『ハイヴ・マインド』 ジ・インターネット(Album Review)

2018年7月21日 / 18:00

 【第58回グラミー賞】で<最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム>にノミネートされた前作『エゴ・デス』(2015年)から3年振り、スタジオ・アルバムとしては4作目となるジ・インターネットの新作『ハイヴ・マインド』。ストリートファッションを纏ったメンバー5人が、バランス良く並ぶ90年代直結のアートワークに、ニヤリとした人も多いのではないだろうか。

 ファンクやジャズ、ワールド・ミュージックなど良質な音楽のエッセンスを取り込んだサウンド・プロダクション。 音の方も、生楽器の質感によって活かされたヒップホップ~ネオソウル黄金期の90年代を彷彿させてくれるが、どれも古臭さを感じさせない。楽曲は、すべてメンバー5人による制作・プロデュース。

 4月にリリースされた本作からのシングル「Roll (Burbank Funk)」は、ディスコ・プロジェクト=GAZ(ガズ)の「Sing Sing」(1978年)という曲をサンプリングした、ヘヴィなベースが紡ぎだすファンク・チューン。真に音楽を楽しんでいる様子が、彼らの演奏、そしてミュージック・ビデオからもひしひし伝わってくる。そのビデオには、ラッパーのタイラー・ザ・クリエイターや、英ロンドンのシンガーソングライター=デヴ・ハインズ等もカメオ出演した。

 先行で公開された 「La Di Da」も、ビートに身を委ねたくなるような、リズム感覚抜群の好曲。シドの涼やかなボーカルと、ラテン風味のサウンド、そして彼らのツアーにも参加したムーンチャイルドによるホーンが、夏っぽさを演出する。 ムーンチャイルドは、冒頭の「Come Together」や「Mood」、ラストの「Hold On」でもホーンを担当している。

 その「Mood」や「Hold On」は、ムーンチャイルドのホーンとビブラフォンが響き渡る、清涼感あるスムース&メロウ。シドが単独で制作した「Come Over」や「Wanna Be」も同路線の美しいネオソウル・チューンで、彼らが奏でるミディアム~スロウのすばらしさを改めて実感させられた。シドのボーカルが若干丸みを帯びたからか、本作ではその完成度がさらに高まった気がする。 歌うというよりつぶやくようにリーディングする「Bravo」も、彼女のボーカルワークが光る。

 ルベン・ベイリーのラップをフィーチャーした「It Gets Better (With Time)」や、クラブ世代にはたまらないヒップホップ感覚の「Look What U Started」、マット・マーシャンズが手掛けたトリップホップ風の「Beat Goes On」など、肉体感覚溢れる真っ黒いグルーヴも秀逸。静と動、どちらも楽しめる内容になっている。

 2011年結成。同年にアルバム『Purple Naked Ladies』でデビューし、2013年リリースの2ndアルバム『Feel Good』は、米ヒートシーカーズ・チャートで11位を記録。3rdアルバム『エゴ・デス』は、R&B/ヒップホップ・チャート9位、ラップ・チャート3位の大ヒットとなり、“最強のブラック・バンド”として高く評価された。

 ボーカルのシド・ベネットとキーボードのマット・マーシャンズは、それぞれ2017年にソロ・プロジェクトを始動させ、今年5月にはベースのパトリックも2作目となるソロ・アルバムをリリースしたばかり。メンバーのソロ活動もバンドの成長に繋がり、前作『エゴ・デス』より深みのある音作りの、味わい深いアルバムになった。

Text: 本家 一成

◎リリース情報
『ハイヴ・マインド』
ジ・インターネット
2018/7/20 RELEASE


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