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チャートが大きく変動するのは、基本的にはリリースタイミングであるが、それ以外の話題によってもチャートは大きく左右される。昔のように単純にCDの売上だけではなく、様々な要素が重なってくるため、何がどう影響するかは未知数でもある。
例えば、今週23位に上昇してきたFoolinの「パプリカ」は非常に面白い動きをしている(【表1】)。この曲は昨年8月にリリースされた楽曲で、米津玄師がプロデュースしたことでも話題になった小学生ユニットの楽曲。NHKの2020応援ソングとしてテレビでの露出はもともと多かったが、年末の紅白歌合戦でフィーチャーされたことで一気にチャートを再浮上した。もっとも伸びたのがダウンロード数とフィジカルのCDの売上ポイントだ。ストリーミングやルックアップ(PCによるCD読み取り数)などもアップしているが、実際にCDを手にとったりダウンロードして聴くという行為にうまくつなげられたことを思うと、やはり紅白歌合戦の影響力の大きさを思い知らされる。
一方で、先日活動休止を発表した西野カナも、「トリセツ」が50位まで上昇してきた。とはいえ、チャートの動きは思ったほど大きくはない。もっとも大きく動いたのは話題性ということからもやはりツイッターのポイントだが、それ以外ではダウンロード数が圏外から浮上したのが大きいくらい。ストリーミングやカラオケのポイントも上昇気味とはいえもともと安定して稼いでいたこともあり大きな変化には見えない。この曲自体、いわゆる定番的な評価がなされていることもあるのか、活動休止の話題は大きかったとはいえチャートを大幅にアップするほどの新鮮味はなかったともいえる。フィジカルのCDをに至っては、まったく影響がないのもアーティストの特性と言えるだろう。
プロモーションにおいて話題作りは非常に大切だが、もちろんなんでもいいというわけではない。どのような施策が最も効果的なのかは、アーティストや楽曲ごとに分析する必要がある。その傾向を理解することが、チャート対策に非常に重要なのだ。Text:風奏陽
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