【深ヨミ】十大都市別のアルバム売上から都市の特色あるアーティストを探索する

2019年2月17日 / 14:00

 2月18日付のBillboard JAPAN週間“Top Albums Sales”では、Nissy(西島隆弘)『Nissy Entertainment 5th Anniversary BEST』が61,113枚を売上げ1位を獲得した。(集計期間:2019年2月4日~2019年2月10日)

 続く2位から10位までは以下の通りである。

2位 福山雅治『DOUBLE ENCORE』49,969枚
3位 YUKI『forme』22,196枚
4位 M!LK『Time Capsule』21,918枚
5位 Eve『おとぎ』20,040枚
6位 ポルカドットスティングレイ『有頂天』15,114枚
7位 Nulbarich『Blank Envelope』8,851枚
8位 GRAPEVINE『ALL THE LIGHT』7,001枚
9位 クイーン『ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)』6,969枚
10位 中島美嘉『雪の華15周年記念ベスト盤 BIBLE』5,281枚

 全国のTOP10は上記の通りだが、十大都市(東京・大阪・札幌・仙台・横浜・名古屋・京都・神戸・広島・福岡)別にみるとどのような違いがあるか、SoundScanJAPANの十大都市別データで調べてみた。表1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/72730/2)に各都市のTOP20を示す。TOP20の内の半分に当たる10作品は10都市全てに入っていた。濃い緑色に着色している部分だ。(緑色が濃いほど20位以内に入っている都市が多い)順位は都市によってかなり違うが、先に示した全国のTOP10とほぼ同じだ。

 ここでは、多くの都市で上位に入っているのではなく、限られた都市だけでTOP20に入っている作品に注目しながら各地の特色あるアーティストを探ることにする。

 大阪、札幌、仙台、横浜、京都、神戸、広島については、その都市だけで20位以内に入っている作品が本集計期間はなかったため、東京、名古屋、福岡のTOP20を紹介する。

 東京(区内)
1位 福山雅治 『DOUBLE ENCORE』8,244枚
2位 M!LK 『Time Capsule』4,014枚
3位 Eve 『おとぎ』1,791枚
4位 YUKI 『forme』1,775枚
5位 ポルカドットスティングレイ 『有頂天』1,097枚
6位 Nissy(西島隆弘) 『Nissy Entertainment 5th Anniversary BEST』797枚
7位 GOT7 『I WON’T LET YOU GO』752枚
8位 Nulbarich 『Blank Envelope』571枚
9位 GRAPEVINE 『ALL THE LIGHT』525枚
10位 クイーン 『ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)』516枚
11位 BUZZ-ER. 『CONNECTED』501枚
12位 つぼみ 『9』482枚
13位 如月千早&四条貴音&我那覇響『THE IDOLM@STER STATION!!! LONG TRAVEL~BEST OF THE IDOLM@STER STATION!!! 』460枚
14位 Little Glee Monster『FLAVA』413枚
15位 SHE’S 『Now & Then』404枚
16位 RADWIMPS 『ANTI ANTI GENERATION』316枚
17位 fine 『あんさんぶるスターズ! アルバムシリーズ Present -fine-』290枚
18位 (アニメーション)『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>  -VOCAL COLLECTION-』271枚
19位 Poppin’Party『Poppin’on!』261枚
20位 星野源 『POP VIRUS』259枚

 東京(区内)だけにみられるのは11位のBUZZ-ER.『CONNECTED』だった。BUZZ-ER.は都内を中心にライブを行っている7人組のダンスボーカルグループ。1月23日にリリースされた『CONNECTED』のリリースイベントを各地で行っている他、2019年は初の東名阪ツアーLive tour 2019 “Break The Wall”」も予定されており、これから全国に人気が広がっていくことが期待される。

名古屋
1位 Eve『おとぎ』381枚
2位 Nissy(西島隆弘)『Nissy Entertainment 5th Anniversary BEST』295枚
3位 YUKI『forme』273枚
4位 福山雅治『DOUBLE ENCORE』240枚
5位 ポルカドットスティングレイ 『有頂天』239枚
6位 ポタリ『ポタリの3』190枚
7位 GOT7『I WON’T LET YOU GO』176枚
8位 田中聖『Easter』147枚
9位 RADWIMPS『ANTI ANTI GENERATION』118枚
10位 Nulbarich 『Blank Envelope』111枚
11位 Poppin’Party『Poppin’on!』103枚
12位 fine『あんさんぶるスターズ! アルバムシリーズ Present -fine-』95枚
13位 クイーン『ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)』90枚
14位 星野源『POP VIRUS』77枚
15位 GRAPEVINE『ALL THE LIGHT』76枚
16位 如月千早&四条貴音&我那覇響 from THE IDOLM@STER STATION!!! 『THE IDOLM@STER STATION!!! LONG TRAVEL~BEST OF THE IDOLM@STER STATION!!! 』72枚
17位 SHE’S 『Now & Then』65枚
17位 (アニメーション)『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>  -VOCAL COLLECTION-』65枚
19位 竹内アンナ『at TWO』64枚
20位 バックストリート・ボーイズ『DNA』58枚

 名古屋だけにみられるのは6位のポタリ『ポタリの3』と19位の竹内アンナ『at TWO』だった。

 6位のポタリは、愛知県豊橋市出身、名古屋を拠点に活動する4人組ガールズバンド。これまでにフルアルバム3作、ミニアルバム3作他を発表している。歌詞の世界観が同世代の共感を呼び、支持を集めたが、残念ながら2019年3月30日名古屋クラブクアトロでのワンマンライブを最後に解散することが決まっている。

 19位の竹内アンナは京都在住、20歳のシンガーソングライター。2018年8月にテイチクエンタテインメントより4曲入りE.P『at ONE』でメジャー・デビューしたばかりだが、その5ヶ月前の2018年3月にアメリカ・テキサス州オースティンで行われた大型フェス「SXSW 2018」に19歳で出演し、全米6都市を回る「Japan Nite US tour 2018」にも参加した経歴の持ち主。本集計期間においては、TOP20に入ったのは名古屋だけだったが、実は東京でも名古屋と同じくらい売上げており、56位に入っている。東海ラジオで番組を担当しているためか、現在のところ名古屋での人気が高いようだが、今後全国でも上位に入ってきそうなアーティストの一人だ。

福岡
1位 Nissy(西島隆弘) 『Nissy Entertainment 5th Anniversary BEST』320枚
2位 福山雅治 『DOUBLE ENCORE』230枚
3位 YUKI 『forme』180枚
4位 Eve 『おとぎ』174枚
5位 ポルカドットスティングレイ 『有頂天』166枚
6位 Nulbarich 『Blank Envelope』146枚
7位 クイーン 『ジュエルズ ヴェリー・ベスト・オブ・クイーン』112枚
8位 GOT7 『I WON’T LET YOU GO』75枚
9位 GRAPEVINE 『ALL THE LIGHT』65枚
10位 星野源 『POP VIRUS』62枚
11位 クイーン 『ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)』60枚
12位 バックストリート・ボーイズ『DNA』57枚
13位 みゆな 『眼』53枚
14位 アリアナ・グランデ『thank u, next』49枚
15位 RADWIMPS 『ANTI ANTI GENERATION』47枚
16位 中島美嘉 『雪の華15周年記念ベスト盤 BIBLE』42枚
17位 米津玄師 『Bremen』38枚
18位 King Gnu 『Sympa』37枚
19位 SHE’S 『Now & Then』36枚
20位 fine 『あんさんぶるスターズ! アルバムシリーズ Present -fine-』32枚

 福岡だけにみられるのは13位のみゆな『眼』だった。みゆなは『ガムシャラ』と『天上天下』が2018年10月期のテレビアニメ『ブラッククローバー』のオープニング&エンディングテーマに起用されて話題を集めたことが記憶に新しい16歳の高校生シンガー。ミニアルバム『眼』は初の全国流通盤にして全国のタワーレコードでレコメンドされる『タワレコメン』に選ばれ、YouTube Musicによる『Artists to Watch 2019 ~注目の新人~』にも選出されるなど注目されており、全国チャートで上位を賑わせるのももはや時間の問題かもしれないが、宮崎在住の高校生ということでやはり地元九州、特に宮崎県での支持が現在のところ一番厚い。都道府県別データを調べると、宮崎県がトップ(ECを含む売上505枚中、宮崎県の実店舗売上99枚)だ。

 作品の発表の仕方が多様化し、フィジカル媒体のプレゼンスが相対的に下がっているとはいえ、都市別のチャートを見ていると新世代のアーティストが各地から登場し、まず地元もしくは縁のある土地のチャートの上位に現れている様子が垣間見えて興味深い。

 彼ら、彼女らがこれから全国へ活躍の場を広げていく過程を注意深く見守りたい。


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