『アリー/ スター誕生』ブラッドリー・クーパー来日インタビュー~初監督作で学んだこと/映画への熱い思いを語る

2018年12月20日 / 15:30

 『アリー/ スター誕生』が遂に日本で公開を迎える。作品のみならず、その楽曲の素晴らしさに各メディア・批評家も大絶賛し、【ゴールデン・グローブ賞】5部門、そしてメイン楽曲「シャロウ ~『アリー/ スター誕生』愛のうた」が【グラミー賞】の主要部門である“年間最優秀楽曲”など計4部門でノミネートを受けるなど大きな成功を収めている。初監督にして傑作を作り上げたブラッドリー・クーパーがこの作品に込めた思いとは? 先日3度目のプロモーション来日を果たしたブラッドリーに話を訊いた。

 これまで4度のオスカー候補に上がったブラッドリーは、かねてから監督業に強く憧れを持ち、クリント・イーストウッドやデヴィッド・O・ラッセルといった名匠から、監督としての知識を学んだという。しかし、この業界で20年以上活躍し、人気と名声を手にする彼でさえ、監督デビューの話が出た時には、多くの関係者から否定的な声が出たそうだ。「尊敬する多くの人たちから『やめておけ』と言われた。彼らの気持ちも分からなくもなかったが、でも僕は耳を貸さなかった。それは僕が子供の頃から映画で何かを伝えるのが好きで、このストーリーを他の誰かじゃなく自分が伝えたかったから。映画に対する愛がエネルギーとなり追求する糧になったんだ。もちろん膨大な仕事量だし、怖い気持ちもあった。でもやると決めて、関係者たちに『僕を信頼してくれ、そして最大限の力を貸してくれ』と言える勇気をくれたのも、この映画に対する愛があったから」と、作品に対する強い愛が背中を押してくれたことを明かした。

 またブラッドリーは、「自分が伝えたい点が何なのかをはっきりと理解し、制作過程の間もアイデアの探求や、常により良い策はないか考え続けた。リアルに近づいた作品にするための追求を一切やめなかったんだ」と、揺るがない信念も持って監督業に挑んだことも告白。そして、そのリアルさにとことんこだわったブラッドリーは、キャスト達にも、演じるキャラクターに自身のリアルな部分を加えるよう依頼したとも明かす。「会うまで知らなかったんだが、サム・エリオットは子供の頃、歌手になりたかったそうで、そういう部分も(兄の)ボビーというキャラクターに完璧な要素だと思った。デイヴ・チャペルやステファニー(レディー・ガガの本名)の台詞が、彼ら自身の言葉として伝わっているようにしたかったんだ」と、それぞれの人生経験もキャラクターに真実味を加えていることを述べている。

 リアルさを追求したブラッドリーはベテラン・ロックスターのジャクソンを演じるための努力も惜しまず、何か月にも渡って、ギターやピアノ、ヴォイス・トレーニングに励んだ。それが功を奏し、劇中では“新人”とは思えない完璧なパフォーマンスを披露。オープニングから彼の演奏に心を奪われることだろう。ジャクソンのギタープレイは、ブラッドリーが敬愛するニール・ヤングの演奏スタイルを参考にしたそうで「もちろん、そっくりそのまま真似できるほど簡単ではないが、彼の演奏スタイルに影響を受けたのは事実」と、ニールへの敬意とともに裏話も打ち明けてくれた。ブラッドリーは意外にも毎年フェスに通うほどの音楽好き。ジャクソンが聴いて育っただろう楽曲について訊いてみたところ、「劇中でも描かれているが、ジャクソンの父親がブルースを聴いていたから、彼もブルースにかなり影響されていただろうね。あとはジャズ。それにギターをプレイするようになってからは、プレスリーやザ・ビートルズを偶像視していたはず。他にもウェイロン・ジェニングス、ジョニー・キャッシュ、ディラン、ニール・ヤングなどもそうだろうね」と語ってくれた。カントリーロックやブルース感が漂うジャクソンの曲や演奏を思い返すと、そのチョイスにも納得がいく。

 本作で監督としての才能を証明したブラッドリーは、ミュージカル『ウェスト・サイド・ストーリー』の音楽を手掛けた指揮者・作曲家レナード・バーンスタインの伝記映画で監督と主演も務めることが決定。新作に関するコメントは控えたものの、「次回作はより良い作品に仕上げたいと思っている。重ねた努力だけが形になることと、自分の本能に従うことが大切だということを学んだから、それを次回作にも活かしたいね」と語った。現在、クラシック音楽、主にグスタフ・マーラーをたくさん聴いているそうで、すでに監督2作目に向けて準備を始めているのかもしれない。今から楽しみだ。映画『アリー/ スター誕生』は2018年12月21日より公開。

Text by Mariko Ikitake

◎公開情報
『アリー/ スター誕生』
2018年12月21日(金)より、全国ロードショー
監督&製作:ブラッドリー・クーパー
出演:レディー・ガガ、ブラッドリー・クーパーほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC


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