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西海岸ロック・シーンのリーダー格であり、ジャクソン・ブラウン、ドン・ヘンリー、キャロル・キングなど、数々の大御所アーティストたちをサポートしてきたクーチことダニー・コーチマーが昨年6月以来の来日公演を開催している。
1970年代以降はギタリスト、ソングライター、そしてプロデューサーとして、ボブ・ディラン、ニール・ヤング、ビリー・ジョエル、ドン・ヘンリー、ジェイムス・テイラー、キャロル・キング、ジャクソン・ブラウンなどの作品に関わりながら、自ら率いる「ザ・セクション」として活動。昨年は5月にジェイムス・テイラーやジャクソン・ブラウンといったゲストたちも参加したアルバム『ハニー・ドント・リーヴ・LA』を発表。翌月にはアルバムのレコーディングメンバーでもある「Immediate Family」と共に来日公演を行い、話題となった。
今回の来日も、「Immediate Family」を率いての来日であり、ワディ・ワクテル(g)、スティーヴ・ポステル(g)、そして「ザ・セクション」のリズム隊でもあるラス・カンケル(ds)とリー・スカラー(b)がツアーに参加している。
約1年振りの拍手・歓声の中、ステージに登場するメンバー。「ドモ、アリガト」と軽く手を挙げ、笑顔で応えるクーチ。ワディ、スティーヴ、そしてクーチの3人が交互にボーカルを取りながら、『ハニー・ドント・リーヴ・LA』収録曲はもちろんのこと、クーチが関ったジャクソン・ブラウンやドン・ヘンリー、ジェイムス・テイラーに代表されるウェストコースト・ロックの名曲の数々が惜しみなく披露されていく。重なるリフのハーモニー、打ち鳴らされるリズムに、彼らが培ってきた年月の重み、偉大さを感じずにはいられない。熟達したキャリアを持つ彼らだからこそのパフォーマンスは、一音一音に有無を言わせぬ説得力を帯びており、時代、国境を越えて心を震わせる楽曲の数々がフロアを魅了していった。
アンコールに応え、スタンディング・オベーションが沸き起こる中、肩を組み一列に並ぶクーチたち。彼らの表情には、素晴らしいステージを終えた充足感と自信に満ち溢れていた。この後続く東京公演も素晴らしいステージになることは間違いない、そんな予感すら感じた大阪公演だった。
Text by 杉本ゆかり
Photo by Kenju Uyama
◎公演情報
【ダニー・コーチマー, ワディ・ワクテル, リーランド・スクラー, ラス・カンケル & スティーヴ・ポステル
“The Immediate Family”】
2019年5月13日(月)
ビルボードライブ大阪<終了>
2019年5月16日(木)・17(金)
ビルボードライブ東京
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