尾崎裕哉、初単独フルオーケストラコンサート注目の東京公演をレポート 尾崎裕哉&尾崎豊作品が管弦楽の響きとともに

2018年8月2日 / 20:50

 26歳で終止符が打たれた父親の墓碑銘にはこう刻まれている。<生きること。それは日々を告白してゆくことだろう>――尾崎裕哉にとって初めての単独フルオーケストラ公演(7月24日@東京芸術劇場)を観ている間中、その墓碑銘が通奏低音として胸中に吹いていた。栁澤寿男指揮によるフルオーケストラとの助走が終わると、3曲目から尾崎豊の「ダンスホール」「優しい陽射し」「OH MY LITTLE GIRL」がメドレーで続奏される。主役の足元を木漏れ日状のライトが照らし、“組曲”の物語性を巧みに彩る。熱烈な尾崎豊ファン以外にも既知の名曲揃いでありながら、その実、毀誉褒貶なR&R的神話の影に隠れがちな、流麗にして珠玉の旋律&歌詩を丁寧に掘り起こしては歌い継ぐ――そんな尾崎裕哉の意思が透視できる構成だ。さらに「サムデイ・スマイル」「想像の向こう」と2曲のオリジナルを挟みつつ、世代を越えた不朽の人気愛唱歌「僕が僕であるために」へと、(さながら1枚の音盤上を針が進んでゆくかのように)ジョイントされる流れは見事の一言に尽きる。その繋ぎの瞬間を喩えるならば、<豊/裕哉>という永遠の見えない壁(=重圧)に挑んだ末、気づいてみたら<豊=裕哉>の奇跡的な架け橋が開けていたかのよう。

 休憩を挟んで後半の滑りだしはオケ演奏のみの「カヴァレリア・ルスティカーナ」が流された。映画『ゴッドファーザーPART Ⅲ』の最後に流れるマスカーニ作品にして、本公演の音楽監督・須藤晃氏のお気に入りの曲。尾崎父子への献歌として選んだと思しき心憎い演出だ。中盤は尾崎裕哉自身の“日々の告白”が織り込まれた「つかめるまで」「愛か恋なんてどうでもいいや」が連打され、フルオーケストラ効果の粒立ちが従来以上の歌詩の染みを覚えさせる。「I LOVE YOU」の後は、父の背中を遠望しながら自らの居場所を模索していた季節を描いた作品「27」。まさにこの公演当日、29歳を迎えた尾崎裕哉は“僕が僕である”場所に堂々と佇んでいた。迫力あるクワイヤ(合唱団)を含む総勢100名で歌い上げた「Glory Days」は圧巻!それは亡父の遺志と“それから”を高らかに歌い上げ、その蘇生=継承を誓うラスト曲として聴衆を魅了し、スタンディングオベーションの喝采に塗れた。そしてアンコールは1stシングル曲の「始まりの街」。彼の道程を灯しつづけてくれた人たちへの想いを綴った歌詩で締め、父・尾崎豊が未踏の地平へと歩む決意を誓った。

text by 末次安里(OutThere編集長)

◎公演概要
【billboard classics HIROYA OZAKI PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2018】

東京芸術劇場
2018年7月24日(火)
指揮:栁澤寿男
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
音楽監督:須藤 晃

〈演奏曲〉
尾崎裕哉オリジナル「Glory Days」「始まりの街」「君と見た通り雨」「音楽が終わる頃」
「サムデイ・スマイル」「想像の向こう」「Moonlight」「27」と、尾崎豊作品「Forget-me-not」 「I LOVE YOU」「僕が僕であるために」「ダンスホール」「優しい陽射し」「OH MY LITTLE GIRL」ほか

◎今後の公演

〈西宮公演〉
兵庫県立芸術文化センター大ホール
2018年8月12日(日)
開演15:00

指揮:栁澤寿男
管弦楽:日本センチュリー交響楽団
合唱:ソウルバードクワイア
音楽監督:須藤 晃

チケット:6,500円/ペアチケット12,000円(いずれも税込・全席指定)
※特製プログラム付
※未就学児童入場不可

チケットぴあ 0570-02-9999 (Pコード:118-057) http://w.pia.jp/t/bc-hiroya/
ローソンチケット 0570-084-005 (Lコード:55454) http://l-tike.com/bbc-ozaki
イープラス http://eplus.jp/bc-oh/
芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255 (10:00~17:00 月曜休み、祝日の場合翌日休み)

お問合せ:YUMEBANCHI 06-6341-3525 (平日11:00~19:00)

URL:http://billboard-cc.com/classics/hiroyaozaki2018/


音楽ニュースMUSIC NEWS

エビ中、横浜銀蝿の大ヒット曲カバーで横浜銀蝿40thとコラボレーション

J-POP2020年3月30日

 エビ中(私立恵比寿中学)が、横浜銀蝿の1981年の大ヒットナンバー「ツッパリ High School Rock’n Roll (登校編)」を「ツッパリ High School Rock’n Roll (バイト編)」としてカバーする。  本 … 続きを読む

浜崎あゆみドラマ『M』和田颯(Da-iCE)やHina(FAKY)らavex若手アーティスト出演

J-POP2020年3月30日

 歌姫・浜崎あゆみが誕生するまでに秘められた出会いと別れを描くドラマ『M 愛すべき人がいて』に、和田颯(Da-iCE)、Hina(FAKY)、lol -エルオーエル-、Yup’in(ヤピン)といったavexの若手アーティストが出 … 続きを読む

アリアナ・グランデ、レディー・ガガにバースデー・メッセージ

洋楽2020年3月30日

 2020年3月28日に34歳の誕生日を迎えたレディー・ガガに、アリアナ・グランデがお祝いメッセージを送った。https://www.instagram.com/p/B-SkTWaFD_G/?utm_source=ig_web_copy_l … 続きを読む

DIR EN GREY、歴史的な無観客ライブ『The World You Live In』世界で話題に

J-POP2020年3月30日

 DIR EN GREYが生配信し、現在はアーカイブ配信されている無観客ライブのオフィシャル・ライブレポートが到着した。  3月28日、横浜市に新設されたKT Zepp YokohamaにてDIR EN GREYが無観客ライヴを実施した。そ … 続きを読む

東京事変の新曲「現役プレイヤー」がWOWOWテニス2020シーズン新イメージソングに

J-POP2020年3月30日

 東京事変の新曲「現役プレイヤー」がWOWOWテニス2020シーズンの新イメージソングに起用されることがわかった。  現在、2010年発表の4thアルバム『スポーツ』の収録曲「勝ち戦」がWOWOWテニス2020シーズンのイメージソングとして … 続きを読む

page top