[ALEXANDROS]、初のスタジアムワンマン『VIP PARTY 2018』が大熱狂&リクエストメドレーの披露も

2018年8月17日 / 20:00

8月16日@千葉・幕張 ZOZOマリンスタジアム photo by AZUSA TAKADA (okmusic UP's)

[ALEXANDROS]のワンマンライブ『[ALEXANDROS] VIP PARTY 2018』が8月16日、千葉・幕張のZOZOマリンスタジアムにて開催された。『VIP PARTY』は[ALEXANDROS]がバンドの節目ごとに行ってきたファン感謝祭的なスペシャルライブ。2012年にライブハウスで産声を上げた『VIP PARTY』は、日本武道館(2015年)、大阪城ホール(2016年)、日本ガイシホール(2017年)での開催を経て今回、自身初のスタジアムワンマンライブとして実施されるに至った。

スタンディング形式のアリーナとスタンドの客席を埋め尽くしたオーディエンスは実に3万5千人。強烈な海風すら跳ね返すほどの熱気と期待感に満たされた中、いよいよ開演の時を迎えた。

巨大なステージにまず登場したのは、[ALEXANDROS]のライブではすでにお馴染みの、村田泰子率いるストリングスセクション、通称“村田一族”。8人編成のストリングスの調べに、庄村聡泰(Dr)、磯部寛之(Ba&Cho)、白井眞輝(Gu)が加わって「ワタリドリ」のフレーズをシンフォニックに奏でていく。そして、“行くぞZOZOマリン!”というハイトーンシャウトとともに、川上洋平(Vo&Gu)が通路の先のセンターステージに登場。ハンドマイクで激しく観客を煽りながら、ユニバーサルミュージックという新たな舞台への旅立ちのシングル曲でもあった「ワタリドリ」を熱演するメンバーの姿に、スタジアムは開演早々から圧巻のシンガロングに包まれる。

巨大ビジョンに『VIP PARTY』のヒストリー映像が流れ、“R U READY?(準備はいいか)”という煽り文句が映し出されたところで、今度は一転して「For Freedom」(1stアルバム『Where’s My Potato?』/2010年)や「city」(2ndアルバム『I Wanna Go To Hawaii.』/2011年)といったインディーズ初期のナンバーを畳み掛ける。沸き立つ衝動をソリッドなロックに託した当時の楽曲が、スタジアムの舞台を揺さぶる“今”のスケール感をもって鳴り渡り、会場の温度は刻一刻と高まっていく。

同じく『I Wanna Go To Hawaii.』から披露した「Cat 2」では、ギターをフライングVに持ち替えた白井が“手を挙げろ! 違う、こうだ!”と観客にメロイックサインを促し、“行けるか千葉!”と挑むように呼びかける。曲中にメタリカ「Master of Puppets」のリフを挿入する定番の流れも、ここスタジアムでは格段に痛快かつダイナミックに響いてくる。

続けて3rdアルバム『Schwarzenegger』(2012年)から演奏したのは、縦ノリのビート感とアグレッシブな歌がせめぎ合う「Waitress, Waitress!」。間奏で聴かせるジャジィなアンサンブルでは、サポートキーボーディスト=ROSÉが奏でるピアノの音色とともに妖艶な時間を描き出してみせた。さらにもう1曲、再びストリングスを迎えての「spy」では川上がアコギを構え、豊潤な旋律をスタジアムの隅々にまで染み渡らせていく。
後のMCで川上自身も種明かしをしていた通り、この日のライブ本編は冒頭の「ワタリドリ」を除いて、1stアルバムからリリース年代順にセットリストが構成されていた。最近では披露される機会の減ったインディーズ期の楽曲を、あたかもバンドの足跡を3万5千人のオーディエンスと一緒に辿るような、濃密な時間が展開され、誰もが1曲また1曲とそのステージングに強烈に惹きつけられている。

いよいよあたりが夕闇に包まれ始めた中、ライブは4thアルバム『Me No Do Karate.』(2013年)へ。「Forever Young」のアンセミックなメロディがスタジアムの絶景と融け合い、「Starrrrrrr」の躍動感の結晶のようなリズムが大地を揺らしていく。

ここでビジョンに映し出されたのは、彼らにとっての“改名ライブ”となった2014年3月・日本武道館公演の模様。あの武道館公演で掲げられた2つの宣誓=“ありがとう、[Champagne]でした!”“初めまして[Alexandros]です!”の映像の間に“シャンパングラスが粉々に砕ける映像”を象徴的に挿入してみせたり、新バンド名を発表してから初めて演奏された「Droshky!」(5thアルバム『ALXD』/2015年)の当時のムービーとシンクロする形で「Droshky!」へと流れ込んでみせたり……といったシーンのひとつひとつから、[ALEXANDROS]の足跡のすべてをこの記念すべき初スタジアムライブに凝縮しようとする、4人の挑戦精神と遊び心がリアルに伝わってきた。

そこから「Run Away」を経て、「Girl A」のヘヴィ&ラウドなサウンドとともに6thアルバム『EXIST!』(2016年)のモードに移行したあたりでパラつき始めた雨が、さらに「ムーンソング」へと進んだところで強さを増してくる。しかし、メンバー4人とROSEはむしろそんなシチュエーションをも謳歌するかのように、雨に濡れながらセンターステージへと歩み出てくる。

“10曲以上歌ってるんですけど、これが初MCです。ぶっ通しでやってきましたけど、みなさん楽しんでますか?”と語りかける川上に応えて、観客の大歓声が巻き起こる。一階席、二階席、とブロックごとのコール&レスポンスから“全員楽しんでますか?”とひときわ大きな歓喜の声を呼び起こす。“最高!”。川上の表情に充実感が広がる。“ただこの景色を見てるだけで楽しい”と万感の想いを伝える磯部も満足げだ。“ずっと雨の予報だったんだけど、昨日くらいに予報が晴れになって、「みんなのおかげで晴れました!」って言おうと思ったら……雨降ってきました!(笑) それもうちららしいかと思います!”と語る川上に、会場がどっと沸く。

センターステージでは、50000件を超えるリクエストによって選曲されたトップ10の楽曲で構成されたメドレーを披露。「Oblivion」「Kill Me If You Can」といったシングル表題曲のみならず、「Waterdrop」や「Thunder」といったカップリング曲まで幅広く選曲されたメドレーのラインナップは、そのキャリアの隅々まで深く愛され続けている[ALEXANDROS]の在り方を明確に物語っていた。

下記セットリストの「Oblivion」以降がそのリクエストコーナーにあたるのだが、川上いわく“1曲やってないんです。3位は、さっきやった「Starrrrrrr」だったからです!”。しかし、“やってほしい?”という問いかけに、会場狭しと湧き上がる大歓声。サビの部分を演奏するバンドに応えて、夜空を震わせるほどのシンガロングが響き渡る。“感動しました。素晴らしい! こんな大合唱が起こるとは思わなかった”と磯部が手放しで絶賛する。
ちなみに、リクエストの1位に選ばれたのは「Leaving Grapefruits」。“みんな、やっぱり失恋ソングには弱いんですね、ということが判明しました(笑)”という川上の言葉とともに、メドレーではなく1曲通して演奏された「Leaving Grapefruits」が、晴れやかな観客の歌声を呼び起こしていった。

“今日は1stアルバムから順を追って演奏してきました。そして終盤戦は、“次の[ALEXANDROS]”をお見せしたいと思います! 今年の11月に発売するニューアルバムの曲を、今から何曲かやりたいと思います!”という川上のコールをきっかけに、ライブはいよいよクライマックスへ。ミディアムテンポのメランコリックな楽曲「LAST MINUTE」からも、ひたむきにロックを研ぎ澄ませ“その先”を夢想し続ける4人のマインドが抑え難くあふれてくる。

さらに、広大な音の新次元を切り開いた「明日、また」が銀テープのキャノン砲とともに響き渡り、3万5千人の高揚感をなおも激しく煽り立てていく。磯部がパーカッションを乱打するイントロから、ソリッドなエッジ感を感じさせるビートを一丸となって繰り出してみせた「I Don’t Believe In You」。そして、本編の最後を飾ったのは最新シングル曲「Mosquito Bite」。雨も上がった夏の夜空を切り裂くように、強靭なリフが暴れ回り、“[ALEXANDROS]のロック最進化形”の威力を鮮烈に体現していく。壮大なコーラスのメロディを観客が担ってスタジアム一面に編み上げてみせた場面は、ロックの決定的瞬間の宝庫たるこの日のアクトの中でも屈指の名シーンだった。

アンコールで再登場したメンバーを待ち受けていたのは、アリーナ/スタンドにキャンドルの如くきらめくスマホライトの光。“見せたいな、みんなに!”という磯部の言葉にも感激が滲む。

ライブで1曲通して披露するのはこの日が初めてという「ハナウタ」とともに、観客のハンドウェーブに合わせてスマホライトが左右に揺れ、光の大平原のような美しい風景が展開されていく。

雄大なリズムに不屈の闘志を託したアンセム「Adventure」でよりいっそう熱いシンガロングの輪を生み出し、“スタジアム吹っ飛ばす勢いで盛り上がれますか!”という川上のシャウトからこの日のラストナンバー「Kick&Spin」へ突入! 川上、白井、磯部の3人が花道へ駆け出し、舞台狭しと噴き上がる火の玉以上にオーディエンスの衝動を熱くたぎらせていった。

すべての演奏を終えた4人は、シャンパングラスを手にセンターステージで乾杯。“本当は花火を打ち上げる予定だったけど、風が強くてNGだった”と明かす川上は続けて“花火以上のものをぶち上げましょう!”と呼びかけてスタジアム一面のウェーブを起こし、スマホライトの眩しい波を描き出していた。“愛してるぜZOZOマリン!” ――舞台を去る直前、川上がオフマイクで叫び上げた言葉が、熱演の余韻とともに胸に残った。

2018年12月〜2019年2月にかけてライブハウスツアーを行うことが決定している[ALEXANDROS]。そして終演後、ステージのビジョンでは、横浜アリーナ&大阪城ホール各2Daysを含むアリーナツアーを2019年3月から新たに開催することが発表され、会場には驚きと感激の大歓声が渦巻いていった。時代性にもジャンルにも囚われることなく、己のロックを信じて道なき道を“ロックの王道”に変えていく―― そんな[ALEXANDROS]というバンドの決意がそのまま形になったような、最高の一夜だった。

photo by AZUSA TAKADA、河本悠貴、山川哲矢

text by 高橋智樹

【セットリスト】

1.ワタリドリ

2.For Freedom

3.city

4.Cat 2

5.Waitress, Waitress!

6.spy

7.Forever Young

8.Starrrrrrr

9.Droshky!

10.Run Away

11.Girl A

12.ムーンソング

13.Oblivion

14.This is Teenage

15.Wanna Get Out

16.Famous Day

17.Kill Me If You Can

18.Waterdrop

19.Thunder

20.Travel

21.Leaving Grapefruits

22.LAST MINUTE

23.明日、また

24.I Don’t Believe In You

25.Mosquito Bite

<ENCORE>

1.ハナウタ

2.Adventure

3.Kick&Spin
【国内ツアー情報】
12月04日(火) 愛知・Zepp Nagoya

12月05日(水) 愛知・Zepp Nagoya

12月10日(月) 東京・Zepp Tokyo

12月11日(火) 東京・Zepp Tokyo

12月20日(木) 大阪・Zepp Osaka Bayside

12月21日(金) 大阪・Zepp Osaka Bayside

1月11日(金) 香川・高松festhalle

1月12日(土) 香川・高松festhalle

1月18日(金) 福岡・Zepp Fukuoka

1月19日(土) 福岡・Zepp Fukuoka

1月24日(木) 岡山・岡山CRAZYMAMA KINGDOM

1月25日(金) 岡山・岡山CRAZYMAMA KINGDOM

1月30日(水) 新潟・NIIGATA LOTS

1月31日(木) 新潟・NIIGATA LOTS

2月04日(月) 石川・金沢EIGHT HALL

2月05日(火) 石川・金沢EIGHT HALL

2月09日(土) 沖縄・ナムラホール

2月10日(日) 沖縄・ナムラホール

3月02日(土) 宮城・ゼビオアリーナ仙台

3月12日(火) 神奈川・横浜アリーナ

3月13日(水) 神奈川・横浜アリーナ

3月19日(火) 大阪・大阪城ホール

3月20日(水) 大阪・大阪城ホール

3月30日(土) 北海道・北海道立総合体育センター 北海きたえーる

4月13日(土) 広島・広島サンプラザホール

5月12日(日) 福岡・マリンメッセ福岡

5月18日(土) 愛知・ポートメッセなごや 名古屋市国際展示場

<チケット>

■ファンクラブ先行

1次先行:8月16日(木)21:00~8月27日(月)23:59

2次先行:8月28日(木)12:00~9月3日(月)23:59
【海外ツアー情報】
■マレーシア公演『[ALEXANDROS] Live in Kuala Lumpur 2018』

9月22日(土) Kuala Lumpur @KL LIVE

■アメリカ公演『[ALEXANDROS] USA TOUR 2018』

10月14日(日) Dallas, TX @Canton Hall

10月15日(月) Houston, TX @Scout Bar

10月17日(水) Oklahoma City, OK @Diamond Ballroom

10月22日(月) Washington D.C. @U Street Music Hall

10月23日(火) New York, NY @Gramercy Theatre


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