この曲はメジャー時代の楽曲があり、彼らの6thアルバム『歓声前夜』(2018年)にも再録されている。本フェスの1日目にSUPER BEAVERは登場し、coldrainのメンバーが好きな曲だと言ってくれたと渋谷龍太(Vo)はエピソードを挟んだ後、「愛すべきcoldrainに捧げる!」と言って最後にプレイした。手紙を読み上げるように、一語一句を丁寧に歌い上げ…聴いているだけで胸がいっぱいになるほど感極まってしまった。SUPER BEAVERはいつも1対1、「あなたたち」ではなく、「あなた」に歌っているんだ!と言っているが、この場所で響いたこの曲は格別であった。
「BURN IT」(’19) /FEVER 333

本フェスにも登場したキュウソネコカミもライヴの登場SEでこの曲を使用している。ジェイソン(Vo)、ステファン(G)、アリック(Dr)のベースレス編成の米発のトリオバンドで、初来日となった『FUJIROCK FESTIVAL 2018』でやりたい放題に暴れまくるライヴが大きな話題を呼び、2019年に初の単独公演を実施し、本フェスに出演前にも2度目の単独公演を行ない、そこでも凄まじいパフォーマンスを披露。coldrainのメンバーも大好きなバンドであり、本フェスの1日目に名を連ね、ずば抜けた身体能力の高さを魅せ付けた。特にステファンは天井近くの鉄格子に登り詰め、そこでギターをブンブン振り回して、観ているこちらがハラハラドキドキするパフォーマンスを展開! 初の名古屋ライヴで大きな爪痕を残し、観る者の度肝を抜いた。
TEXT:荒金良介

荒金良介 プロフィール:99年からフリーの音楽ライターとして執筆開始。愛読していた漫画『ジョジョの奇妙な冒険』(登場人物に洋楽アーティスト名が使用されていたため)をきっかけに、いきなりレッド・ツェッペリンの音源を全作品揃える。それからハード・ロック/ヘヴィ・メタルにどっぷり浸かり、その後は洋邦問わずラウド、ミクスチャー、パンクなど、激しめの音楽を中心に仕事をしてます。趣味は偏ってますが(笑)、わりと何でも聴きます。


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