Mr.FanTastiC「俺らは凄い面倒くさいライブするから」MR.BIGを愛するバンドに若者熱狂の異常事態!? プンプン匂い立つような青春も全肯定

2019年8月7日 / 17:35

 メガテラ・ゼロ(vo)中心に2018年6月結成。それから僅か1年でメジャーデビューを果たしたMr.FanTastiC(ミスターファンタスティック)。メジャーデビューシングル『絶走』とメジャーデビューアルバム『START DASH TURBO』を携え、7月26日 東京・代官山UNITにてレコ発ワンマンライブ【Mr.FanTastiC レコ発 東京編 ~フルスロットル~】を開催した。

<MR.BIGをこよなく愛するバンドに若者が熱狂する異常事態!?>

 令和のバンドシーンを担っていくニュージェネレーションでありながら、かの技巧派ハードロックバンド・MR.BIGをこよなく愛するメンバーたちによって構成(※詳しくは、事前に敢行したインタビューをご覧ください→ https://bit.ly/2Kv9m4d)。たしかにソレを意識して聴くと、メガテラ・ゼロの野太くもよく伸びる歌声はエリック・マーティンを彷彿させるし、つっくん(g)とナナホシ管弦楽団(g)によるギターソロの畳み掛けはポール・ギルバートとリッチー・コッツェンのバトルを夢想させるし、ふじゃん(dr)のパワフルかつ個性的なリズムパターンはパット・トーピーを想起させる。と例えたところで、この日の会場を埋め尽くした若きファンたちにとっては「なんのこっちゃ」かもしれないが、そんなイマドキのバンドと一線を画す彼らにイマドキのオーディエンスが熱狂しているのだ。実に楽しい異常事態ではないか。

<全部撮影OK! 想定外のOP「デリヘル呼んだら君が来た」>

 「俺らは凄い面倒くさいライブするから、俺らは熱中症になるかもしれないけど、皆さんはならないで!」「(今日の公演は)全部撮影してもいいですからね! 俺たちの勇姿を全部撮影してください! よろしく!」と冒頭から期待の高まる、常識に捕らわれないスタンスを提示していたメガテラ・ゼロだが、フロントマンとして会場を煽るだけ煽っておきながら「メインボーカルとしてナナホシ管弦楽団が歌う曲でスタートします!」と、ユニコーン再結成第一弾シングルのボーカルが奥田民生じゃなかった衝撃にも似た想定外の展開。しかもその楽曲のタイトルは「デリヘル呼んだら君が来た」。初見の人からしたらそれこそ「なんのこっちゃ」なオープニングかもしれないが、若い女の子たちも全力で「チェンジ! チェンジ! チェンジ! No、39(ノーサンキュー)!」と叫ばずにはいられないグルーヴと開放感を一瞬にして生み出していく。

<音楽がこんなにも面白いということを体現しているバンド>

 もうここまで書けば、Mr.FanTastiCを知らなかった人も彼らが「普通じゃない」ことはご理解頂けただろう。ただ、誤解を招かないようフォローすると、別に性格が極端に屈折していたり、センセーションに取り憑かれて狂人化していたり、マニアック路線をひたすら歩んでいくマイノリティの星のもとに生まれていたりする、そういった難しい連中では決してないのだ。MR.BIGが高い技術と天性の才能を持ち合わせながらも、耳の肥えた玄人が驚愕するアプローチを試みながらも、万人に愛されるロックバンドであったように、Mr.FanTastiCの同公演も会場中の笑顔を絶やさない圧倒的なポピュラリティを誇っていたし、あらゆる方向に振り切れたエンターテインメント性を爆発させ続けていた。めちゃくちゃ簡単に言うと、彼らは面白いことがしたいのである。音楽がこんなにも面白いということを体現している。

<プンプン匂い立つような青春を「大丈夫だ」と全肯定>

 そこに従事できるということは、子供のように無邪気に遊べるということは、音楽に対して純粋ということ。そのピュアネスは本編ラストで恥ずかしいぐらいストレートに表現された。明日の今頃もきっと 夢見てるだけのただのガキです―――そんな大人になれない、本当は熱く生きたい人たちの背中を躊躇うことなく全力で押してしまう「絶走」。それをメガテラ・ゼロは全身全霊で歌い叫んだ。Mr.FanTastiCは汗まみれになりながら体現した。みんなが恥ずかしくて隠してきた、プンプン匂い立つような青春を「大丈夫だ」と全肯定してみせた。それは音楽で世界は変えられると信じている者たちのソレだった。「これからもっと恥ずかしい曲を作りたいと思ってます!」とはメガテラ・ゼロの言葉だが、彼らのこの姿勢は今後もっと大きなうねりを生んでいくだろう。

<新曲初披露! 真夏にハロウィンソングでシンガロング>

 「カレーのおかわり遅かったらイヤだろうが!」とアンコールに速攻で再登場した彼らは、サプライズで新しいミュージックビデオ(https://bit.ly/2YPuAyA)を上映。ゾンビと化したメンバー4人がはしゃぎまわる映像に歓声が上がる。これは「ウィスキーハロウィン」なる10月16日にリリースされるニューシングルなのだが、最後はこのハロウィンソングを真夏にライブ初披露するという、これまた常識に捕らわれないアプローチでフロアをパーティー化。今聴いたばかりなのに客席からシンガロングも巻き起こるこれまた異常事態で【Mr.FanTastiC レコ発 東京編 ~フルスロットル~】は幕を閉じた。なお、今秋には全国ツアー【今宵も飲みましょ乾杯ツアー】の開催も決定しているので、Mr.FanTastiCの更なる快進撃にぜひ注目してほしい。

取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:fukumaru

◎ライブ【Mr.FanTastiC レコ発 東京編 ~フルスロットル~】
2019年07月26日(金)代官山UNIT セットリスト:
01.デリヘル呼んだら君が来た
02.Envy&Clap
03.Liar,Liar
04.MUSIC MAN
05.Nice to meet you
06.マジカルスモーキンボーイ
07.Mr.wonderland
08.ベストアンサー
09.チャイルドベイベー
10.fine
11.バースデーバースデー
12.絶走
EN1.ウィスキーハロウィン

◎ライブ情報
Mr.FanTastiC 全国ツアー【今宵も飲みましょ乾杯ツアー】
2019年10月18日(金)大阪・十三GABU
2019年11月10日(日)福岡・福岡DRUM SON
2019年11月21日(木)千葉・千葉LOOK
2019年11月22日(金)宮城・仙台LIVE HOUSE enn2
2019年11月26日(火)香川・高松DIME
2019年11月28日(木)愛知・今池3STAR
※各公演ゲスト後日発表
オフィシャル先行受付期間:
2019/7/26(金) 21:00~2019/8/2(金)23:59


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