Hilcrhyme、日比谷野音でのワンマンで見せた感動的な復活劇をレポート

2018年9月8日 / 17:00

9月2日@日比谷野外大音楽堂 (okmusic UP's)

ここからひとりで歩む覚悟と決意。俺を信じてこれからも一緒に進んでくれ!!とのアライアンス。満場の友軍の支援を受け、それらが力強く声明された、改めて“Hilcrhymeの居場所”が誇示された一夜だった。

HilcrhymeがTOCひとりによる新体制となり活動を再開。7月リリースのEP『One Man』に続き、9月2日には日比谷野外大音楽堂でのワンマンライヴ『Hilcrhyme LIVE 2018「One Man」』をもって感動的な復活劇を魅せてくれた。“これからのためにも、やはりひとりから始めなくちゃダメだった”と、DJもバンドもダンサーもなく文字どおり“身ひとつ”でライヴは完遂された。

SEとともにひとり悠々とステージ中央へと歩むTOC。センターに雄々しく立つと拳を力強く天に掲げ、“Hilcrhyme ,comeback~!!!!”と満場に向けシャウトを放つ。一瞬で視界がパーッとクリアになっていく。

世界で活躍中の墨絵/陶墨画アーティスト・西元祐貴氏がこの公演のために描き下ろした“一人でステージに立ち向かうTOC=侍”と“それを守る龍神”という絵柄が背後に掲げられたステージの中央で放った1曲目は「トラヴェルマシン」。これからさまざまな場所に連れ出し、光景を魅せ、物語に佇ませてやる…そんな気概が伝わってくる。ノンストップで「RIDERS HIGH」に入ると硬質なビートがさらに男気を上げ、場内を更なる高みへと引き上げにかかる。“10カ月ぶりのライヴで、その間いろいろあったから何から喋っていいか分かんねぇわ(笑)。まずはきちんと自己紹介しなくちゃね。MC TOC。Hilcrhymeでございます!!”と高らかにカムバック宣言。さらに“今日が楽しみ過ぎて、いろいろな思いも交錯して昨晩は眠れなかった。今日は絶対に特別なライヴにします!!”と告げる。この日は全国20の映画館とWOWOWでも生中継され、会場に駆けつけられなかった多くのファンも各曲や間のMCに気持ちを同化させていった。

“今日はあなたにとっても自分にとっても新しい日の幕開けです。溜めに溜めていたHilcrhyme欲をお互い存分に開放していこう!!”とライヴに戻ると、自分が自分であることを誇らせる「パーソナルCOLOR」が青天井の空に溶けていき、「ジグソーパズル」では、お互い足りないピースを埋めて合い、いつしかかけがえのない絵画を完成させることを夢想させた。また、夏を呼び戻すかのようなEDMチューン「Summer Up」ではタオル大旋回、ガシガシのダンスホールな「恋の炎」では灼熱と情熱が場内の熱気と合わさり、途方もない熱量が生み出されていく。さらにベースミュージックに乗った「New Era」が新しい時代を一緒に切り拓こう!!と腕を引っ張れば、これまた時代を自身で切り開くべく「パラレル・ワールド」が“自身に誇りを持て!!”と場内を激励した。

中盤では温かい歌たちが胸に響いた。友軍の中で一緒に歌い完成させた「My Place」。失敗したっていいとの安堵とまた次に向かわせる活力を与えた「エール」。そして、客席を通ってセンターステージに移動。360度をお客さんに囲まれる中歌われた、自分が主人公の物語を自由に綴って行こうと歌われた「ルーズリーフ」、また、「春夏秋冬」ではさまざまな季節と愛しい景色の中、自身と愛しい人の姿を佇まさせた。

再びステージへと戻ったTOC。この日がHilcrhymeとして久々のライヴということで、“俺は自分の人生を賭けて今後もHilcrhymeを続けていく。もうみんなに悲しい思いはさせない。これからはグッドニュースしか届けないから”と強く誓う。また、来年2月から約2年振りのツアー『Hilcrhyme TOUR 2019“Hill Climb”』を全国20カ所で開催する旨を告知。“待ってました!!”と言わんばかりの大歓声が起こる中、“あえて今回のツアー名は一度しか使えない自身の名を掲げた。そこでは新生Hilcrhymeを観せるから”とさらに期待を募らせる発言を重ねていく。

以後はこの地に立つまでの心境や想いを込め綴った最新曲「アタリマエ」が野音に笑顔を繚乱させた。また、新曲「愛更新」もこの日のステージと会場との相愛を更新させていった。

後半はTOCのラップスキルの高さが見せつけられた。「No.109」では、燃え上がる松明の中、男らしくストイックに言葉たちが放たれ、ステージ全体がマッピングを盛り込んだ映像で彩られた中披露された「臆病な狼」、「押韻見聞録」ではガシガシとストイックな雰囲気の中、トリッキーでスキルフルなフローが会場を高揚させた。またソカのリズムと雅なメロディの「続・押韻見聞録-未踏-」では前のめりに会場を巻き込み盛り上げていった。

“いつまでもみなさんのそばにHilcrhymeがあるように”の言葉の後に放たれた「Side By Side」が改めての決意表明であり所信表明のようにも響き、本編最後は“一番思い入れのある歌”と「涙の種、幸せの花」が、ここが君の居場所。何かあったらまたここに戻ってこい。俺もまたここから始めるからとの想いも重ねて歌われた。

アンコールでも心温まる曲たちが目立った。“お前といた12年間は決して悪いもんじゃなかった。離れていてもこれからもお前を想うし、これからも見届けていくから”と、3月に脱退したDJ KATSUに捧げられた「Good Luck」、花は二度咲くと現在の自身にも言い聞かせるかのように歌われた「FLOWER BLOOM」ではマッピングにてステージに満開の花を咲かせ、“自分たちはここから始まった、これからも俺は愛を歌っていく”と歌われたデビュー曲「純也と真菜実」が会場全体を至福で福音の毛布で包んでいった。“「One Man」ってタイトルを付けたけど、全然ひとりじゃなかった”とTOC。ラストは「大丈夫」が場内に安堵感を呼び込み、それはこれからひとりで歩み出していく彼と、それを押し出す会場中の気持ちの代弁のようにも響いた。

ひとりだけのステージながら、まったく寂しさも物足りなさもなかったこの日。それは紛れもなく、この日会場に集まった人々や画面を通し見届けた人たちとともにステージを作り上げたからに他ならない。彼はHilcrhymeの看板をひとり背負い、またここからいろいろなものを増やし、膨らませ、育くませていく。まずはその前の、たったひとりで歩き出す雄姿や意思、気持ちや気概を、あなたの街でも行なわれる来年2月からの全国ツアー『Hilcrhyme TOUR 2019“Hill Climb”』にてぜひ確かめてほしい。願わくば、その際にはTOCが現在ひとりで背負っている、そのHilcrhymeの看板を今度はあなたにも一緒に背負ってもらいたい。今後のHilcrhymeは、きっとそんな光景が似合うアーティストになっていくであろうから。

撮影:高宮紀徹(67531graphics)/取材:池田スカオ和宏

<セットリスト>

1.トラヴェルマシン

2.RIDERS HIGH

3.パーソナルCOLOR

4.ジグソーパズル

5.Summer Up

6.恋の炎

7.New Era

8.パラレル・ワールド

9.My Place

10.エール

11.ルーズリーフ

12.春夏秋冬

13.アタリマエ

14.Your Smile

15.想送歌

16.愛更新

17.No.109

18.臆病な狼

19.押韻見聞録

20.続・押韻見聞録-未踏-

21.Side By Side

22.涙の種、幸せの花

<ENCORE>

1.Good Luck

2.FLOWER BLOOM

3.純也と真菜実

4.大丈夫

【ライブ情報】

『Hilcrhyme TOUR 2019 “Hill Climb”』

<2019年>

2月02日(土) 広島・広島CLUB QUATTRO

2月03日(日) 岡山・CRAZYMAMA KINGDOM

2月09日(土) 福島・郡山HIP SHOT JAPAN

2月11日(月・祝) 神奈川・Yokohama Bay Hall

2月16日(土) 千葉・KASHIWA PALOOZA

2月17日(日) 静岡・LiveHouse 浜松 窓枠

2月23日(土) 熊本・熊本B.9 V1

2月24日(日) 福岡・DRUM LOGOS

3月02日(土) 岐阜・岐阜club-G

3月03日(日) 兵庫・チキンジョージ

3月09日(土) 長野・NAGANO CLUB JUNK BOX

3月16日(土) 愛媛・WstudioRED

3月17日(日) 香川・高松オリーブホール

3月21日(木・祝) 石川・金沢EIGHT HALL

3月23日(土) 大阪・なんばHatch

3月30日(土) 北海道・札幌PENNY LANE24

3月31日(日) 宮城・Rensa

4月06日(土) 愛知・DIAMOND HALL

4月07日(日) 東京・Zepp DiverCity Tokyo

4月13日(土) 新潟・NIIGATA LOTS

※チケット一般発売日:11月03日(土・祝)

■ツアー情報ページ

https://hilcrhyme.com/news/108157


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