高橋ユキヒロ、林 立夫とのトークショーを開催。『Saravah!』にまつわる秘話を語る

2019年9月30日 / 18:00

9月29日@東京・銀座プレイス common ginza (okmusic UP's)

高橋幸宏と林 立夫のふたりが、9月29日(日)に東京・銀座プレイス common ginzaで行なわれたトークイベントに登壇。BEAMS RECORDSの青野賢一の進行のもと、約60分にわたり集まった120人のオーディエンスを沸かせた。

このイベントは8月21日(水)にリリースされた映像作品『YUKIHIRO TAKAHASHI LIVE2018 SARAVAH SARAVAH!』の購入者の中から抽選で選ばれたファンが招待され開催されたもの。同作品には2018年年11月24日(土)に東京・国際フォーラムホールCで行なわれたライブが収録されているが、これは高橋幸宏が高橋ユキヒロ名義で1978年6月21日に発表したソロデビュー作『Saravah!』のボーカルパートのみを再録音し、2018年10月24日に発表したアルバム『Saravah Saravah!』を、収録曲順通りに演奏した一夜限りの再現コンサートだ。

ゲストで登壇したのは1978年のオリジナル盤に参加し、昨年のライブにもドラマーとして参加した林 立夫。ふたりの出会いは高橋の高校生の頃にまで遡る。細野晴臣を介して出会ったふたりは、好きなドラマーとして互いに双方の名前を上げるほどリスペクトし合う仲で、付き合いも半世紀近くに及ぶという。

林は高橋への最初の印象を“遠くから見るとちょっとイヤな奴風で、声をかけづらい雰囲気だった”と語る。一方、高橋は林について“叩き方がスタイリッシュ! ずっと、いいなぁと思って見ていた”と話し、林は高橋を“センスが良くて個性的な数少ないドラマー”と讃えた。その後ふたりは音楽以外のプライベートでも共通の話題で意気投合し、現在まで交遊が続く無二の友となる。

また、当時高橋の中にあった欧州的な指向を具現化したという彼のソロデビュー作『Saravah!(1978)』についても言及。林はこのアルバムにパーカッションで参加しているが、彼はどちらかというとアメリカ音楽に近いスタンスにいたため、高橋はフランシス・レイの武道館公演やフランス映画に連れていき、彼とヨーロッパのイメージを共有して制作を行なったと話した。

さらに、林が1978年10月にYMOのステージに参加した時のエピソードも。彼は当時について“コンピュータに合わせて叩くというのは馴染みがなく、ちょっとやりづらかった”そうだ。なおもっとも印象に残ってるのが衣装で、YMOでの演奏がタキシード着用と聞き、タキシードを持ってなかった林はそれに近い秋冬もののジャケットを着てドラムを叩くことに。“この共演で覚えているのは、ジャケットを着てて暑かったぐらい!”と話し、会場から笑いを誘った。

話題は2018年11月に行なわれた『Saravah!』完全再現ライブへ。林はドラマーとして参加したが、当時、高橋が叩いたドラムのフレーズをそのままプレイ。林にとっては、リスペクトの気持ちを持って完全再現し演奏したが、“変なフレーズ叩くなぁこの人は! 完コピするなんて言わなきゃ良かった”と後悔したとこぼし、会場を和ませる。また楽曲「C’EST SI BON / セ・シ・ボン」はシャンソンなのにリズムはレゲエとなっていることについて、高橋は“これをやるのは、僕にとっては未知の領域。40年前は凄いことやってたんだなぁ”と感慨深けだった。

また、「LA ROSA / ラ・ローザ」は、とにかく演奏が難しかったそう。それゆえ、演奏している方も気合が入り、“特に後半のメンバー全員のグルーヴ感が凄かった!”と高橋は思い返す。加えて坂本龍一作曲による「ELASTIC DUMMY/エラスティック・ダミー」では録音時、坂本が間奏で超絶的なキーボードを弾き、せっかくの名演なので本番にも残そうと、この部分はHDで出すことに。そしてこのパートがあるため、ライブでメンバーはHDに合わせて生演奏することとなった。ステージにこそいないが、1978年の坂本龍一と時空を超えた共演を果たしたのだという。

演奏者にとっても苦難の連続であった『Saravah!』完全再現ライブ。高橋は“40年前に背伸びして、様々な事に挑んだアルバムでしたが、あのコンサートでようやく完結できたかなと思います”と感無量気味に振り返ってトークを締めた。

完全再現ライブは2018年11月に東京、2019年5月に福岡の野外フェス『CIRCLE 19』で開催。林は“(完コピに)ようやく慣れました(笑)。次回はもう譜面なしでやれると思います。叶うなら、もう1回はやりたいですね!”と話し、ファンに期待を持たせた。

最後に観客から“80歳になったらどうしてますか?”という質問が。高橋は“僕は今67歳ですが、かつて細野さんは65歳ぐらいまでは頑張れると言ってました。その細野さんは72歳でムチャクチャ元気(笑)。きっと僕も物理的に無理というところまではやってると思います”と生涯現役宣言で応えた。


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