SHE’S 六本木の桜舞う穏やかな情景を彩る美しい旋律と、日常に彼らの音楽が鳴る幸せ思うとき

2018年4月9日 / 17:25

 気持ちのいい日差しが降り注ぐなか満開を迎えた都内の桜が、新年度の始まりを爽やかに告げる。4月1日、六本木へ向かう途中に聴くSHE’Sの旋律はいつもより爽快で、目に入る景色も鮮明に感じた。また、この穏やかな情景と弾む気持ちに「C.K.C.S」(最新アルバム『Wandering』収録)がリンクするように流れてきたことも心をくすぐった。この日、【SHE’S Tour 2018 “Wandering”】最終公演が東京 EX THEATER ROPPONGIにて行われた。

 「C.K.C.S」は、井上竜馬(vo,key,g)が実家の愛犬に対しての愛が積りに積もって作ってしまった一曲だという。そのことを本ライブのステージ上で語る井上の表情からも、歌う姿からも微笑ましい日常が感じられた。この季節の平穏な情景と楽曲のもつ日常の幸せといったイメージが重なり、ファンとも楽しく遊んでいるかのような雰囲気さえ覚えた。

 幸せを感じる瞬間は人それぞれである。と、思うが、SHE’Sの音楽からは普段気づけずにいた、日常にある幸福感を示されているようで。SHE’Sの楽曲には“光が射し込む”だとか“心の闇に寄り添う”だとか、そういった印象を与えられるのだが、彼らの人間性が宿った楽曲でそう感じるのであれば、私たちはSHE’Sという人間に惹かれ、井上竜馬、廣瀬臣吾(b)、服部栞汰(g)、木村雅人(dr)といった存在を日常的に感じてしまっているのかもしれない。彼らの音楽、彼らそのものと共存している感覚がやけに心地良いのだから。また、それは幸せだけでなく、痛みや悲しさや寂しさ、言葉にならないような思いも含めて。

 本ライブで得た幸福感に終着しない考えを巡らせていると、MC時の飾らない4人がこの日はやけに和んだ。まるで茶の間に居合わせた感覚で、日常にスーッと彼らが溶け込んでくる。それが嫌じゃない以上、SHE’Sは私たちの日常を彩ってくれる存在なのだ。そう思うことがもはや単純なものになってしまっていた。

 先輩バンドから学ぶことが多かった対バン、それを経てのワンマンでのツアーを通して、SHE’Sは自身の人間としての深みをより著しく表現していた。一人一人がSHE’Sとして自分たちの音楽を真摯に受け止め、己の湧き出る感情と合わせて音を届けてくる。それゆえに、「Home」で“居場所”、「Curtain Call」で“光”といったワードは必然的に感じ、心熱くなってしまった。つまりSHE’Sという人間により惹かれてしまった、そんなツアー最終公演であった。

photo by MASANORI FUJIKAWA

◎セットリスト
【SHE’S Tour 2018 “Wandering”】
4月6日(金)EX THEATER ROPPONGI
1.All My Life
2.Blinking Lights
3.Un-science
4.Freedom
5.Getting Mad
6.Running Out
7.White
8.Beautiful Day
9.Back To Kid
10.Remember Me
11.Say No
12.Ghost
13.Flare
14.C.K.C.S
15.Over You
16.Time To Dive
17.遠くまで
18.Home
En1.The World Lost You
En2.Curtain Call

◎ライブ情報
【Sinfonia “Chronicle” #1】
ストリングス&ホーンを従え、ベストセレクションで贈るホールワンマン開催決定!!
5月25日(金)NHK大阪ホール
5月27日(日)中野サンプラザ
http://she-s.info/sin-chro/

文:フルカワタイスケ


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