Nulbarich、6面LED映像を駆使した初武道館で1万人を魅了

2018年11月4日 / 14:30

11月2日@東京・日本武道館 photo by 岸田哲平、本田裕二 (okmusic UP's)

Nulbarichが11月2日に東京・日本武道館にて『Nulbarich ONE MAN LIVE at 日本武道館 -The Party is Over-』を開催。現在の彼らの勢いを現すかのように1万人を動員し、ソールドアウトさせた初の日本武道館単独ライブのライブレポートが届いた。また、本公演にて2019年2月6日にニューアルバムをリリースし、このアルバムを携えた全国ツアーを3月から開催することも発表された。

ロマンティックで派手なスタート

客電が落ち、ロマンティックなジャズピアノが流れるなか、ステージのスクリーンにはカウントダウンの表示と「Please put your cellphone lights on」の文字が。それを見たオーディエンスが一斉にスマホのライトを点け、1万の光が客席に浮かぶ。まるで室内にラグジュアリーな夜景が出現したようだった。日本武道館という由緒ある建造物がこれほどロマンティックな表情を見せるのは珍しいのではないだろうか。

ピアノの独奏に続いてウッドベースが参加。やがてバンドメンバーが次々とステージに現れる。Nulbarichのバンド構成は少し変わっていて、ギター×3、キーボード×2、ベース×2、そしてドラムというもの。ウッドベースとエレクトリックベースを隣同士にするという配置は特に目を惹いた。

カウントダウンの数字が1分半を切ったところで、フルバンドの演奏がスタート。フロアから手拍子が起きると、最後にJQ(Vo.)が登場。オーディエンスからはこの日最初の大歓声が起きた。

「やっちゃいますか!」

JQのかけ声とともに、ライブは1stEPのタイトルトラック『Hometown』でスタート。いきなりキャノン砲が炸裂し、銀テープが宙を舞った。フロアはしばらくざわついていたが、やがて多くのオーディエンスは手をあげて音に身を委ねはじめた。バンドにとって原点である曲を派手に演出し、Nulbarichキャリア初の武道館ワンマン公演ははじまった。

ジャンルや固定観念を越えたスタイリッシュな映像演出

続く『It’s Who We Are』や『Lipstick』といった代表曲ではイントロから手拍子と歓声が起き、序盤にもかかわらずクライマックスのような雰囲気に。「間違いなく緊張してるよ」というJQだったが、ライブならではの見事なアレンジやフェイクに、会場全体が手をあげる。

この日本武道館公演で、Nulbarichは、あらためて映像への強いこだわりを見せた。ステージの奥に6枚のLED画面が設置され、演奏するメンバーやJQの姿がリアルタイムに映し出される。6枚のLED画面は別々の絵を映したり、時に1枚の巨大な絵を構成する。そこにスタイリッシュなアニメーションやエフェクトが混ざると、見ている側としては、2次元と3次元を行き来するような感覚に襲われる。実写とアニメーションの融合はNulbarichの大きな特徴のひとつでもあるわけだが、そこに迫力が加わって、音と目で楽しむエンターテインメントという側面が強化された。

さらに『Handcuffed』『Everybody Knows』では、クリエイティブ集団CROSS THE BORDERのデザインを大胆に取り入れ、スタイリッシュにステージを演出。CROSS THE BORDERは国、文化、ジャンル、常識、あらゆるボーダーなど、様々なカルチャーの境界を越えて活動しているクリエイティブ集団。ジャンルや洋楽――邦楽といった概念にとらわれないNulbarichのコンセプトと合致した演出だった。

ドラマーJQ、夢を叶える!?

「ベタなものが嫌い。でもこの曲で知ってくれた人が多いと思う。そろそろ一緒に歌っても良いんじゃないか。みんなで歌おうよ」

そう言ってJQが、Nulbarichの存在を世に知らしめた『NEW ERA』を歌い始めると、この日いちばんの大歓声が起きた。英語と日本語をミックスさせた歌詞にもかかわらず、サビではフロアから大合唱が起きる。

ステージにスモークが立ち込めるなか、『Spread Butter On My Bread』では、ベース・キーボード・ギターが長く熱いソロを披露。この曲は、スタジオでセッションした時に出てきたフレーズがヒントとなって製作された曲だという。セッションはNulbarichにとっての心臓であり、それがライブでは武器になる。

『On and On』では、JQみずからドラムをプレイするシーンもあった。そのままドラマー・JQを指揮者としたセッションタイムに突入。それぞれのパートがスリリングで情熱的なプレイを披露し、極上のグルーヴでジャジーかつロックな空間を演出した。

そして初披露された新曲『JUICE』は、なんと、JQがそのままドラムを叩きながら歌うスタイル。JQの激しいドラムプレイに、オーディエンスは驚きの声をあげた。実は、もともとJQはドラマーだったのだという。

「二兎を追うものは一兎をも得ずって、そんなわけねーじゃん。両方取るっしょ」

Nulbarichの音楽にはおしゃれというイメージがあるかもしれないし、それは間違っていないが、彼らには情熱的なロックバンドの側面もある。おしゃれで、かつ、熱い。JQの言葉を借りれば「両方取るっしょ」というわけだ。

形ないもので満たされた日本武道館

普段はあまりやらないという『SMILE』は、音源とはまったく違うアレンジで演奏された。音源のクオリティを軽々と越えそうなクオリティでライブが行われるのは、Nulbarichのひとつの大きな特徴だ。フロアに祝祭的なムードが漂う『Kiss You Back』、サビのファルセットが美しく響く新曲『VOICE』、多くのオーディエンスが歌いながら踊った『ain’t on the map yet』、そして『Follow Me』『Almost There』など、中盤から終盤にかけての展開は怒涛と言っても良かった。曲ごとに起きる拍手、手拍子、歓声、指笛が、鳴り止むことがない。

「2016年から2年間、突っ走ってきた。そしてみんなも付いてきてくれた。だから叶ったんですよね。上を見ればキリがない、足元にもきれいなものがある。どこを目指せば良いのかわからなくなることもあるけど、まっすぐ行こうと思います」

そんな強いJQのメッセージとともに披露された本編ラストは『Heart Like A Pool』。ステージからはレーザーが飛び、フロアには紙吹雪が舞い、この日何度目かの大歓声が起きた。

アンコールは『LIFE』。柔らかな光と温かい音に包まれて、まさに形ないもので満たされた「Null, but Rich」なNulbarich初の日本武道館公演は、こうして大成功のうちに幕を閉じた。

パーティーは終わり、歴史が更新される

ポップスになびくのでもなく、アンダーグラウンドにこもるのでもなし。その両方を自由に行き来し、唯一無二なサウンドをつくり出すNulbarich。結果として、彼らは2018年の音楽シーン、いや、カルチャー全般における主役のひとりとなった。

オーディエンスが10人にも満たなかった2016年の初ライブから2年。おそろしい勢いで支持を拡大し続けるNulbarichだが、こんなものはまだ序章に過ぎないのだろう。パーティーは終わった。ここから先がNulbarichにとっての本当の勝負なのだ。ラフにタフに(『NEW ERA』)、日本のポップ・ミュージックの歴史が更新されようとしている。

この模様は後日、WOWOWで独占放送される。

photo by 岸田哲平、本田裕二

text by 山田宗太朗

【セットリスト】

1 Hometown

2 It’s Who We Are

3 Lipstick

4 Handcuffed

5 Everybody Knows

6 NEW ERA

7 In Your Pocket

8 Spread Butter On My Bread

9 Supernova

10 On and On

11 SESSION

12 JUICE (NEW SONG)

13 Ordinary

14 SMILE

15 Kiss You Back

16 Zero Gravity

17 VOICE (NEW SONG)

18 ain’t on the map yet

19 Follow Me

20 Almost There

21 Heart Like a Pool

<ENCORE>

En1 LIFE
アルバム「タイトル未定」
2019年2月6日発売

【完全生産限定盤A】(CD+Remix CD+Blu-ray (LIVE+Documentary映像))

VIZL-1519/¥5,500+税

※特殊パッケージ仕様 

【完全生産限定盤B】(CD+Remix CD+DVD (LIVE+Documentary映像))

VIZL-1520/¥5,000+税

※特殊パッケージ仕様

【通常盤】(CD ONLY)

VICL-65116/¥2,800+税

<収録内容>

■CD

・Kiss You Back (資生堂「アネッサ」CM曲)

・VOICE (シチズン クロスシーCM曲)

・All to Myself(三井アウトレットパークCM曲)

・Silent Wonderland (映画:台北暮色ED曲) 

他、新曲多数収録予定

■完全生産限定盤付属 Remix CD

iTunes総合アルバムチャート3位を獲得した「The Remixes」(2018.9.5 Digital Release)4曲に加え、新たに1曲を追加したボーナスディスク。

「完全生産限定盤付属 Blu-ray / DVD」

豪華LIVE、Documentなど100分以上収録予定!

◎ 48H予約キャンペーン

全国のタワーレコード各店、および、タワーレコードオンラインにて、2019年2月6日発売 Nulbarich 待望のニューアルバム 「タイトル未定」 (VIZL-1519、VIZL-1520、VICL-65116) を、48時間以内にご予約いただいた方に、スペシャル特典として、特製「オリジナルA4クリアファイル」をプレゼント。

<対象店舗・予約期間(48H限定!)>

・TOWER RECORDS 全国各店

予約対象期間:11/2(金)21:00~11/4(日)各店舗閉店時間

・TOWER RECORDS ONLINE

予約対象期間:11/2(金)21:00~11/4(日)23:59

ご予約はこちらから:tower.jp/nul

※特典は、ご予約していただいた店舗にて商品引渡し時にお渡し致します。

※特典は数量限定に付き、なくなり次第終了となります。あらかじめご了承ください。

※本特典は、同時発表されたタワーレコードオリジナル特典「オリジナルステッカー」も対象となります。

※特典内容は予告なく変更となる場合がございます。

※一部お取扱いの無い店舗もございますので、お近くの店舗へお問い合わせ下さい。

◎各チェーン特典

2019年2月6日発売 Nulbarich 待望のニューアルバム 『タイトル未定』のチェーン別オリジナル購入特典が決定! 下記チェーン店、および、ショッピングサイトにて『タイトル未定』(VIZL-1519, VIZL-1520、VICL-65116)を、お買い上げの方に、先着で「オリジナルステッカー」をプレゼント!各特典ともに数に限りがございますので、お早めにご予約・お買い求め下さい。

■TOWER RECORDS特典 (TOWER RECORDS 全国各店 / TOWER RECORDS ONLINE)

オリジナルステッカー

■HMV特典 (HMV全国各店 / HMV&BOOKS online)

オリジナルステッカー

■TSUTAYA特典 (TSUTAYA RECORDS 全国各店/ TSUTAYA オンラインショッピング )

オリジナルステッカー

※TSUTAYAオンラインショッピングは、ご予約分のみが対象です。

■Amazon.co.jp特典

オリジナルステッカー

※Amazon.co.jp では、特典付き商品のカートがアップされます。特典をご要望のお客様は特典付き商品をお買い求め下さい。

■その他チェーン・CDショップ特典

オリジナルステッカー

対象店舗:

・山野楽器CD/DVD取扱店舗 / 山野楽器オンラインショップ(一部取扱いの無い店舗もございます。)

・WonderGOO/新星堂(一部店舗を除く)/新星堂WonderGOO楽天市場店

・楽天ブックス

・セブンネットショッピング

・ビクターエンタテインメント オンラインショップ 

and more!

※上記各特典ともに数に限りがございます。お早めにご予約下さい。

※特典対象店は順次追加となることがございます。

※一部、特典の取扱いが無い店舗もございます。予めご了承下さい。

※特典の内容・デザインは予告なく変更する場合がございます。

※確実に入手をご希望の方は、事前に各店舗様へご確認いただくことをお奨めいたします。
『Nulbarich ONE MAN TOUR 2019』
3月31日(日) 宮城・仙台PIT

4月07日(日) 北海道・Zepp Sapporo

4月10日(水) 大阪・Zepp Osaka Bayside

4月13日(土) 広島・BLUE LIVE 広島

4月17日(水) 愛知・Zepp Nagoya

4月19日(金) 福岡・Zepp Fukuoka

4月20日(土) 香川・festhalle

4月24日(水) 東京・Zepp Tokyo

4月25日(木) 東京・Zepp Tokyo


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