【米ビルボード・ソング・チャート】アリアナ・グランデ首位死守、パニック!アット・ザ・ディスコ自身最高位をマーク

2018年11月27日 / 12:20

 アリアナ・グランデの「サンキュー、ネクスト」が、初登場から3週連続の首位獲得を果たした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 自身初のソング・チャートNo.1獲得にして、3週目の1位をキープしたアリアナ。デジタル・セールス・チャートでは4位にダウン(23,000ダウンロード)したが、週間4,380万視聴を記録し、ストリーミング・チャートでは同3週の首位を死守している。ラップ勢を抑え、ポップ・ソングがストリーミングを制するのは珍しいパターン。アリアナは、セールスとストリーミングのバランス良いのも強みといえる。

 エアプレイ・チャートでは36位とまだ順位は低いが、今週は3,180万回を記録し、先週より45%もポイントアップした。エアプレイの上昇に加え、現在制作中のミュージック・ビデオが公開されれば、再び勢いを取り戻すだろう。また、この曲が収録される予定のニュー・アルバムがリリースされれば、プロモーション効果によるポイントアップは確実で、まだまだ伸びしろはありそうだ。既にミュージック・ビデオが公開された新曲「ブリージン」は、先週の14位から13位に、わずかながらランクアップしている。

 その 「サンキュー、ネクスト」と僅差まで迫っているのが、2位に停滞しているトラヴィス・スコットの「シッコ・モード」。3,700万視聴を記録してストリーミング・チャートでは4位、デジタル・セールス・チャートでは6位(18,000ダウンロード)、エアプレイ・チャートでは先週の9位から8位にランクアップし、R&B/ヒップホップ・チャート、ラップ・チャートでは5週目のNo.1を飾った。しかし、「サンキュー、ネクスト」は間もなくビデオが公開されるため、次週はストリーミングで大差をつけられる可能性が高い。

 3位をキープしたマシュメロ&バスティルの「ハピアー」も、デジタル・セールス・チャートで5位(22,000ダウンロード)、ストリーミング・チャート10位(2,120万視聴)、週間1億200万回を記録し、エアプレイ・チャートでは2位と好調。今週のTOP3は、どの曲もそれぞれ順位が入れ替わる可能性があり、トラヴィス・スコットも、マシュメロ&バスティルにとっても、初のNo.1獲得が期待できる展開をみせたが、結果アリアナには及ばず、次週もおそらく彼女の首位キープが予想される。「ハピアー」は、ダンス/エレクトロニック・ソング・チャートで10週連続の1位をマークしている。

 TOP3以下からは、4位を維持したホールジーの「ウィズアウト・ミー」と、先週の8位から6位に順位を上げた、パニック!アット・ザ・ディスコの「ハイ・ホープス」が追い上げをみせている。

 「ウィズアウト・ミー」は、37,000ダウンロードを記録し、デジタル・セールス・チャートで1位に到達した。ストリーミングも好調で、先週の8位から7位に浮上(2,680万回)。エアプレイ・チャートでは、先週の12位から10位にランクアップし、ザ・チェインスモーカーズとの「クローサー」(1位)、「ナウ・オア・ネヴァー」(10位)、「バッド・アット・ラブ」(3位)、G・イージーとコラボした「ヒム・アンド・アイ」(6位)に続く、エアプレイ5曲目のTOP10入りを果たしている。

 そのエアプレイ・チャートで、先週の3位から1位(週間1億670万回)にランクアップした、パニック!アット・ザ・ディスコの「ハイ・ホープス」。ストリーミング・チャートでは47位と順位を上げられずにいるが、デジタル・セールス・チャートでは3位(23,000ダウンロード)に上昇し、オルタナティブ・ソング・チャート、ロック・チャートでは両1位を獲得。ストリーミング以外の主要チャートではすべてTOP3入りするヒットを記録している。この曲は、【スタンレー・カップ 2018】のコマーシャルに起用されたことで火が付いた。

 TOP10以下では、グッチ・メイン、ブルーノ・マーズ、コダック・ブラックによるコラボ・ソング「ウェイク・アップ・イン・ザ・スカイ」が、先週の17位から14位にランクアップしている。ミュージック・ビデオの再生回数も好調で、このまま伸び続ければ年内にTOP10入りするだろう。デビュー・アルバム『エラ・メイ』がゴールド認定された、R&Bシンガー=エラ・メイの「トリップ」も、18位から15位に上昇し、「ブード・アップ」(最高5位)に続く2曲目のTOP10入りを狙う。

 12月14日に全米で公開されるアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』のサントラ盤から、先行シングルとしてリリースされたポスト・マローン&スウェイ・リーの「サンフラワー」も、一旦順位を落としてまた今週、16位まで上昇している。映画の公開が近づくにつれ、この曲もランクアップする可能性が高い。ポスト・マローンは、大ヒット作『ビアボングズ&ベントレーズ』に続くスタジオ・アルバムを間もなくリリースするようなツイートを投稿しているが、同曲が収録されるかは不明。

 今週29位に初登場したのは、マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」。この時期になると、毎年上位にランクインするクリスマス・ソングの定番で、2016年には発売から22年目にして初のTOP10入り(9位)を果たす快挙を達成した。今年も、クリスマス本番まで上位をキープするだろう。一方、マライアは今週のアルバム・チャートで新作『コーション』を5位に初登場させているが、本作に収録されたナンバーはいずれも100位内にランクインしていない。順位が伸び悩んだ理由は、アルバムのストリーミングが弱かったからだろう。

Text:本家一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、11月30日以降掲載予定となります。

◎【Hot100】トップ10
1位「サンキュー、ネクスト」アリアナ・グランデ
2位「シッコ・モード」トラヴィス・スコット
3位「ハピアー」マシュメロ&バスティル
4位「ウィズアウト・ミー」ホールジー
5位「ルーシッド・ドリームズ」ジュース・ワールド
6位「ハイ・ホープス」パニック!アット・ザ・ディスコ
7位「モー・バンバ」シェック・ウェス
8位「ガールズ・ライク・ユー」マルーン5 feat.カーディ・B
9位「ドリップ・トゥー・ハード」リル・ベイビー&ガンナ
10位「ZEZE」コダック・ブラックfeat.オフセット&トラヴィス・スコット


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