昭和~平成の歌謡曲&J-POPを豊かにした、洋楽の日本語カバー5選

2019年2月25日 / 18:00

ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲! (okmusic UP's)

4月1日に新元号が発表され、5月1日より新元号が施行。平成が終わりを告げ、いよいよ昭和が遠い昔に感じてしまう昨今ですが。最近、80年代ヒット曲について調べる機会があって、堀ちえみさん主演のドラマ『スチュワーデス物語』など、ドラマの主題歌を調べてたら、どれもが麻倉未稀による洋楽カバーであったことを改めて知り、YouTubeで端から視聴。さらに80年代~最近に至る、洋楽の日本語カバーについて調べたら、おもしろ楽曲含めて名曲が満載! ここでは海外の音楽を意図的と取り入れることで、より豊かになっていった歌謡曲&J-POPの歴史が見える5曲を紹介します。
「What a feeling ~フラッシュダンス」(’83) /麻倉未稀

そもそも、この題材で書こうと思ったのが、80年代ヒットソングについて調べてたこと、そして、堀ちえみさんの舌癌報道(再起祈願!)を受けて、『スチュワーデス物語』について調べてたことだったのですが。当時はまだ小学生だった僕。この曲や『スクール☆ウォーズ』の主題歌である「ヒーロー」、『乳姉妹』の主題歌「Runaway」と、どれもが麻倉未稀による洋楽カバーであったことを改めて知り、「ああ、僕らはドラマの主題歌やテレビから流れる歌謡曲を通じて、自然と洋楽のメロディーや雰囲気を刷り込まれていたんだな」と再確認。そして、まだ現在みたいに日本の音楽が成熟していなかった時代、こうして洋楽を日本語カバーすることで、ジャンルも多様化していって、歌謡曲やJ-POPと呼ばれる日本独自の音楽文化が生まれていったのだなと理解しました。ちなみに「Runaway」は80年代に一世風靡したアメリカのハードロックバンド、ボン・ジョヴィの「夜明けのランナウェイ」のカバー。「夜明けのランナウェイ」とか、この時代に付けられた洋楽の邦楽タイトルも調べると面白い。
「愛が止まらない ~ターン・イット・イントゥ・ラヴ~」(’88)/Wink

80年代後半、フジテレビ系ドラマドラマ『追いかけたいの!』の主題歌だった、この曲で大ヒット。フリフリの衣装で、無表情で歌い踊る不思議な魅力で人気を集めた2人組アイドル、Winkも洋楽カバーでヒット曲を連発。オーストラリアのシンガーソングライター、カイリー・ミノーグのカバーであるこの曲は、日本でもヒットしたため原曲を知る人も多いと思いますが。「涙をみせないで ~Boys Don’t Cry~」「Sexy Music」など、彼女らの代表曲と言えるほとんどが洋楽カバーだったことはあまり考えることもなく、彼女らのオリジナルとして刷り込まれている人も多いはずだし、彼女らのキャラにばっちりと合った選曲センスも最高です! ちなみに“大魔神ポーズ”と呼ばれる独特の振り付けが今も真似される、「愛が止まらない」に次ぐ大ヒット曲となった「淋しい熱帯魚」は彼女らのオリジナル曲です。
「ネバーエンディング・ストーリーの テーマ」(’84)/羽賀研二

原曲は84年に映画『ネバーエンディング・ストーリー』の主題歌として使われた、イギリスのポップグループ・カジャグーグーのヴォーカル、リマールによる楽曲ですが。その後、坂本美雨やニュー・ファウンド・グリーリー、E-girlsなど、たくさんの人がカバー。そんな中、一部の愛好家の間で人気なのが、羽賀研二によるこの曲のカバー。《よせよ 強がりは俺の前で》と始まる日本語詞は原曲からはかけ離れた意味不明なもの。洋楽の日本語カバーは時にこういう間抜けな曲を輩出するのも魅力ですが。多数のアーティストがカバーして、現在も聴き継がれているところに、いかに原曲がすごかったかも知らされます。
「TRY ME ~私を信じて~」(’95) /安室奈美恵 with SUPER MONKEY’S

かつて、安室奈美恵が所属していたSUPER MONKEY’S 4が、安室奈美恵 with SUPER MONKEY’Sに名前を変えて生み出した、1995年の大ヒット曲。LOLITAの「TRY ME」のカバーであり、MAX松浦プロデュースによるユーロビート路線の第一弾となったこの曲は、CMソングでよく聴かれたことに加え、当時の彼女のイメージともばっちりマッチ。今作に続くシングル「太陽のSEASON」は安室奈美恵名義のリリースとなり、実質のソロデビューを果たします。90年代、クラブミュージックが一般化していく中、やはりトレンドを握っていたのは海外の音楽で、日本でまだ浸透していなかったユーロビートを取り入れたこと、それをみんなが憧れるカッコ良い女の子に歌わせたことなど、振り返るとヒットの要因はいくつかありますが。そういった要因以前に、安室奈美恵が秘めていた魅力や才能を開花させ、世に伝えることができたことが、この曲の一番の功績です。
「U.S.A」(’18)/DA PUMP

そして、時代は一気に進み、現在。2018年、最大のヒット曲となったこの曲。もともとは荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」(これもイギリスの歌手、アンジー・ゴールドのカバー)の再評価を受けて、事務所の社長がDA PUMPに合う曲を探し、ジョー・イエローの「U.S.A.」を見つけ出してきたのが、カバーする要因だったそうですが。底抜けに明るい曲調やアメリカへの憧れを描いた歌詞の《C’mon baby アメリカ》のフレーズ、それに合わせた“いいねダンス”と呼ばれる振り付けが「ダサカッコ良い」と話題となり大ヒット! ISSAのシンガーとしての再評価や、DA PUMP再ブレイクのきっかけにもなりました。それこそ歌詞のように昔は憧れであり、目標だった海外の文化や音楽を独自の解釈や魅せ方でアレンジし、「ダサカッコ良い」という評価とともにお茶の間にまで浸透させた実績はものすごいと思う。こういった曲を世間が面白がれるということはリスナーの耳がそれだけ肥えてるということだし、日本独自のJ-POPという音楽文化が豊かに成熟しているということなのでしょう。音楽が多様化して、よりジャンルレスになっている最近。海外の文化も上手に取り入れながら、日本の豊かな音楽文化がさらに発展して、面白がらせてくれることを期待します!
TEXT:フジジュン

フジジュン プロフィール:1975年、長野県生まれ。『イカ天』の影響でロックに目覚めて、雑誌『宝島』を教科書に育った、ロックとお笑い好きのおもしろライター。オリコン株式会社や『インディーズマガジン』を経て、00年よりライター、編集者、デザイナー、ラジオDJ、漫画原作者として活動。12年に(株)FUJIJUN WORKSを立ち上げ、バカ社長(クレイジーSKB公認)に就任。メジャー、インディーズ問わず、邦楽ロックが得意分野だが、EBiDANなど若い男の子も大好き。笑いやバカの要素を含むバンドは大好物。


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