アンティック-珈琲店-、活休前ラストライブが終了し15年の歴史に幕

2019年1月11日 / 19:00

1月6日@EX THEATER ROPPONGI (okmusic UP's)

アンティック-珈琲店-は、2018年6月、現体制での活動を2019年1月の活動をもって休止することを発表した。結成15周年イヤーにまさかの発表。でも、大きな節目だからこそ、メンバーそれぞれが自分の未来を見据えた上での決断だったのかもしれない。そして彼らは、『15th Anniversary Year Special LIVE CAFÉ TOUR 2018「ラグニャロク」〜the last voyage〜』と銘打った全国ツアーに出た。

このツアーのファイナルであり、現アンカフェにとってのファイナルともなるライブが、EX THEATER ROPPONGIでのグランドファイナル2デイズだ。ヴォーカル・みくの誕生日でもある1月5日に開催された1日目は、愛しい相手への想いを綴ったラブソング「Spring Snow」に始まり、感謝の言葉を詰めこんだ「世界にたった一つの温もり」で終わるセットリスト。「覚醒ヒロイズム」や「スマイル一番イイ♀~2015ver.〜」など、アンカフェの代表曲を盛り込みながら、“原宿ダンスロック”を信条とするアンカフェらしい、明るく元気な楽曲で盛り上げた構成だった。本当の最後となる2日目は──。

みくの“生涯最愛の皆さまへ──”という一言からライブはスタート。1曲目の「MY▽LEAPS FOR “C”」は、大好きな人に未来を誓うメッセージを込めたナンバー。1日目の「Spring Snow」に続き、目の前にいる多くのファンへの想いを伝える楽曲を1曲目に選んできたことが胸に沁みる。やっぱり、“今日で最後なんだ”と思うと、ステージを見る目がどうしてもセンチメンタルになってしまう。最後のライブは思い切り楽しみたいのに……。今、目の前にいる5人がそんな寂しさを吹き飛ばすステージをこの先見せてくれることを願いながら次々と続く楽曲に耳を傾ける。

「覚醒ヒロイズム」「流星ロケット」と、ライブではおなじみの代表曲的ナンバーが続くが、今回の演出はとてもスタイリッシュだ。色とりどりのレーザー光線が飛び交う場内の雰囲気は、これまでのにぎやかでかわいい印象のアンカフェとは趣が異なる。“アンカフェも大人っぽい演出が似合うバンドになっていたんだな”と思ってしまうのは、しんみりした気持ちがまだまだ自分の中にくすぶっているからだろうか。ステージに向かう観客側と同じく、メンバーも寂しさや複雑な気持ちを抱えてステージに上がっているのだろうか、最初のMCでみくは“歌っちゃうと終わりに近づいていくのかと思えて悲しいんですけど……。ちゃんと向き合わないといけないので。残された時間を思いっきり楽しんで帰りますよ。しっかりと、アンティック-珈琲店-の音楽と15年間の感謝をしっかりとみんなに届けたいと思います”と話した。強がることなく、自分の素直な気持ちを包み隠さず伝える姿は、つねに等身大でファンの前に立ってきたアンカフェらしい。この言葉を聞いて、悲しい気持ちはフタをせず、彼らと一緒に悲しんでもいいんだなと気持ちの切り替えができたように思う。

とはいえやっぱり、曲が進むにつれ、アンカフェが持つ幅広い引き出しに気持ちは上がっていく。というのも、「スノーシーン」から本編ラストまでの13連発(厳密にいうと、ゆうきがヴォーカルをとった「ニャッピーメドレー」で5曲をダイジェスト演奏したので、計17曲)が圧巻過ぎた! 「逃避回路」「我侭行進曲」といったダークで激しい初期のナンバーではフロアがヘドバンの嵐となり、アンカフェオリジナルキャラのニャッピーが登場した「ニャッピーメドレー」ではアンカフェらしい毒のある可愛らしさが炸裂し、「ダックのマジカルアドベンチャー」ではメンバーいじりのロングMCで場内に爆笑が起き……15年の歴史を駆け足で振り返るような構成がとても楽しかった。

このセットリストは、あらためて、アンティック-珈琲店-というバンドの魅力に気づかせてくれた。彼らは演奏技術がウリのバンドではない。けして器用でもない。でも、それ以上にアンカフェには大きな武器がある。原宿ダンスロックのボトムを支え、エレクトリックと生ドラムの融合にチャレンジし続けつつ数々の楽曲を生み出してきたドラムの輝喜、ほのぼのしたキャラクターと抜群のソングライティングセンスで独自のキャラクターを確立したベースのカノン、飛び道具的なキャラクターと華やかな鍵盤の音色でアンカフェに新しい色を持ち込んだキーボードのゆうき、端正なルックスと職人気質の真面目なプレイスタイルで個性を放ったギターのtakuya。そして、バカがつくほど正直に自分の想いを歌詞にぶつけ、多くのファンの心に届く歌を歌ってきたみく。この5人が集まると、ほかのバンドにはない“花”が生まれることを、ラストステージで再認識させられたのだ。

※▽は白抜きハートになります
本編終了後のアンコールは2回。1回目では、結成12年目にして進出を果たしたメジャーシーンでリリースした2曲を披露。個人的には、メジャーデビュー曲「千年DIVE!!!!!」でアンカフェは新たな可能性の扉を開いたと感じていた。他アーティストからの提供曲とはいえ、それをしっかりアンカフェ色に染め上げ、抜群の疾走感を突きつけたサウンドに未来の広がりを感じてワクワクしたことを覚えている。そして、2回目のアンコールは、メンバーが一人ずつ登場し、客席へメッセージを伝えていくスタイルでスタート。それぞれの想いを込めたメッセージ、ぜひ受け止めて欲しい。

■輝喜

「アンティック-珈琲店-は、坊くんも含めてすごく不思議なメンバーが集まったバンドだと今さらながら強く思います。どんなに素晴らしいミュージシャンが5人集まっても、この曲とこの空気感はできません。この出会いは偶然じゃないと思います。神様がこの5人を選んでアンティック-珈琲店-を作ってくれたんだと僕は信じています。今日、あともうちょっとだけ演奏したら、僕はアンティック-珈琲店-を去ります。だけど、明日になってもその先も、僕はずっとアンティック-珈琲店-が大好きです。アンティック-珈琲店-の音楽を僕は信じているし、みんなと一緒に歩んで作り上げてきた思い出と軌跡、足跡をずっと信じてる。それは、形が変わってもずっと変わりません。みんなもきっと、アンティック-珈琲店-に出会って、生まれた想いや気持ちがあるはずです。この先も、つらいことや悲しいことがいっぱいあると思うけど、カフェっ仔は男も女も“スマイル一番”でしょ。絶対なくしたらだめだよ。本当に、15年間ありがとうございました」

■ゆうき

「カフェっ仔からはよく“アンティック-珈琲店-にはたくさんのものをもらいました。ありがとうございます”っていうメッセージや手紙をもらいます。それと同じように、メンバーも皆さんからいろんなものをもらい、いろんなことを学びました。そのおかげで成長してこうしてここに立つことができているんだと思います。今までの年月は、楽しいことばかりじゃなく、活動休止などもありました。皆さんも、つらいことや悲しいことを乗り越えてきたと思います。アンカフェは今日が終わったら(今の形としては)なくなってしまうことを考えると、みんなにも不安な気持ちがあると思います。僕も、今まで一緒だったカフェっ仔がいなくなってしまうと思うと不安です。でも、君たちだったら、この先もどんなことでも乗り越えていけると思います。みんなが頑張っていることを知っているので、それを糧に俺も頑張っていけるんじゃないかと思っています。みんな大好き! ありがとうございました!」

■カノン

「今まで俺は、アンティック-珈琲店-という大きな船の中にいていろんな景色を見てきました。そこには、協力してくれるスタッフさんやカフェっ仔の皆さんがいて、先陣を切って舵を取ってくれるみくがいて。その一員で本当によかったなと思います。バンドをやっていると、“みんなが行くなら俺も一緒にそっちに行くよ”と思う場面も少なからずありました。でも、これからは自分で決めた道をただ一人行くしかない。そこは地獄のようなところかもしれないし、すごく怖いけど、この決意は揺らぎたくないというか……揺らがせたらこの決断を受け入れてくれた皆さんにも失礼なことだなって。だから、この一言につきます。皆さん、本当にありがとうございました」

■たくや

「人生はいつどこで何があるか分からないなと思います。自分にとっての人生の転機は、11年前、アンティック-珈琲店-というバンドに出会ったことです。加入した時はギターを弾くことでイッパイイッパイで。ステージからの眺めを楽しむ余裕も、誰かのためにギターを弾く、感謝の気持ちを持ってステージに立つ、そんな気持ちもなかったと思います。今でも未熟者ではあるんですけど、支えてくれるみんながいる幸せを感じて、みんなのためにギターを弾こうって思えるぐらいには成長できたんじゃないかと思います。アンティック-珈琲店-というバンドはすごく居心地が良くて、(離れるのは)寂しいし名残惜しいです。さっき、裏でみくさんが“がんばれ”って言ってくれたんですけど、そうやって背中を押してくれる人もいなくなっちゃいますが、ここから先は自分の足で人生を強く生き抜いていこうと思います。本当に幸せな11年でした」

■みく

「僕にとってアンティック-珈琲店-は人生でした。活動休止が決まって、最初は、自分一人でアンカフェを続けようと思っていたんですけど、ツアーを廻っていくなかで、メンバーが隣にいないとできないなと思いました。一人でやってもアンティック-珈琲店-じゃないので。みんなでやることが楽しいから僕はバンドを選んだんです。それが終わっちゃうなら、この5人が集まるまでは歌はいいかなと思いました。先のヴィジョンが決まっているわけではないけど、歌はとりあえずやめようと思いました。ちょっと離れてしまうけど、みんなの幸せを願っています。幸せになってね。15年間、自分一人では見られない景色をたくさん見せてもらったし、感動することや人の役に立とうと思える気持ちとか……。そういう心を僕に教えてくれたのはみんなです。15年間すごく幸せでした。ありがとうございました」

時に言葉に詰まりながらも、思いのたけを盟友でもあるカフェっ仔に伝えたメンバーたち。みくの感謝の言葉に続いて演奏されたのは、「巡りあえた奇跡」。続く「BondS〜絆〜2015ver.〜」の演奏前にみくは“みんなの思いや気持ち、ステージに届けてね! 俺たちも届けるから!”と叫び──本当の最後となる「スマイル一番イイ♀~2015ver.〜」の前には「笑顔でお別れは難しいかもしれないけど、輝喜も言っていたように、みんなには笑っていてもらいたいです」というメッセージを残した。この楽曲で今日一番の一体感を場内に生み出し、それまでのヴィジュアル系シーンにはなかった、明るくカラフルで楽しい“原宿ダンスロック”旋風を巻き起こしたアンティック-珈琲店-の歴史は幕を下ろした。

EX THEATER ROPPONGIに集まった一人一人のカフェっ仔の顔を見ることはできないけれど、メンバーの願い通り、みんなの泣き顔は見たくない。みく・takuya・カノン・ゆうき・輝喜の5人が並ぶアンティック-珈琲店-の姿を見ることはもう叶わないかもしれないけれど、彼らが紡いでいた音楽やメッセージは不滅だから。自分たち自身、そして、ずっと一緒に歩んできたカフェっ仔たちの未来の笑顔のために2日間のライブをやり切った5人のためにも、スマイル一番の精神を忘れず生きていけたらいいなと思う。アンティック-珈琲店-、15年間本当にありがとう。いつか再び笑顔の5人が揃う日が来ることをかすかな希望として心に留めながら、それぞれの道へと進んで行くあなたたちの背中を見送ります。
Text by 須田真希子

Photo by 青木早霞(PROGRESS-M)
【セットリスト】

01.MY▽LEAPS FOR “C”

02.覚醒ヒロイズム~THE HERO WITHOUT A “NAME”~

03.流星ロケット

04.スノーシーン

05.逃避回路

06.我侭行進曲

07.似非占い

08.キャンデーホリック

09.踊るメルヘン時計

10.エスカピズム

11.YOU

12.ニャッピーメドレー

13.ダックのマジカルアドベンチャー

14.メープルガンマン

15.テケスタ光線

16.Cherry咲く勇気!!

<ENCORE>

01.千年DIVE!!!!!

02.ラフ・ソング

<ENCORE>

01.巡りあえた奇跡

02.BondS~絆~2015ver.~

03.スマイル一番イイ♀~2015ver.~

※▽は白抜きハートになります
DVD『LIVE CAFE 15th Anniversary Year Grand Finale』
2019年4月24日(水)発売

【Musing盤】(2DVD+A4サイズ写真集)

JBBF-5019~20/¥15,000(税込)

※完全限定受注生産

<収録内容>

・ライブ本編収録&Making映像

<販売期間>

受付開始:2019年1月10日(木)

受付締切:2019年3月17日(日)23:59まで

※詳細はオフィシャルHPにて!

◎Musingオリジナル特典

・メンバー全員または、お好きなメンバーのサイン&あなたのお名前入りビッグフォトカード1枚プレゼント

※メンバー全員用のビッグフォトカードに名前を書くメンバーは選べません。

※音楽ポータルサイト「Musing」のみでのお取り扱いとなります。


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