<ライブレポート>DEAN FUJIOKA、アジアツアー日本ファイナル公演で見せた自身の現在地

2019年4月4日 / 16:45

 DEAN FUJIOKAが、初のアジアツアー【DEAN FUJIOKA 1st Asia Tour 2019 “Born To Make History”】の国内最終公演を、3月30日に東京・NHKホールで開催した。

 2019年1月30日にニューアルバム『History In The Making』をリリースしたDEAN FUJIOKA。今回の公演は、2月16日の宮城公演からスタートしたアジアツアーの国内ファイナル公演である。

 ライブは「Permanent Vacation」から始まった。スモークの中から突如視界が晴れ、姿を現したDEAN FUJIOKA。中央のマイクスタンドを握りしめながら歌い上げ、会場の興奮を一気に高めた。

 冒頭3曲を披露した後、DEANは「みんな今日は来てくれてありがとう。」と挨拶。そして「後悔はさせない!」と宣言した。そして、挨拶の後にはメドレーを披露。「Midnight Messenger mabanua Remix」では会場全体で手拍子が起こり、ワルツ調の「April Fool」では、ペンライトを持ちながら体を横に揺らして曲に身をゆだねるオーディエンスも見受けられた。

 バンドメンバー紹介の後は、ニューアルバム『History In The Making』に収録されている楽曲を続けて披露した。DEANの伸びやかで透き通った歌声が突き抜け、「Accidental Poet」では、椅子に座りながらボーカルエフェクトの効いた声で歌う場面も見られた。

 暗転後に登場したDEANは、今回2つ目のメドレーを披露する。DEANが披露後に「平成最後のパンクメドレー」と称した通り、このメドレーでは、今までのライブの雰囲気とは全く違うDEANの一面を見せ、オーディエンスは第2幕の始まりを感じずにはいられない高揚感を抱いていた。

 そして続く「Sakura」では、DEANはオーディエンスに持っているペンライトの色をピンクにするよう促し、会場全体が桜色となった。「DoReMi」では、バンドメンバーとDEANがダンスをオーディエンスにレクチャーし、最終的に一緒に歌いながら踊った。オーディエンスがダンスを習得する速さに驚いたDEANは「さては、“こそ練”してきたな?」と笑みを浮かべた。この2曲で、ペンライトの色を同じにしたり、会場のみんなでダンスすることで会場の一体感をさらに高め、一気にラストスパートへ向かうことになる。

 「Let it snow!」で「Sakura」と打って変わって白色のペンライトが会場を染めたのち、DEANはオーディエンス一人ひとりの応援歌として「History Maker」を歌い上げる。右の拳を高らかに突き上げたDEANの姿は、「History Maker」がオーディエンスへの応援歌である一方で、彼のこれまでの道のりを思わずにはいられないものだった。続いてニューアルバムの表題曲である「History In The Making」へ。タイトルとしては「過程」を表すこの曲が、今まさにこの瞬間の一体感をありありと演出し、オーディエンスはそれに手を挙げて呼応した。そして暗転したのち登場したのは、ピアノの前に座るDEAN。そのままピアノを弾き語って披露し始めた本編ラストは「Echo」だった。その最後ではオーディエンス全員の合唱が起こり、それはステージが暗転し、DEANやバンドメンバーがステージからいなくなっても続いた。数分間の合唱は弱まることがなかった。

 歓声に迎えられ再びアンコールに登場したDEAN。まず「Legacy」を披露したのち、DEANが童謡のように誰でも歌える曲を作りたかったとして作曲した「Fukushima」へ。3.11以降、アルファベットのFukushimaにどうしても新たな意味が付け足されたと感じているDEANが、自身の故郷である福島の情景や情緒を伝えることで、Fukushimaに違う側面を足したかったという思いが込められた本楽曲。「みんな、歌ってよ」と、オーディエンスに促すDEAN。その歌声が優しくNHKホールを包み込んだ。そしてラストは「My Dimension」。DEANが初めて作ったといっても過言ではない楽曲で、公演のラストを締めくくった。

 今回の公演を見て改めて感じたのは、DEAN FUJIOKAの音楽に対する愛と、引き出しの多さだ。セットリストを見ても、ポストEDMを感じるものもあれば、ウェーブ、ポップス、トラップ、パンク、ワルツ、童謡など様々な要素を含んだ楽曲が並ぶ。そして歌詞も、日本語や英語、中国語を駆使して表現している。考えてみれば、DEANは高校卒業後、アメリカ・シアトルで学生生活を送り、卒業後はバックパッカーのようにアジアの様々な国を放浪。香港で芸能生活をスタートさせ、その後は台湾、そして日本と拠点を移しており、様々なバックグラウンドを持つ人物であることはご存知の方も多いだろう。そして、DEANはアーティストである一方で、俳優でもあり、映画監督を務めたこともある。かつてDEANはインタビューで自身のことを「球体」と表現していたが、様々な要素が合わさってDEAN FUJIOKAという人物ができていることを体感できる公演だった。まさに歴史である。

 そして今回の公演では、ラスト2曲が「Fukushima」「My Dimension」と、自身の故郷に関する曲と、自身が初めて作ったといってもいい曲という、いわば原点と表すことのできる2曲だったことも印象的だ。自身の歴史に対して正面から対峙する姿勢を忘れることなく、新たな歴史を作っていくDEANに、旅人の姿を見出した方もいるかもしれない。

 ツアーはこの後、海外へ進んでいく。DEANがお世話になった人たちへのお礼を伝える意味もある今回の海外公演は、4月12日に中国・上海、4月20日に芸能界デビューを果たした香港、そして4月27日には役者として大きな評価を得た台湾で行われる。日本以外のアジアにも、DEANと一緒にヒストリーを作ろうとしている人たちがいるのだ。

Photo:HIRO KIMURA
Text:Akihiro Ota

◎公演情報
【DEAN FUJIOKA 1st Asia Tour 2019 “Born To Make History”】
2019年3月30日(土)
東京・NHKホール
<セットリスト>
01.Permanent Vacation
02.Speechless
03.S.O.F.
04.Thirsty~Midnight Messenger mabanua Remix~Mr.Taxi~Sweet Talk~April Fool
05.Maybe Tomorrow
06.Unchained Melody
07.Accidental Poet
08.Hope
09.Newspaper~Banana Muffin Blues~Showdown~Priceless
10.Sakura
11.DoReMi
12.Let it snow!
13.History Maker
14.History In The Making
15.Echo
EN1.Legacy
EN2.Fukushima
EN3.My Dimension

◎ツアー情報
【DEAN FUJIOKA 1st Asia Tour 2019 “Born To Make History”】
2019年4月12日(金)上海・MODERN SKY LAB
2019年4月20日(土)香港・Music Zone @ E-Max
2019年4月27日(土)台湾・CLAPPER STUDIO


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