the band apart、結成20周年を記念したリクエストツアーを完遂

2018年6月8日 / 19:00

5月27日@新木場Studio Coast (okmusic UP's)

“(バンド結成から)20年に入って、歌うことが分かってきた。(渡辺)美里さん張りのMy Revolutionが起きて…”と荒井岳史(Vo&Gt)がMCすると、会場は和やかな笑いに包まれた。

今年バンド結成20年というアニバーサリーイヤーを迎え、ファンのリクエストを踏まえてセットリストを組んだ『20周年記念リクエストツアー』を初開催したthe band apart。4月の仙台公演を皮切りに計8公演行なわれ、5月27日の新木場Studio Coast公演は最終公演となった。まず会場に入ると、1階のフロアーはもちろん、2階席を含めてびっしりと観客で埋まっている。開演前からすでに祝福ムードが漂う完全ソールドアウト状態である。

 開演時間を少し過ぎ暗転すると、荒井、川崎亘一(Gt)、原 昌和(Ba&Cho)、木暮栄一(Dr)とメンバー4人がぞろぞろと姿を見せ、オープニングは最新曲「Falling in Love」で幕開けした。ど直球の曲名、甘美なラブソングと言える歌詞世界を含め、20年の年輪が鮮やかに刻まれた楽曲と言っていい。ここに集まった観客のハートを木綿のごとくやさしく包み込むスケール感のあるサウンドでご挨拶。ピンク色の照明と相まって、心がじわじわと温かくなる曲調だった。それから「星に願いを」で手を上げる観客が増え始め、次は「higher」へとつなぐ。サビで突き抜ける荒井の高音ヴォイスは何度聴いてもうっとりさせられ、特に後半の伸びのある声量には体中がゾクゾクする思いだった。

 「amplified my sign」を挟んだあと、会場の下手側の壁に20周年を祝したメンバー4人の似顔絵フラッグを見た荒井が“俺、そんなにナスっぽい?”と突っ込みを入れる場面に観客も爆笑。また、隙間なく埋まった会場に原が感謝の言葉を述べると「禁断の宮殿」を披露。手数の多いフレーズで心地良いグルーブ感を作り出し、フロアーを根底から揺さ振っていく。キャッチーな「my world」からファンキーな「real man’s back」に入ると、川崎が頭を激しく振るパフォーマンスとともに軽快なギターフレーズを搔き鳴らし、思わず聴き入ってしまった。
そして「I Love You Wasted Junks&Greens」に入ると、観客全員が拳を高らかに上げ、会場の熱気も上昇するばかり。丁々発止の激しいアンサンブルに加え、木暮、原、荒井、川崎と各ソロパートをリレー形式でつなぐ流れにも大いに沸いた。「SOMETIMES」「Taipei」「Moonlight Stepper」とプレイしたあと、“解約違約金って、ひどくない?”と木暮が唐突に言葉を放つ。どうやら「Moonlight Stepper」のイントロを聴いた時に“解約違約金”という文字が頭をよぎったそうだ。そこで“俺らはこういうバンドなんです…”と荒井がすかさずフォローを入れる場面も面白可笑しかった。

 今回のリクエストツアーに関しては“これ?”と驚くリクエスト曲もあったようで、“ここを出ると暗い現実がお互いに待ってる。いつ笑う?・・・今でしょ!”と原が勢い良く言い放つと、会場も大フィーバー。後半に向けて、バンドと観客のテンションはさらに上がる一方だ。

 原のコーラスが冴え渡る「Super High」、爽快なメロディーを配した「photograph」、日本語詞を用いた「夜の向こうへ」ではハンドクラップが自然発生する至福の光景が広がっていく。本編も残すところわずかとなり、「Can’t Remember」や初期の名曲「Eric.W」がプレイされると、色褪せることのないthe band apart節に会場も最高潮に達する。“最後はリクエスト1位になった曲”と前置きし、「KATANA」で本編を締め括った。この結果はちょっと意外だったけれど、それもthe band apartらしいと言えなくもない。

 バンドはアンコールに応えて再びステージに登場。今回のツアーには少なからずプレッシャーがあったようで、“リクエストでヘボいことやったら、地獄だから…”と荒井が零すと、ここで新曲「茶番」を初披露。荒井と川崎のギターの掛け合いや、隙間なく詰まった濃厚なアンサンブルで、これまでとは一線を画すユニークな曲調で好リアクションを得ていた。それから「Flower Tone」「K.and his bike」における荒井のエモーショナルな歌声も絶品で、約2時間半に及ぶ長尺ライヴは無事終了…かと思いきや、ここでメンバー自ら、9月にベスト盤とトリビュート作品、また、10月6日&7日に板橋区荒川沿いの特設会場にて20周年記念野外フェスを体重計などの大手メーカー『TANITA』とのコラボで開催すると発表。新旧織り交ぜたこの日の20周年ライヴで非常に満足していたのだが、まだまだthe band apartの20周年祭りは終わりそうにない。作品、野外フェスともに今から非常に楽しみだ!

20周年記念野外フェスは、Twitterのハッシュタグ #agfes でチェック!

(DI:GA ONLINE編集部)
撮影:Rui Hashimoto/取材:荒金良介

【セットリスト】

1.Falling in Love

2.When You Wish Upon A Star

3.higher

4.amplified my sign

5.禁断の宮殿

6.my world

7.real man’s back

8.I love you Wasted Junks & Greens

9.SOMETIMES

10.Taipei

11.Moonlight Stepper

12.Malibu

13.The Sun

14.Snowscape

15.Super High

16.photograph

17.夜の向こうへ

18.Waiting

19.Can’t remember

20.Eric. W

21.KATANA

<ENCORE>

1.茶番(新曲)

2.Flower Tone

3.K.and his bike

【ライブ情報】

『PLAYTHINGS × rawer than raw』

7月07日(土) 東京・上野水上音楽堂

<出演者>

荒井岳史(the band apart) / 五味岳久(LOSTAGE) / 日高央(THE STARBEMS) / フルカワユタカ / 渡邊忍(ASPARAGUS) / Kazuhide Takamoto(COMEBACK MY DAUGHTERS) / Keishi Tanaka / TGMX(FRONTIER BACKYARD)

DJ、Percussion:木暮栄一(the band apart) / DJ: 松田”CHABE”岳二

<FOOD & DRINK>

志賀高原ビール *長野

クジラ荘(HOT DOG)*三軒茶屋

麵屋ぬかじ(らーめん)*渋谷

マルショウ アリク(牡蛎屋)*松陰神社前

RR – coffee tea beer books -(COFFEE STAND)*新代田

■チケット情報ページ:https://goo.gl/Sf261V

【リリース情報】

7inchアナログシングル「Break It Down / Falling in Love 」/Keishi Tanaka x the band apart

2018年6月20日(水)発売

7inch +DLコード(FLAKES-194)

Label / FLAKE SOUNDS

JAN 4571207711946

¥1620(税込)

<収録曲>

■A-Side

Break It Down / Keishi Tanaka

■AA-Side

Falling in Love / the band apart
7inchアナログシングル「Break It Down / Falling in Love 」/Keishi Tanaka x the band apart
2018年6月20日(水)発売

7inch +DLコード(FLAKES-194)

Label / FLAKE SOUNDS

JAN 4571207711946

¥1620(税込)

<収録曲>

■A-Side

Break It Down / Keishi Tanaka

■AA-Side

Falling in Love / the band apart


音楽ニュースMUSIC NEWS

僕が見たかった青空、3rdシングルを7月リリース YouTubeで選抜発表へ

J-POP2024年4月19日

 僕が見たかった青空が、7月3日に3rdシングルを発売することを発表した。  乃木坂46公式ライバルとして、2023年8月30日に『青空について考える』でデビューした23人組の僕が見たかった青空。3rdシングルは、2ndシングルに引き続き選 … 続きを読む

【先ヨミ・デジタル】宇多田ヒカル『SCIENCE FICTION』が引き続きDLアルバム首位走行中

J-POP2024年4月19日

 GfK Japanによるダウンロード・アルバム売上レポートから、2024年4月15日~4月17日の集計が明らかとなり、宇多田ヒカルの『SCIENCE FICTION』が2,805ダウンロード(DL)で引き続きトップを走っている。  宇多田 … 続きを読む

【先ヨミ・デジタル】Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」648.1万回超えで引き続きストリーミング首位走行中 ILLITが続く

J-POP2024年4月19日

 GfK Japanによるストリーミング再生回数レポートから、2024年4月15日~4月18日の集計が明らかとなり、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が6,481,751回で首位を走っている。  4月17日公 … 続きを読む

【先ヨミ・デジタル】BUMP OF CHICKEN「邂逅」1万DL超えでDLソング首位走行中 米津玄師/ミセス最新曲が続く

J-POP2024年4月19日

 GfK Japanによるダウンロード・ソング売上レポートから、2024年4月15日~4月17日の集計が明らかとなり、BUMP OF CHICKENの「邂逅」が11,501ダウンロード(DL)を売り上げて現在首位を走っている。  同曲は、本 … 続きを読む

公式プレイリスト『春に聴きたいMrs. GREEN APPLE』公開

J-POP2024年4月19日

 Mrs. GREEN APPLEの公式プレイリスト『春に聴きたいMrs. GREEN APPLE』がApple Music、Spotify、『春に聴きたいミセス』がLINE MUSICで公開された。  本プレイリストは、“進学、入学、就職 … 続きを読む

Willfriends

page top