MUCC、結成20周年記念イベント『えん7 FINAL』で豪華ゲストと共演

2017年12月31日 / 21:00

12月27日@東京・日本武道館 (okmusic UP's)

MUCCが12月27日に東京・日本武道館にて、20周年記念のフィナーレとなるイベント『20TH ANNIVERSARY MUCC祭「えん7 FINAL」in 武道館』を開催した。このイベントは結成20周年記念の集大成であり、11月にリリースされたトリビュートアルバム『TRIBUTE OF MUCC -縁[en]-』に参加した盟友たちか顔を揃えたスペシャルなものとなった。

開演が近づき、期待と興奮の表れか、ざわめきも大きくなる中、まずステージに登場したのはシド。彼らの存在を最初にピックアップしたのがMUCCの逹瑯(Vo)という関係性もあり、口火を切るにふさわしい高いモチベーションのパフォーマンス。軽快なリズムで心が浮き立つメロディーを誇る「Dear Tokyo」を投下し、いきなりのトップギア。マオ(Vo)が「一緒にいくぞ!」とオーディエンスへ投げかければ、会場からは大合唱が巻き起こる。中盤にはマオがMUCCの20周年に触れ、「シドは来年で15周年。この(5年の)間隔は埋まることがないけど、ずっと背中を追いかけ、一生頑張っていく」とその想いを口にしてからトリビュートで披露した「暁闇」へ。ゆったりと力強く鳴らし、メンバー4人がしっかり音と向き合っている姿勢がありありと伝わってくる。ラストの一音一音まで一切の気を抜かないパフォーマンス。終盤は「プロポーズ」に「眩暈」と爆走モードで駆け抜けていった。

白いワンピースを身にまとい、ピアノで弾き語りというスタイルで、この日の出演者の中でも特に異彩を放っていたのが矢野絢子だろう。彼女ならではの情緒豊かなアプローチで描いた「リブラ」を歌い上げ、会場は大きな拍手で包まれる。続けた「ニーナ」でも、このシンプルな形だからこそ生まれる歌とピアノの一体感が素晴らしく、繊細なニュアンスを表現しながら、言葉を大切にする歌声が広い会場に響き渡っていく。「MUCCさん、おめでとうございます。実は私も20周年。いい音楽を続けていけたらいいなと思います」とMUCCへの謝辞と今後の気持ちを言葉にした後、小声で「外のテントで(私の)CDも売ってます」と続け、アリーナから「買うよ!」と返ってきた反応に「やったー! ありがとう!」と喜ぶチャーミングな姿も印象的だった。

序盤から大歓声に包まれたのはDEZERT。深紅色のライトに照らされて、千秋(Vo)がギターを携えて艶かしく歌い出し、バンドの奥深さを感じさせるDEZERT流の「アカ」からクライマックスでは悪魔のようなシャウトを轟かせた「「擬死」」とつなぎ、その圧倒的な世界に魅入られっぱなしのオーディエンス。彼らに支配されたような空気の中、千秋が煽り、覚醒と静寂を行き来する「「変態」」では、その気骨を見せつけ、フロアは熱狂に酔いしれて生き生きと駆け回る血気盛んなオーディエンスで溢れかえる。。今を受け止めて光へ手を伸ばそうとするリリックも胸を打つ「「ピクトグラムさん」」は、Miyako (G)のテクニカルなプレイも相まって、多大なスケール感を持つ曲。存分に持ち味を発揮し、「また生きてるうちにお会いしましょう」と千秋の言葉で締めくくり、ステージを後にした。

メンバーが姿を現す前から盛大なハンドクラップは巻き起こり、葉月(Vo)の「聞かせてくれ、武道館!」から「D.A.R.K.」をドロップし、とんでもなくムードを高めたのがlynch.だった。キレの良いシャウトとメロディアスな歌を自在に操り、「CREATURE」でさらに気持ちよく翻弄されたところで葉月がMUCCへの感謝の想いを語ったかと思いきや、「(MUCCの)ファンの皆さんを根こそぎ奪いにきました。好きなバンドを好きなままでかまいません。lynch.とちょっと浮気してみませんかー!」と叫び、会場全体のボルテージは急上昇。その投げかけからの「茫然自失」はまさに圧巻であり、バンドの一心同体っぷりも凄まじかった。最後は、必ずや辿り着く武道館でのワンマンへの決意をオーディエンスへ伝えてから、メロディアスで美しい「EVOKE」。彼らならではの爪痕を残していった。

同世代であり、MUCCと同じ茨城を故郷に持つTHE BACK HORN。リハーサルの音合わせの段階から歓声があがり、その関係性をわかっているのだろう、山田将司(Vo)が両手を挙げて応える光景も見受けられた。初っ端の「刃」が始まるやいなや、会場中から拳が突き上げられ、オーディエンスの待ちかねていた気持ちが爆発する。最前線で戦ってきたライヴバンドらしい躍動感と熱量で、彼らの世界観に一瞬で染め上げていくのだ。シンプルに必要な音だけで構成され、山田の艶やかな歌声も素晴らしかった「美しい名前」も印象的だったが、ハイライトは山田が逹瑯を招いて披露した「最終列車」だろう。贅沢すぎるこのツイン・ヴォーカルは、互いを尊重しながらもせめぎ合う姿があり、心地よい緊張感も漂うプレミアムな光景は会場にいたすべての人の心を鷲掴みにしていったに違いない。

突出したスケール感で独創的なサウンドスケープを見せつけてくれたのが、京(DIR EN GREY)が率いるバンドであるsukekiyoだ。メンバーの姿がよく観えずとも、その音だけで引き込まれるダークで甘美な世界。「leather field」や「 死霊のアリアナ」と披露していったのだが、類まれなるその佇まい。祈りを捧げるように叫び歌うその姿は何か神聖な儀式を観ているようでもあった。新たな創造へ挑むスタイルはどの曲にも共通していたのだが、「ガーベラ」は呼吸をするのもはばかられるようなsukekiyoしか表現できないアレンジで彩られ、会場を埋め尽くすオーディエンスもその場から一歩も動けないほどの圧力を誇っていた。

「日本武道館、ヤリに来ました!」と堂々とN∀OKI(Vo)が宣言し、怒涛のツイン・ヴォーカルで攻めまくったのがROTTENGRAFFTY。過去にはMUCCと合同イベントも開催したことがある彼ら。序盤から「世界の終わり」や「D.A.N.C.E.」を万全の戦闘態勢で矢継ぎ早にプレイし、会場の熱気をさらに高めてからミヤをステージへ呼び込み、「蘭鋳」を披露。ド頭から激しいヘドバンにモッシュが起こるほど、彼ららしいスタイルで鋭く切り込んでいく。最後には「お前ら全員、かかってこい! 輝きで狂え!」とN∀OKIが叫び、キラーチューン「金色グラフティー」を投下するのだが、当然のようにアリーナの各エリアでサークルモッシュが巻き起こる。ライヴが終わり、NOBUYAの「次はオレたちの力でこのステージに立ちます!」という力強い宣言も頼もしかった。

会場のあちこちから赤いサイリウムが振られるほど、熱心なファンも多く駆けつける中、「Pierrot Dancin’」でKISHOWがハイトーンを響かせ、オーディエンスの心を鷲掴みにしたのがGRANRODEOだ。e-ZUKA(G.)の高いスキルもさることながら、その2人を支えるリズム隊も盤石の体制。抜けの良いメロディーで包み込み、変幻自在なアプローチで巧みに音を操っていく。KISHOWが「このバンドにしか出せないカッコよさを持ってるバンド。それを20年も続けてきた素晴らしさがある」とMUCCへのリスペクトを語り、「大切に歌わせていただきたい」と披露した「ニルヴァーナ」が秀逸。しっかりと言葉を紡ぎながら尋常ではない熱をこめた歌声は素晴らしく、とてもドラマティックな光景を描いていった。

そして、暗転した瞬間からとんでもないどよめきが起こり、神秘的なムードの中、大トリかつ主役であるMUCCが登場する。いきなり逹瑯がシャウトをかまし、よりグッとムードが高まった中、モダンヘヴィネスとエレクトロニカを絶妙なバランス感で融合させ、彼らだらこそ表現できる「睡蓮」からライヴはスタート。盟友たちのパフォーマンスを観て、メンバーも高まった気持ちを押さえられないのだろう。艶かしい逹瑯のヴォーカル、身を屈めんばかりに激しく引き倒すミヤ、躍動するあまり、飛び跳ねるような仕草も見せるYUKKE(B)、激しさを加速させるSATOち(Dr)のショット、どれもがエネルギーに満ちあふれている。その勢いのまま、「たくさんの人がこの日をお祝いしてくれました。ありがとう」と逹瑯が謝辞を述べてから「それはさておき、主役の登場だ!かかってこい、武道館!」とアジテートして「ENDER ENDER」をドロップするのだから、さらにヒートアップするオーディエンス。ビッシリと埋まった会場が揺れ、まだまだ始まったばかりにも関わらず、最終盤のような盛り上がりを見せる。特段、派手な仕掛けやギミックはない。だが、その4人が放つエナジーとオーラが凄まじく、自然と魅了されてしまう。もちろん、圧倒されるばかりではなく、ステージへそれ以上の熱量を返そうとするオーディエンスとのやり取りが美しく、最高にカオティックで痛快なシーンばかりが広がっていくのだ。巧妙なイントロからどこもかしこもお祭り騒ぎとなった「謡声(ウタゴエ)」し、そこからひと呼吸だけおいて放たれた「KILLEЯ」の破壊力もとてつもないモノだった。「さぁ 落ちて行こう」というリリックをキッカケとして、大きなサークルモッシュも起こり、会場に充満した熱気が撹拌されていく。武道館が騒乱のダンスフロアと化した「G.G」から続いて、ゲストをフィーチャリングしたステージもこの日ならではだろう。まずはKen(L’Arc~en~Ciel)がステージに加わり、逹瑯の絶叫もドラマティックだった「EMP」で奥深い音世界を見せつけ、その後に登場したのはDAIGO(BREAKERZ)。DAIGOが今の気持ちをMUCCになぞらえ「マジ(M)、嬉しい(U)、超(c)、超(c)」と語る場面もあったほど、長く親交を深めてきた間柄ということもあり、披露した「フライト」は、オーディエンスの大合唱もさることながら、まさしく多幸感にあふれたムード。会場中を埋め尽くした全員で「うぃっしゅ!!」を決めるところまで、実にポジティブでハッピーな空気が流れていた。そこからはまたギアを入れ替え、疾走感抜群の「名も無き夢」から、ミヤが日本武道館の改修工事に触れて「今日、いちばん飛べよ!」と煽った「ハイデ」へつなぎ、抑揚の施し方が非凡であろう「蘭鋳」と畳み掛けていく。締めくくりとしたのは、逹瑯が「ホントにいろんな人に助けられてここまできました。ありがとう。最後に、もうちょっとだけ助けてもらおうと思います」とKen、AKi((シド明希)を呼び込み、「ともに歩んできた仲間」と紹介したガラ(MERRY)も加えたスペシャルな編成での「TONIGHT」。20周年の締めくくり、いろんなアイデアがあったことだろう。だが、繋がりや関わりを大事にし、いろんな想いを分かち合うMUCCらしいフィナーレだった。

photo by 西槇太一、白石達也

text by ヤコウリュウジ

【セットリスト】

■シド

01.Dear Tokyo

02.one way

03.嘘

04.暁闇

05.プロポーズ

06.眩暈

■矢野絢子

01.リブラ

02.ニーナ

03.汽笛は泣いて

■DEZERT

01.アカ

02.「擬死」

03.「変態」

04.「ピクトグラムさん」

■lynch.

01.D.A.R.K.

02.CREATURE

03.茫然自失

04.GALLOWS

05.pulse_

06.EVOKE

■THE BACK HORN

01.刃

02.シンフォニア

03.美しい名前

04.最終列車(with逹瑯)

05.コバルトブルー

■sukekiyo

01.leather field

02.死霊のアリアナ

03.ガーベラ

04.艶

05.anima

06.嬲り

■ROTTENGRAFFTY

01.世界の終わり

02.D.A.N.C.E.

03.響く都

04.蘭鋳(withミヤ)

05.「70cm四方の窓辺」

06.金色グラフティー

■GRANRODEO

01.Pierrot Dancin’

02.ROSE HIP-BULLET

03.ニルヴァーナ

04.ナミダバナ

05.move on! イバラミチ

■MUCC

01.睡蓮

02.ENDER ENDER

03.謡声(ウタゴエ)

04.KILLEЯ

05.G.G.

06.EMP(with Ken)

07.フライト(with DAIGO)

08.名も無き夢

09.ハイデ

10.蘭鋳

11.TONIGHT(with ken&がら&AKi)


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