2019年、お薦め女性ヴォーカル5曲

2019年12月23日 / 18:00

ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲! (okmusic UP's)

令和元年がもうすぐ終わります。今年もまたベスト・アルバムを選ぶ時期でもあり、1年を振り返ることが多いのですが、ここでは「女性ヴォーカル」括りで印象に残った楽曲を挙げていきたいと思います。そのきっかけになったは4人組ガールズ・ロックバンド、東京初期衝動との出会いが個人的に大きく、2019年最大の衝撃と言っても過言ではありません。世間的な知名度はまだ低いかもしれませんが、現場(ライヴハウス)の熱狂度は半端じゃなく、2020年は間違いなく大飛躍するバンドのひとつになると思います。なので、これからの要注目アーティストというニュアンスもこの選出には込められています。ぜひ、チェックして下さい!
「BABY DON’T CRY」(’19) /東京初期衝動

11月に1stアルバム『SWEET 17 MONSTERS』を発表したばかりのガールズロック4人組。椎名ちゃん(Vo&Gu)は銀杏BOYZの峯田和伸から多大な影響を受けているものの、それ以上にオリジナリティーが抜きん出た素晴らしい楽曲が揃っている。今作のレコ発ファイナルにあたる下北沢シェルター(12月18日)は当日券も出ない完売状態で、とんでもない盛り上がりを記録。1曲目から椎名ちゃんはダイブを決め、観客から野次が飛んでくれば、チェッ!と舌打ちしたりと、行動も演奏もその辺のパンクバンドなんて裸足で逃げ出すかっこ良さ! 演奏も18年結成とは思えぬ上手さで(特にリズム隊)、椎名ちゃんはセクシーな歌い回しからドスの効いたスクリームまで表現力豊かな声色で聴かせる。MCはほぼなく、一曲一曲叩き付けるようなライヴだったが、終演後に椎名ちゃんは観客ひとりひとりと握手するために出口で待っていたのだ。そのツンデレっぷりにもやられました。
「空から落ちる星のように」(’19) /佐藤千亜妃

活動休止中のきのこ帝国のフロントマン、佐藤千亜妃の1stアルバム『PLANET』。今作は彼女の歌声の魅力を存分に味わえる一枚で、鍵盤、打ち込み、ストリングスなど楽曲ごとにアプローチを切り替え、今やりたいことを全部詰め込んだようなバラエティーに富む作風に仕上がっている。特にこの曲は彼女のルーツにある歌謡曲テイストを感じさせる、柔らかなメロディーラインが印象的な珠玉のバラード。サビの広がり具合を含め、王道のアレンジに挑戦しており、彼女の魅力が遺憾なく発揮されてます。冬に聴いてもマッチすると思いますが、オールシーズン通用する普遍的な良さを楽曲から感じます。
「All I Want for Christmas Is You」(’19)/Dizzy Sunfist

あやぺた(Vo&Gu)の妊娠により、現在ライヴ活動を休止しているメロディックパンク3人組、Dizzy Sunfist。バンドからファンに向けて、クリスマスプレゼント的な意味をカバーを配信限定でリリースした。誰もが知るマライア・キャリーの名曲を取り上げており、オリジナルに忠実にあまりヒネらずに挑んでいるが、Dizzy色を濃厚に感じさせるパンクサウンドに見事昇華している。今の季節にぴったりとも言えるし、ライヴに行きたくてウズウズしている人にとってもサプライズカバーと言えるだろう。しかもつい最近、94年発表の原曲が25年の月日を経て、今年全米シングルチャート初の1位を獲得した。Dizzy、持ってます。
「babooo(album ver)」 (’19)/奮酉

高田 蒔(Vo&Gu)、河西愛紗(Vo&Dr)による2ピースツインヴォーカルバンド、奮酉(ふるとり)。ユニークなバンド編成の通り、出てくるサウンドも彼女たちならではの独創的な楽曲ばかり。基本シンプルな演奏で隙間を活かしたアプローチを取っており、聴き手の想像力や妄想力を掻き立てる曲調は2度3度と聴くうちに中毒症状を誘います。今年はアメリカのオースティンで開催された大型フェス『SXSW(サウスバイサウスウェスト)』に出演して話題を呼びました。この曲は今年8月に出た2ndEP『エモーション-モーション』からの楽曲で、打ち込み風のリズムで始まり、ツインヴォーカルの掛け合いや遊び心にあふれたアレンジも耳を引き、童心に返ってしまう歌詞のセンスも抜群です。
「Our State of Mind」 (’19)/FAITH

長野県伊那市発、平均年齢20歳の5人組が来年メジャーデビュー決定! 日米のハーフが3人というバンド編成で、とりわけアカリ・ドリチュラー(Vo)の透き通る美声は絶品。今年9月に出たデジタルリミテッド・シングル曲はFAITHらしいパンキッシュさとスケール感のある演奏が溶け合い、高揚感あふれる歌とメロディーも実にキャッチーな一曲。楽曲は全て英語詞を貫いているものの、彼女の歌声は言語を飛び越えたポピュリティーを放っているので、より多くの人に聴いてほしいバンドです。
TEXT:荒金良介

荒金良介 プロフィール:99年からフリーの音楽ライターとして執筆開始。愛読していた漫画『ジョジョの奇妙な冒険』(登場人物に洋楽アーティスト名が使用されていたため)をきっかけに、いきなりレッド・ツェッペリンの音源を全作品揃える。それからハード・ロック/ヘヴィ・メタルにどっぷり浸かり、その後は洋邦問わずラウド、ミクスチャー、パンクなど、激しめの音楽を中心に仕事をしてます。趣味は偏ってますが(笑)、わりと何でも聴きます。


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